日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

好きな音楽、音楽を巡る雑感

グルーヴィな日々

グルーブという単語を知ったのは何時だろう。間違いなくそれはアース・ウィンドアンドファイヤ(EW&F)の1981年のナンバー「Let's Groove」だったろう。リアルタイムだった。敢えて邦題にするならば「グルーブしようぜ」になるだろうか。レッド・ツェッペリ…

こだわる人

何事も自分の好きなことに熱中している人は傍から見ていて面白い。と言うよりも、良くもそこまで掘り下げるなと関心してしまう。手始めに彼にそれを質問した時、あまりのその世界の奥深さと彼のこだわりに畏れ入ってしまった。 彼は嬉しそうだった。念願の物…

迷ったうえで・真空管自作アンプ2

数か月前に造り上げた真空管アンプ。実は一度しか火を入れていない。卓上で聴く分にはこれも手作りのデジタルアンプと自分で組んだスピーカーユニットで満足のいく音が出ているからだった。1970年代までのブラックミュージックにロックは音が大きいほど心地…

空想の庭

もし自分の家に広い土地があったら、どんな庭にしたいのだろう? 林の中に棲んでみたいという思いが芽生えたのはやはりアウトドア誌のお陰だろう。そんな雑誌を楽しむようになったのは社会人になってすぐだった。しかし生活の拠点は会社と家のある首都圏に限…

簡潔に追悼

小澤征爾氏が逝去された。八十八歳。今晩のニュースを見ていて知った。食事時、思わず箸が止まった。 娘からすぐにラインが来た。「パリで観た時凄かったね、残念」とあった。当時小学生だったのだが彼女はよく覚えていたのだろう。シャンゼリゼ劇場の最上階…

教えと祈り

歌と楽器。どちらが先に生まれたのだろう。現代のデジタル知恵袋であるネットの知恵を借りると旧石器時代から打楽器が見られたとあり笛も同様のようだ。鍵盤楽器も紀元前、弦楽器は中世とある。 誰しも嬉しい時、悲しい時に歌が寄り添うだろう。歓びは歌にな…

憂いもなく

新年を迎えて早くも一月が経とうとしている。月日の経過の速さと年齢を重ねる事にはある種の相関関係があると思っている。それは直線で表現できるものではなくそこに何らかの偏向が働く。十歳の時、二十歳の時、五十歳、そして今。感じる一日の速さは高齢に…

レニングラード攻防戦

小学生のころから自分はミリオタ、つまりミリタリーオタクだった。自分が小学生と言えば1975年まで。当時本屋には太平洋戦争での日本海軍撃墜王・坂井三郎の著作「大空のサムライ」が並んでいた。ドキドキして読んだ。当時の世の中はベトナム戦争が終わる頃…

元旦の朝

♪ダッ・ダララ・ダララ・・ ああ、今年も始まるな。 昨夜はたった一本の缶ビールで眠くなってしまった。NHK-Eテレでベートーヴェン第9の演奏会放映を見ているうちは起きていたが、後は憶えていない。年越しそばを食べる事もなく寝てしまったのはこの二週間収…

職場の第九

全くやられてしまった。職員の皆さんは帰宅したのでスピーカーの音量を上げたのだ。何故か鳥肌が立ちこれまた目頭が濡れてしまうのだから困りものだった。これははたして人類に存在する音楽なのか。ここは天上なのかと思う始末だった。 二十代三十代の頃に一…

図書の旅36 朝比奈隆 この響きの中に

●この響きの中に 朝比奈隆 実業之日本社 2000年 指揮者の書いた自伝を読んだのは二冊目だ。一冊目は小澤征爾による「ボクの音楽武者修行」だった。桐朋学園で斎藤秀雄氏に指導を受けて、スクーター一台ともに貨物船でフランスに渡りブザンソンのコンクールで…

高原の駅ピアノ

音楽が常にあるという事は素晴らしい。口ずさんでも良し、頭の中に流れているだけでも良し、もちろん演奏しても良し。エア指揮も良し。音楽は何らかの風景や思い出を頭の中に再現する。そこから自分の想像力は広がり、小さな旅が出来る。裏を返すと音楽のな…

離れてみるのも悪くない

鉄道旅。時間を潰すのなら車窓が最大の友になるだろう。風景に通暁した路線ならいざ知らず初めてやたまにしか乗らぬ路線ならば物珍しさもある。更にボックスシートの中距離列車で窓際に座れたら旅の楽しさは確約されたようなものだ。次に手を出すのはスマホ…

パリジェンヌ

首都圏の地下鉄はますます複雑になった。郊外を結ぶ私鉄との相互乗り入れが拍車をかける。かつては諳んじていた路線図ももうさっぱりわからない。昔ながらの小さな車両が走る銀座線と丸の内線に乗ると何故か安心する。ロンドンのチューブも小さな車両でヒー…

禁断

禁断と言う言葉がある。ある行為を差し止める事、法度。そう広辞苑には書いてある。禁断の果実を食べたのはアダムとイヴ。欲しくとも手にしないもの、すべきでないもの、そんな意味で使われるのだろう。禁断の愛は小説や歌劇のテーマになって来ただろう。大…

ヒーローのポスター

自分の中でヒーローは一体誰だっただろうか。子供の頃はこう答えただろう。「サンダーバードのヴァージル」か「ウルトラセブン」と。キャラクターではなく実存する人間ならどうだろう。人によりさまざまだろう。アイルトン・セナを上げる人もいればアントニ…

まぶしい草野球 

♪ 風の外野席 手のひらかざして 青い背番号 確かめてみる♪ エラーの名手に 届けるランチは クローバーの上に転がしたまま・・ きっとこの歌は、この場所を描いたのだと思った。なによりも作詞・作曲者の家から近いのだから・・・。 自分の人生の中で東京都民…

仲間と愉しむこと

ムジィチーレン。そんな言葉はいつ覚えたのだろう。ドイツ語は詳しくないがクラシック音楽を聞いて関連書籍を読んでいるといずれ触れる単語だろう。自分は吉田秀和の著作あたりで知ったのだろう。ムジィチーレンとは「音楽をする」という意味と理解していた…

曇り空

ここしばらく続いていた暖かい日。それは「秋」という単語を暖気が何処かに蹴とばしてしまったのだろう。そう思うしかないものだった。午後遅くにウォーキングをすれば汗ばむほどだった。Tシャツに短パンで歩くとなんと蚊にも刺されてしまった。「霜月」と美…

狂騒曲

それは自分の中では狂騒曲だった。ここ数日間頭が一杯になっていた。何本も電話をかけまくった。 仲良しグループでも何でも良いが小さな集団を長く維持することは容易でないことを知っている。夫婦がそれだろう。山あり谷あり。しかし夫婦は互いに人生の伴侶…

高台から

ステージからの風景を味わったのは数年振りだった。わずか50センチほどの高さの演台だが店の奥まで見渡せる。思っていたよりも大きな小屋だな。80人は入るな。サウンドチェックの段階では同じステージに上がる他のバンドなどの関係者しかいない。今夜はここ…

公演中止

自分はまだ十歳で当時は姉の聴くアイドル歌謡曲を聞いていた1973年。熱狂的に初来日を心待ちにしていたファンは失意のどん底だったろう。ライブは公演中止となった。メンバーが過去の麻薬歴を問われ入国禁止となった。それはストーンズ(ザ・ローリング・ス…

素晴らしき朝

数日振りに心地よい朝を迎えた。パッと目が覚めた。まだウォーキングをしていないのは明け方の雨の余韻が残っているからだった。ここ数日夜は窓を閉めていた。開けると思いのほか空気が張り詰めているからだった。 毎日少しづつ秋が深くなってくる。そのうち…

アンサンブル

このメンツでスタジオに入るのは三年ぶりだった。コロナで予定していたライブハウスをキャンセルしてから様々なことがあった。外出規制、リモート勤務、社会全体の沈滞。また罹患を防ぐマスクのために素顔を出すこともなくなった人々。誰もが相手の素顔を忘…

手抜きも悪くない

週に一度は楽をしよう。そう決めてからしばらく経つ。楽をする、とはリラックスするという事で、簡単に言うと近場の銭湯に行く事だ。夏場はシャワーばかり。自宅の風呂とて体洗いに1分、湯船に2分。合計3分もかからずに出てくるのだからまったくカラスの行水…

全てを超えるもの

「旧・東ドイツのエリアはこことは違う」そう言っていたのはドイツで働いていた頃の現地人社員だった。東西ドイツが統一され20年以上も経っていたが実際多くの旧・西ドイツ市民には統一後の税金が旧東ドイツの復興や格差是正に使われたと不満が多かったよう…

目覚めよ 悔い改めよ

ある旋律が頭の中に鳴り目が覚めた。まだ早朝だった。 その旋律には覚えがあった。しかし題名が分からなかった。今は便利なものでスマホ相手にそのメロディを口ずさめばたちどころに曲名が動画サイトの映像とともに出てくる。ははあなるほど、と思った。もう…

老いと円熟

年齢を経ると様々な運動機能が衰えてくる。晩年の父は歩けなくなり最後は老人施設で人生を閉じた。ずっと寝ているか車いすだった。歩行機能は失いたくないが老化には抗えない。少しでも機能を長く維持するためには普段から鍛錬が必要なのだろう。鍛錬と書く…

二時間の友人

中国地方のある街から新幹線に乗った。夏の西日が遠慮なくホームに差し込んで目がくらみそうだった。ホームに滑り込んだ車両の中は冷房が効いておりようやく一息ついた。少し遅れて大きな荷物を持った青年が乗ってきた。西洋人だった。彼は偶然にも自分の隣…

どうしたものか

とても音痴だ。すこし鼻の詰まったような声質がそこに加わり自分の歌など聞きたくもない。しかし子供時代からずっと音楽の授業での合唱が大好きだった。小学生では「気球に乗って何処までも」「夏の思い出」。中学高校になると「翼をください」「誰もいない…