日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

雪とみかん・湯河原城山

みかん畑の中をゆっくり登っていく。きつい勾配だが簡易舗装の道は細く長くうねるように続いている。みかん農家の玄関先のトレーの中に袋詰みかんが重なっていた。一袋100円。この道を歩くハイカー目当てなのか、市場に出さなくて良いのかともいらぬ心配をす…

葉の花のおひたし

季節のものに反応するようになったのはやはり歳のせいだろうか。 春と秋は嬉しいもの。土地の恵みを味わう季節だ。息吹の春は山菜や野草。恵みの秋は野菜全般、きのこも良い。 季節を感じるかのようにそんな恵みを戴く時に思うようになった。「ああ、また新…

追憶の百名山を描く(12)・塩見岳

●始めに: 日本百名山。深田久弥氏が選んだ百の名峰。山岳文学としても素晴らしい書だが、著者の意とは反して、このハントがブームになって久しいようだ。自分は特に完登は目指していない。技術的にも気力的にも出来ない山があると知っている。ただ良い指標…

悪い癖が出ました・エクセル好き

表計算の定番ソフト、エクセル。会社生活を始めたのは1986年。当時オフィスには国産コンピュータが数台あるのみで、理系上がりの先輩がちょっとプログラムを組んで売り上げデータを入れたのだろう。「おー!」と課長をも含む皆から嘆息が漏れた。兎に角数字…

病の意味

あれは寒い夜だった。 ずっと頭に違和感を感じていた。再就職した新しい仕事の研修でも集中力に欠けた。ある日歩行中に転倒、その夜は食器を落としてしまい、慌てた妻は救急車を呼んだ。即座に取ったCTで脳腫瘍を告げられたがその辺りの記憶は混然としている…

追憶の百名山を描く(11)・丹沢山

●始めに: 日本百名山。深田久弥氏が選んだ百の名峰。山岳文学としても素晴らしい書だが、著者の意とは反して、このハントがブームになって久しいようだ。自分は特に完登は目指していない。技術的にも気力的にも出来ない山があると知っている。ただ良い指標…

熱意の塊

年末になると何故か耳にすることが多いベートーヴェンの交響曲第九番。単に「ダイク」と呼ばれる。最終楽章の中のほんの一部に過ぎない合唱「歓喜の歌」のみが街に流れ電波に乗るが、第1楽章から緩徐楽章もすべてを通して綿密。非の打ち所がない。第一楽章か…

スープカレーは癖になる?

ラーメンとカレーが日本人の二大国民食という話もよく言われる。何故だろう、自分はカレーとは縁が薄かった。カレーライスという食事は、おかずらしいものがない。なんだか手抜きの極み。申し訳程度の具材にカレー粉とメリケン粉だろう?そんな風に思ってい…

機関銃の快感

機関銃を持って「快感」といえば薬師丸ひろ子だろうか?しかし先日感じた快感はそれではない。 職場には岡山出身の職員さん、広島出身の職員さんがいる。彼女たちと話すときには、心地よく広島の言葉が出る。しかし彼女たちも横浜の生活が長い。こちらの言葉…

境界線

漢字にして三文字だが、境界線とは考えさせられる。線の向こうとこちらで何か違うのだろう。 自分が初めて境界線を意識したのは、大学入試だった。通っていた予備校の試験で出てくる結果表。志望校が射程内か外か、その境界線がAやBというアルファベットで示…

春がすぐそこに・菜の花パスタ

妻が職場で立派な菜の花を貰ってきた。同僚の方がプランターで育てたというものだった。スーパーで見かけるよりも大振りで、イキが良い。 これどうしようか、と聞くので即座にパスタと頭に浮かんだ。 味付けは「何とかの一つ覚え」。オリーブオイルとニンニ…

計画通り、新春佐野厄除けラン

三十年以上も昔、皆がまだお気楽な社員だった時代。四人のマウンテンバイク野郎どもは秩父の河原で自転車に興じ、焚き火をしてテントで寝た。小綺麗なたくさんの用品に囲まれて非日常を野山に求めるキャンブブームが後に来るとも想像できない頃だった。 当時…

チッキとライゼゲパック

BSで再放送をしているNHKの朝ドラを見ていた。それは1980年代初頭の作品で、今も現役、あるいは鬼籍に入られた懐かしい俳優さん達が出演されていた。終戦後の日本の社会で女性が自らの意思を持ち自分の価値観で自立していく、そんな話だった。1980年代初頭と…

ザイルパートナー

見事な呼吸だった。阿吽とはこれの事だと実感した。 近所の散歩道。家の外壁塗装だろうか足場を組み上げている現場があった。パイプで器用に組み立てる足場は見ているだけでも不安定だが、あれが崩れるとはあまり聞いたこともない。なるほどつなぎ目は専用の…

犬の仕草

犬と毎日過ごす。いつも一緒にいると体調は手に取るようにわかるし、彼の機嫌も日によって異なる。帰宅した時は扉の前で待っている。外出しようとすると空気を察して近づいてきて伸びあがって、連れて行けという。家に置いておくと彼はゴキゲンななめだろう…

新年早々ご苦労さま 雷電山

案の定薄暗い山だな そう彼は独りごとを言っていた。こんな山に登るやつはいないだろう、そう思ったようだが意外に山中では他の登山者に会ったようだ。青梅市のハイキングコースという看板を前に彼は頷いていた。 新年早々彼はなぜあまり楽しそうでない地味…

ありがとう母校・箱根駅伝

母校には二つの歌があった。校歌とカレッジソング。前者は式典時に歌われるものだったが学生食堂や購買部でもいつも流れていた。後者は学生の愛好歌で「カレソン」と呼ばれていた。飲み会などで興が乗ると誰からともなく自発的に歌われた。しかし自分はきち…

スイセンの小径 津森山

山を歩く気持ち。自分を目一杯勇気づけて登る山もあれば、しっかりとした計画も立てずに気楽に歩く山もあるだろう。前者には革靴に35から50リットルに近いザックが伴侶になるし後者はナイロン靴に25リットルでも持て余しそうだ。 山麓の風景をのんびり味わい…

謹賀新年・正月三題

年が明けた。今年はどんな年なのか。自分は周囲に生かされている、そう思う日々が続く。今年もよろしくお願いします、と万物に頭を下げる。 題一 : としおとこ 今年はウサギ年だ。干支が中国から来たと知ったのは仕事で中国系アメリカ人と話していた時。デ…