日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

天気予報

朝目覚めると何をするか?まずは枕元で充電していたスマホを手に取るだろう。未だインターネットも無かった頃は目覚めるとすぐに新聞を取りに玄関へ行った。第一面の右下あたりに確か小さく天気図が載っており各地の天気予報がある。前線の有無を見て東京の…

甲斐からの山・スノーシューの入笠山

・入笠山 1955m 長野県富士見町、伊那市 我が家の目の前には南アルプス北端の尾根が東西に伸びている。真正面には「鉄驪ノ峰・碧芙蓉」と漢詩にも詠まれた海抜2966メートルのくろがねが屹立している。甲斐駒ケ岳だ。その左手は鳳凰三山が高さを競う。そんな…

卒業証書

帰宅したら緩衝材に包まれた正方形の封筒が届いていた。何だろうと手に取り裏面を見て驚いた。と同時にとても嬉しかった。授業料という謝礼の代わりに一回当たり時間の許す限り、そして何度も教えていただいた。言ってみれば先生と生徒という関係だったのだ…

革靴の試練

晴天の朝だった。気温は氷点下で北西からの風もあったがこの季節は仕方がない。今日を有意義にしよう。近くの山で軽い雪山登山をしよう、そう考えて準備を始めた。 するとスマホにメッセージが届いた。「細板と革靴でこれからゲレンデに行きませんか?」と。…

勇気百倍

勇気百倍、そう言って飛んでくる。顔が濡れると力がなくなる。と「新しい顔よー」といいながらなぜか此方から焼きたての顔が飛んできて入れ替わる。すると悪の計らいごとをする悪いやつはパンチを受けて飛んでいく。バイバイキーンと言いながら彼方に消えて…

従業員募集

そこはとあるパン屋だった。ここ八ケ岳山麓はパン屋が多い。ガイド本も出ているほどの激戦区ともいえるだろう。ブランジェリーを目指したものから一般的なベーカリーまで。天然酵母にこだわる店、動物性材料を使わない店。多くの店は森の中にひっそりとたた…

冬晴れ

昼食を家内と食べていた。その日は会社の創業記念日で午前中で仕事は終わりだった。たまには昼飯でもと家内と出かけた場所は横浜の中華街だった。食べかけの頃に電話が鳴った。「家内が亡くなりました」と。 それは義兄からだった。その前年の夏過ぎに、姉が…

二十年以上前の靴

まだまだ綺麗な靴だった。防水ワックスをしっかりと塗り込んだ。靴先のコバが長くて出っ歯なのには理由がある。その裏面は三つのピン穴が開いている。そこに三つのピンをうまくはめ込み上から金属のブレードで抑え込むのだった。それはテレマークスキーの締…

ドキドキそしてワクワク

いや、それちょっと違うんじゃないかな。そう言われるのではないかと不安もあった。全くの自己流だからそれも仕方ないなと。しかしまあやってみよう。手のひらに乗る小さなケースをギターケースのポケットにしのばせた。スタジオで隠れるようにポケットを開…

遠い二十五メートル

初めて泳げたのは小学校何年生だったか。ただ仰向けに浮かんで足を動かしたら動いたのだった。「泳げる」のうちにも入らないだろう。子供のころから喘息があり水から上がるとなぜか発作が出るのだった。そんなこともあり体育の授業の水泳の時間はいつもお休…

あら、増えている

リビングには薪ストーブがある。40センチ程度の薪を三本いれて火を付ければ三十分もすれば部屋は温まってくる。外は氷点下だ。さすがにTシャツ一枚で済むとはならない。家の吹き抜けを多く設計したのが災ってか熱効率は少し悪い。それでも遠赤外線とは強力…

アップデート

インドネシアから来たお客様だった。 自分がその国に行ったのはもう三十五年は前だった。そこに当時新しく取引を始めた会社があり、自社製品の教育に行ったのだった。それは技術者がトレーナーであり営業の自分は通訳担当。初めての海外だった。南シナ海の上…

匂う人相書き

テレビの時代劇。父親が好きなのでつられて見た。水戸黄門はあまりにも明快で少しひねったものが自分は好きだった。父の贔屓は東京12チャンネル・現テレ東の「大江戸捜査網」だった。公儀隠密の手慣れな四人組。浪人や町人を装っているが江戸を揺るがす陰…

甲斐からの山・雪だより 八島湿原

車の中は自分にとって大切なオーディオルームだ。クラシックからソウル、ロック、フュージョン、ポップス、自分の好きな音楽はSDカードに入るだけフォルダ別に入れて再生する。たいしてよいカーステレオではないので音はチープだが、馴染の曲が限りなく流…

ハイブリッド

時々悩む。アナログとデジタルのどちらが良いかと。そして自分はセコいのだろうかと。 久しぶりに泊まりがけで横浜に行く機会があった。それはバンドの練習で、どうせその後は果てしなく皆で飲むだろう。初日の昼には次女夫妻とランチを取った。三人それぞれ…

え、それって誰?

友人の家に時々立ち寄る。自分より一回り以上年上の方だった。いつも歓迎して下さる。友人は多趣味で器用なのだから自分は何時もそこで何らかの刺激を得る。美味しい珈琲が、そして奥様お手製のケーキが出てくる。時にそれは友人の焼いたベーグルでありパン…

ゆめ

とあるコンビニの前の道路を通るといつも目についていた。気になっていたというべきだろう。それは軽自動車のバンだった。 車に関しては昔からスズキ・ジムニー一択だった。三台乗り継いできた。いつからブームが起きたのか分からないが今の車は納期一年だっ…

素敵な贈り物

自分の好きな街は何処だろうと考える。高校生の頃は紙屋町だった。それは広島市の中心地だった。大型書店、家電量販店、少し離れて楽器屋があったのだから。大学生の頃は住んでいた神奈川県中央部の町。そこには片想いの素敵な女性が居たから。そして楽器屋…

あしあと

氷点下三度の朝だった。強い北西からの風が吹いている。そんなに吹いたら北西から空気が消えてなくならぬかといらぬ心配をする。この風が無ければ過ごせるのだがまっすぐに立っていられぬほど寒風に吹かれたらなんだか凍り付いてしまう。そんなせいか、路肩…

モノクロの世界

現像に出していたモノクロフィルムが戻ってきた。カラーは一足先に戻ってきた。二台のニコン、絞り優先自動露出のFG20、マニュアル露出のFM2。それぞれにモノクロとカラーネガを装填し二台を首から下げて撮影した。もうモノクロ写真に拘る必要もない…

グルーブの師匠

SNSを何気なく見ていて、あっ、と声が出た。お元気だったのか。見覚えのある方がタグ付けされている。ライブハウスのステージに上がっていますと。還暦を越えた自分の胸はときめいた。「友達申請」のボタンを押した。 あの頃。課題曲を前にして少し迷って…

スイセンロード

千葉の内房は横浜からアクアラインを使えばすぐだった。サイクリング、登山、ゴルフ。自転車なら鹿野山にヒルクライムしてから浦賀水道を見ながら房総半島最南端を目指しても、丘陵地帯にある棚田を見てから谷に降りて外房に出ても良い。登山なら伊予が岳・…

音合わせ

オーケストラでも吹奏楽でも良い。壇上で団員の皆が最初にやる事と言えば・・音合わせだろう。プーッとまずはオーボエがふくよかな音を出す。すると残りの楽器群も同じ音をだす。音程はA。つまりはラの音だ。なぜオーボエの出すAの音に合わせるのか。管楽…

シーキュー40メートル・スタンディングバイ

中学生だった。どの部活動に入ろうかと考えた。当時自分が熱中していたのは短波放送を聴く事だった。ラジオは海外からの電波を捉えていた。聞いても分からないのになぜが胸が躍るのだった。小学生のころからキットのラジオを作ることが好きだった。二石三石…

節分パスタ

節分は二月三日だと思っていたがそうでもないらしい。理由をネットで読んでも理解が出来ないが、地球が太陽軌道を一周する間にかけてズレが生じるらしい。なんでも今年は2月2日で、それは124年振りという。自然科学の現象には思惟の入り込む余地もなくただ従…

図書の旅48 約束の海 山崎豊子

●約束の海 山崎豊子著 新潮社 2014年新潮社 故・田宮二郎はクールな美男子だった。神経質そうでもあった。そんな彼は猟銃を口にくわえて足で引き金を引いた。その直前までそんな彼が主演するテレビドラマがお茶の間で人気だったのだから社会に与えた衝撃は大…

手のひらの魔法

あれは何時のステージだっただろう。三十年以上前か。東京ドームだったか。派手な衣装を着た男が腰をくねくね卑猥に動かしながら両手を口にした。勿論その手の間にはマイクが挟まれている。彼はステップを踏みながら両手を蝶のように動かすのだった。粘っこ…

幸せの鳥

♪ようこそここへ、クックックック 私の青い鳥 青い鳥が幸せを運んでくることを知ったのは自分が十歳の時、1973年のこのヒット曲だろうか。可愛いアイドルが唄っていたな。いやまてよ、チルチルミチルというは誰だっただろうか? ああ、童話だった。メー…