日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

喜びと期待を乗せて

一番列車。その日の始発列車だろうが新たに開通した路線で初めて運行される列車でもあるだろう。今時新規に開通する鉄道路線などあるのだろうか。都心の地下鉄か、全国へ伸びていく新幹線網くらいだろう。 小学生の頃、横浜駅あたりまで行くと駅の手前で国鉄…

門下生

毎月通うクリニック、予定の採血を終えた。これで来週にその結果がわかる。可溶性インターロイキン2R。悪性リンパ腫のマーカーだ。敷居値内であること、値に大きな動きがないことを見ている。この二年間、値は安定してくれていた。少なくともあと三年。大人…

夏のウグイス

六十歳。子供の頃は大人の年齢など気にしなかった。ただ当時は六十歳といえばおじいちゃんおばあちゃん、「老人」という認識だった。「老」という漢字には何かポジティブな使われ方があるだろうか。広辞苑を広げた。音読みと訓読みでざあっと探してみた。「…

休日列車「楽しみの国」行き

宇都宮の駅に居た。夏も終わりで夕暮れは決して暑くない。そんな中、同駅始発の列車を待っていた。日光の2400m級の山に一泊二日かけてでじっくり登った自分は疲労感に包まれながらも無事に終えた山の余韻と満足感、下山後の立ち寄り湯、それに駅前で手早く食…

履きつぶしましたね

靴もいい加減歩くとソールが減ってくる。自分はどうも右足外側踵側が早く減る。歩く癖だろう。ビジネスシューズでも良いものだったら踵部分の張替が出来る。スニーカーは履きつぶしたら終わりだ。ナイロン軽登山靴などはペロリとソールがはがれる。登山の最…

図書の旅30 赤頭巾ちゃん気をつけて (庄司薫)

・赤頭巾ちゃん気をつけて 庄司薫 新潮社 1969年 青春時代とは一体何歳頃をさすのだろう。部活に燃える中学生も、受験で忙しい高校生も。自我を見つめて何かを見出していく大学生も。どれもが青春時代だと言えると思う。スポーツの苦手な自分は中学時代は部…

伸ばしてしまったゴム

姉が居た影響なのか、幼い頃にスカートに憧れた。なぜ僕は半ズボンで姉はスカートなのだろう、と思ったがスカートはひらひらとして綺麗に思えた。 まだよく覚えている。幼稚園の頃、姉のスカートを履いて六畳間をスキップして喜んだことを。余りに履きたがっ…

二つのカレー

「今夜はカレーよ」。「リンゴと蜂蜜、トローリ溶けてる」 カレーを巡ってのテレビコマーシャルは多くが記憶に残る。カレーはラーメンと並び日本人の国民食と言われている。成人してからは何故か自分は余りカレーが好きではなかった。あれ一皿にせいぜいサラ…

美しい所作

映画「男はつらいよ」の大ファンだ。今の世の人にはただの短気で自分勝手、パワハラ・モラハラ気質満点な暴力的なクソオヤジとしか思えない主人公の寅さんだが、1969年の初スクリーン、それから1995年まで彼が年2回映画館に登場し毎回多くの観客を動員し皆が…

ゴンズクとパトス

父親が世を去りひと月以上経過した。口座の凍結、年金の停止、遺産確認、墓地の手配、四十九日の準備…。山のようにやることがあった。現役の頃のような集中力、事務処理能力、そして持続力も無くなった自分にはすべてが億劫だった。沢山溜まった書類を前にた…

水ヨーヨー

子供の使うビニールのプールに水を張り、ゴムの風船を浮かべる。その口の輪ゴムを竹ひごなどで引っかける。上手く釣れるだろうか。そんな遊びをしたのは子供の頃だった。水ヨーヨー釣りだった。 そんな水ヨーヨーが車のリアシートにポツンと忘れさられていた…

表現者礼賛

登山と山頂でのアマチュア無線運用。山に登れば電波が良く飛び下界の無線局と交信が多くできる。無線機を持っていれば緊急時に携帯電話よりも確実に誰かに連絡が取れる。SOSは誰かが聞いている。仲間内でもはぐれない。そんな二点から登山とアマチュア無線は…

老いと円熟

年齢を経ると様々な運動機能が衰えてくる。晩年の父は歩けなくなり最後は老人施設で人生を閉じた。ずっと寝ているか車いすだった。歩行機能は失いたくないが老化には抗えない。少しでも機能を長く維持するためには普段から鍛錬が必要なのだろう。鍛錬と書く…

カフェの彼女

久しぶりに立寄った新幹線の駅だった。西の街へ向かうためだった。待合室に入ると淹れたてのコーヒーの匂いに包まれた。懐かしい時を思い出し思わず、顔を探した。 朝一杯のコーヒーは体を目覚めさせてくれるだろう。イタリアンローストのカプチーノよりも薄…

終着駅は始発駅

「終着駅は始発駅」、書き上げたこの1600字の原稿にはその題名が相応しいと思った。もしかしてそんな題名の本があったはずだと探したら鉄道作家・エッセイストの宮脇俊三さんの書だった。読んだ記憶もあるがなにせ彼の書は大変多く今は数冊を手元に残すだけ…

海岸から登る山 - 岩戸山・熱海市

海岸からそのまま登山し始める山。ありそうで浮かばない。小田原と熱海の間にあった。湯河原駅から歩き相模湾の国道に登山口がある。しばらくはみかん農園の簡易舗装の道。そして舗装が途切れるととんでもない藪になった。舗装路の上部に居た農夫さんが言っ…

スパゲティ新作?

「スパゲティ・ジアスターゼ」 そう書くと何やら途端に本格的な料理な気がする。リストランテは無理でもトラットリアやオステリアあたりのメニューにあってもおかしくなさそうだ。ニヤニヤと笑いながら、ありあわせの材料で作った昼食にそう名付けようと考え…

お好み焼きイノベーション

革新、イノベーション。それはいつも会社人生では求められできた。イノベーションには「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」がある。前者は既存市場での顧客の満足度を上げていく取り組み。後者は既成概念にとらわれず新発想を取り入れ新しい…

二時間の友人

中国地方のある街から新幹線に乗った。夏の西日が遠慮なくホームに差し込んで目がくらみそうだった。ホームに滑り込んだ車両の中は冷房が効いておりようやく一息ついた。少し遅れて大きな荷物を持った青年が乗ってきた。西洋人だった。彼は偶然にも自分の隣…

素敵なひと時

赤信号の交差点だった。横からドコドコという排気音が聞えてきた。ビッグシングルだろう。案の定やって来た。想像通りだった。 単気筒のバイクにずっと乗ってきた。中型免許を取っての最初のバイクだけは空冷二気筒のアメリカンスタイルのバイクだったが、す…

バンザイ突撃

お盆休みの渋滞がテレビで報じられている。お馴染みの東名高速は御殿場インターまで40キロの渋滞です。中央道は八王子インターから20キロ渋滞、新幹線の乗車率は200%…。 時期こそ地域によっては異なるがお盆だから故郷に帰るのは仕方が無いだろう。そこにお…

憧れの絵画

NHK-BSでヨーロッパの駅ロマンというタイトルの番組をやっていた。偶々録画した回はフィンランドのヘルシンキ中央駅の光景だった。冬のヘルシンキは寒い。自分のヘルシンキは出張だった。バルト海に面した港の前のホテルで一瞬外に出ただけでウールのズボン…

こんな日もあるだろう

いや、今日は大変だったね。お疲れ様。ほら、まずはカンパーイ。 コロナ前の神田や新橋あたりでは当たり前の風景だ。夕闇迫るガード下や雑居ビルの焼き鳥屋だ。コロナが始まってすぐに自分は会社勤めをやめてしまったので今の風景は知らない。しかし仕事を終…

湯船にて

日帰り湯に良く出かける。登山の帰りには必ず立ち寄る。温泉の湧く銭湯も最近よく行く。これは日常の中のリフレッシュだ。 当然だが日帰り湯と銭湯では客層の違いがある。日帰り湯は行楽帰りによることが多いので若い子連れなどの世代も増える。値段は千円を…

相模原に関所あり 淵野辺大勝軒

相模原市はいつの間にか巨大化し旧津久井郡も巻き込んでしまった。神奈川県津久井郡は消滅し、傘下の相模湖町、藤野町、津久井町、城山町。それらはすべて今では幻の地名になってしまった。神奈川県北東部の山梨県との県境が相模原市緑区と言われてもピンと…

雨宿り

驟雨だった。陽炎が漂うような空にもくもくと雲が盛り上がり急に降り出した。 自転車の小さな旅で街道沿いを走っていた自分は本能的にひさしを探した。上下とも速乾ウェアのいで立ちで土砂降りでも晴れればすぐに乾くだろうが、やはり濡れたくはない。雨宿り…

怖い虫

近所のハンバーガーショップに時々出かけるのはハンバーガーが食べたいわけでもない。米国発祥で世界中に店を持つそのチェーン店の一つで学生の時に半年程度アルバイトした。懐かしさから行くわけでもない。確かにたまに食べるとそれなりに美味だが、今なら…

小さくがんばる

病は気からと言う。昔は何とつまらないつこじつけだろうと思っていた。気持ち次第で病の状態が変わるはずなどないと思っていた。 しかし実際に病にかかると心の在りようが大きく体調に関係することを実感した。適応障害に罹患したときは金縛りにあったかのよ…

図書の旅29 作って遊べ工作図鑑 かざまりんぺい えびなみつる

● 作って遊べ工作図鑑 かざまりんぺい えびなみつる 誠文堂新光社 2004年 幼心の自分に影響を与えた出版社といえば三社だろうか。怪人二十面相シリーズのポプラ社。そして、誠文堂新光社と科学教材社。児童書のポプラ社は別として、後者二社は間違えなく自分…

番号の意味

子供の頃のかけっこ。もちろん一等賞が嬉しいものだろう。運動全般が苦手だった自分には縁のない数字だった。 高齢者になり自立生活が難しくなるとその方には介護保険の傘の下に番号付けがされるということを自分はこの三年前までは知らなかった。そんな番号…