日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

お履き替えの季節

もう5月と言うのに時折冷える日が残っていた。そんなこともあってかなかなか交換しなかった。しかしもう寒さの到来は無いだろう。カーゴルームに夏タイヤを載せてタイヤ交換に出かけた。 初めてこの車に乗った時はもう35年近く前でまだ550㏄だった。結婚した…

図書の旅15・素晴らしい人体(山本健人)

・素晴らしい人体(山本健人著・ダイアモンド社・2022年) 普通に生活しているなら手足や臓器の役割を改めて感じる事もないだろう。当たり前に考え、動いているのだから。しかしそのバランスが崩れる。「病気」になると色々な事が見えてくるのだな。それがこ…

四十数年ぶりの目覚め

これまでの引っ越し回数を数えてみた。11回だ。高校卒業から社会人になり結婚するまで5回。結婚後3回。なかなかの回数引っ越したものだと思う。当然その際に多くの物を廃棄してきたはずだ。引っ越しは物を捨てるのにもっともよい機会だろう。 先日押入れの中…

隣家の夕餉

家の隣がレストランで、毎日良い匂いが漂っていたとしたら幸せだろうか。 レストラン・食堂の隣に住むならどんな店が良いか。寿司屋からは匂いは来そうにない。天麩羅屋もとんかつ屋も良いがそのうちにこちらが揚がってしまいそうだ。カレー屋はかなり怪しく…

図書の旅14・二十三階の夜(曽野綾子)

二十三階の夜 (曽野綾子著 1999年 河出書房) 曽野綾子の小説やエッセイにはほとんど触れたことはなかった。高校生の頃に読んだのは「太郎物語」だった。曽野氏の息子・太郎氏がモデルなのだろうか。名古屋の大学に入学、始まった太郎の一人住まい生活とそ…

夜間情動不安症

どれがいいのかね、うちの子は6キロ未満だからね。新生児用ではキツそうだし、Sサイズは大きいね・・・。そんな話をホームセンターのオムツコーナーでしていた。傍目には祖父祖母が孫用のオムツを選んでいるのか、と思われたかもしれない。人間用は通気性が…

柿の種の憂鬱

ねぇ、これ、ピーナッツ少なくない?パッケージとえらい違いだね。そう妻は憤っていた。たしかに、と僕も言う。 ここ数か月で多くの食料や日用品の値が上がっていた。値上げは1割に満たないだろうが、我が家のような毎月支出が収入を上回っている家計、住民…

創作・モウセンゴケ

この花は余り気持ちが良いかたちではないな。そんな事を遠藤康太は考えていた。ギアをPに入れてサイドブレーキを強く引っ張ったのは停車地が坂の途中だったからだ。車に同乗したトレーニングウェアの女性が後扉をスライドさせ軽やかに出て行った。左側に一段…

つけ焼き刃

毎月つけ焼き刃だ。学生の頃から試験前は一夜漬けで過ごしてきた人間としては、時間をかけてじっくりと、というのは習慣として根付いていないのだろう。今でも付け焼き刃をしている。 病の経過観察で、月に一度血液データを検査している。可溶性インターロイ…

二つの伝承・大勝軒

自分がラーメン店巡りに乗り出したのは1980年代末だった。その頃に丁度ブームが来た。環七ラーメン戦争と言われた環七通り添いに増えたラーメン店は博多ラーメンに加え背油チャッチャ系と当時は言われていた豚骨だった。我が街横浜では家系ラーメンが暖簾を…

七人の敵

古くから言われている言葉はなかなか言い得ているものがある。しかし今となっては首をかしげるものもあるだろう。「男は敷居を跨げば七人の敵あり」という言葉など、どうだろう。七人には具体的なものもなく「多い」と言う事を意味するようだ。 敵という以上…

胸躍る山の計画づくり

友人とファミリーレストランスに詰める。別に食事をするわけでもない。目的は山の計画作りだった。少し長い連休がくる。この時期は例年山スキーと相場は決まっていた。 山スキーとはスキーを用いた登山だ。登る山にたまたまスキーリフトがかかっているならば…

知りたい気持ち・ルカ福音書

近所の地区センターの図書室に通うようになり数か月たった。蔵書は少ないが、全く飽きない。絵本、少年向け科学図書、古今東西の著、最新刊。図書室ではゆっくり新聞を広がるご老人も居ればノートを広げ課題に取り組む中高生もいる。彼らを見ながら本の棚に…

ねばねば美味い納豆パスタ

納豆のパスタは食品メーカーからもソースの素が出ているので時々利用させていただいた。納豆にパスタかと初めて目にした時は驚いたが、妙に病みつきになる味だった。しかしイタリアンではないいわゆるパスタ屋の納豆パスタは食べたことが無い。もう少し手の…

河岸を変える

河岸(かし)を変えるか、そんな言葉は今も生きているのだろうか。しかし自分は時々使う。友人と再会し散々飲み少し遅れてきた仲間が参加した辺りで趣向の違う店に行きたくなる。そんな時に、どれ河岸を変えてやり直そうか。というパターンだろう。改めて乾…

殻を取り払うべきは

所用があり都内を東西に横切る電車に乗っていた。コロナ騒動も一息ついたのか、外国人がとても多く乗っていた。ここまで流れが戻ったか、と嬉しかった。外国人も郷に入っては従うのだろうか、皆マスクをしていた。ガイド本やパンフレットなどを手にしている…

図書の旅13・渚通り(立原正秋)

・渚通り(立原正秋著 1998年 メディア総合研究所) 文学作品には作者自身の生き様や、こうありたいという理想、価値観、自身が問題と捉えていることとそれに対する考え、などが前面に出てくるのだろうか。私小説ならそれが比較的わかりやすく出てくるのだろ…

少しづつ、変わってほしい

2023年4月1日から自転車でのヘルメット着用義務が課されることになる。その一報に接し口に出た。「ああよかった。しかし実現まで遅かったな」。 18歳の時から乗っていたオートバイ。転倒は3度ある。急制動によるものが2回、カーブで後輪を取られて転倒が1回…

膝の上の幸福

愛犬が激しいけいれんを起こし、4日間の入院を経て自宅に戻ってきてから2週間強経った。脳疾患と言う。毎日シリンジを使い経口でステロイドと抗痙攣剤を与えている。奏功してか、目下痙攣の再発はない。しかし病前の習慣や本能的なものは全て忘れたかのよう…

図書の旅12・CWニコルの黒姫日記(CWニコル)

・CWニコルの黒姫日記(CWニコル著。武内和代訳、講談社1989年) 自分が山を始めるきっかけとは何だったろう。はじめにアウトドアに憧れた。もともとバイクが好きで学生時代に250ccのバイクに乗り始め、これを駆り北海道などツーリングした。その後、友が持…

春うらら、野点の山

久々に揃った三人だった。自分にとっては二人とも二十数年程度の知り合いだが、彼らは三十年来の山仲間だ。出来上がっている山仲間の関係に7,8年遅れで自分が参加したというのが正しい言い方だろう。お二人とも山の大先輩であり、またそれぞれが日々をしっ…

料理の先生

料理と言っても自分はきちんと習ったこともない。そもそも家庭料理は習うものかどうかも知らない。しかし結婚した頃に好奇心から地元の公民館の料理教室に通った。奥さんに少しでも自分の作ったものを食べてもらいたいという気持ちだろうか。30年以上昔の話…

頼もしき人たち

♪8時ちょうどのあずさ2号で・・・。 わたしは旅立つ。そんな歌に唄われた信濃路へ我々をいざなう中央本線。信濃の国へ向かうならば特急あずさ。各駅ならば高尾駅始発の中距離列車に乗り多くの場合は甲府で終点。そこからは数分の乗り継ぎで松本行がバトンを…

面倒なことは楽をする 

夕食にピザが食べたいなぁ、そう言い出したのは妻だった。非課税世帯としては出費は控えたい。そもそも自分は趣味と称して山靴や自転車でそこら中に出かけては出費を重ねるのだから、日用のものは安い店で値引きシールの付いた品だけを買っている。加え、こ…

平均律クラヴィア曲集第1巻 大塚直哉演奏会

バッハの大作、平均律クラヴィア曲集第1巻の全曲の演奏会だった。通して生演奏を聴く機会はそうもない。矢も楯もたまらずに予約して良い席を取った。演者は大塚直哉氏。楽器はチェンバロ。 平均律クラヴィア曲集は第1巻と第2巻。上下になるがそれぞれ独立し…

腕の中の重さ

「ガターン」。大きな音とともに横の机の椅子がひっくり返った。黒い学生服のM君が椅子のまま仰向けにひっくり返ったのだった。彼は硬直して歯を食いしばっている。口からは泡を吹いた。隣席のN君は慣れた調子で口にハンケチを突っ込んだ。しばし小刻みに震…

図書の旅11・静かな生活(大江健三郎)

・静かな生活 (大江健三郎著・講談社・1990年) 自分が非常勤職員で働いている地域のための施設では地元の人たちの参加による様々な催し物の集いがある。手話であり子育てサロンであり健康体操であり。そんな中に障害を持った人々と触れ合う集いがある。自…