ガーデニング・庭づくり
娘が時折孫の写真を送ってくれる。今は便利で動画も送られてくる。それを見ては毎日笑っている。まだ二歳にもならぬがすでに彼はアンパンマンが好きで、保育園でのお友達が持っているプラレールにも興味津々らしい。鉄道ファンのオジイチャンとしては嬉しい…
八ヶ岳南麓の高原に移住した際にこんな希望を持っていた。庭を、小さな森のようにようにしたい、と。園芸種ではなく広葉樹と野草で彩りたかった。木の形を自然に任せて、整えることはしない。枝が折れない程度に、木々が甲斐駒から鳳凰三山への眺めを邪魔し…
幸いに今日は高曇りだった。一月前に刈った庭の雑草が伸び放題となり折角植えた野草やグランドカバーが埋もれてしまった。余りの雑草軍の戦力にやる気を失った。きっと太平洋の島で数えられぬ上陸用舟艇に乗ってやってくる米軍を見た日本軍守備隊もそう感じ…
栃木県は佐野でラーメンを食べた帰りか、いや佐野から宇都宮までのサイクリングの途中だったか。佐野市と栃木市の境あたりの低い山に登った。海抜128メートルだが関東平野と日光や足尾の山との境にあるのだから眺めが良いだろうと。 山道の縁は切れ落ちて…
春先に植えた野菜たちが大変なことになっている。わずか八平方メートルの小さな畑なのだが、収穫期で気ぜわしいのだった。厳しい冬が明けて最初にやったことは畑の鍬入れだった。そして旺盛な雑草を刈る。小さめの畑にして良かった、とこの時に感じる。この…
ある金具を探していた。庭に枕木を敷いた。各々の枕木が動かないように固定したい。直ぐに頭に浮かんだ金具があるがあれは何と言う名前だろう。ともかくもまずはホームセンターに行けばよいのだった。 自分の欲しい金具を店員さんに伝えた。「並んだ木材を一…
庭の雑草抜きもさすがに疲れてきた。植栽をしたエリアに生えていたスギナはかなり抜いたのだがそうではない箇所は伸び放題だ。刈払い機を使い少しはさっぱりした。まだ、やらねばな・・。庭を眺めてひと息をつくのだった。 すると昨年に植えたハギとキキョウ…
六月も間もなく終わる。昼間は流石に高原でも熱い。三十度を超える日もある。しかし日が沈むころになると風が心地よい。庭仕事をやるには早朝か夕暮れの一時間半程度となってしまった。今日は昼には夕立が来て少しだけ過し良かった。さすがに初夏。庭の雑草…
移住したこの地で季節と共に日々をすごしていると一年のこの時期にはこれをやる、と言ったことが少しづつ見えてきたように思う。農家には作付けのカレンダーでもあるのだろう。やることが多そうだ。それほどでもないが我が家も少しはやることがある。少し整…
庭の木も草花もゆっくりと成長している。落葉樹たちは冬になるとしっかり葉を落として寒々としている。しかし五月の声を聴くころにはいつしか新緑が顔を出す。が、好きで植えたブナもコナラも、その背丈も幹の太さも大きくならない。コデマリとヤマツツジは…
三ヶ月ぶりに東北自動車道を走っていた。この道は何度走ったことか数えられない。宇都宮あたりまでは日帰りの山歩きで、そして残雪の頃はテレマークスキーを載せて福島や山形まで走った。 埼玉県・群馬県が拮抗するあたりを道は走る。道が利根川を長い鉄橋で…
自分は全くの文系人間。ロジカルよりもエモーショナル。難解な方程式を解いて喜ぶよりも本を開き夢想の世界に遊び、話に涙するほうが好きだった。しかし電子工作には小学生から、アマチュア無線には中学生から興味を持った。確かに自然科学に神秘を感じてい…
四月は瞬く間に通り過ぎた。我が家に来るホトトギスは今よ盛りと良く啼いている。それはそうだろう、暦は五月になったのだから。それもすでに黄金連休も終わってしまった。会社によっては十日を越える休みがあったのかもしれない。だれもが皆会社生活に戻っ…
ドイツはバイエルン。ミュンヘン中央駅から北北東へ区間快速・レギオで一時間半だろうか。ある街がある。第二次世界大戦中そこにはドイツ空軍の主力戦闘機であるメッサーシュミットの工場があった。日本の群馬がそうであったように航空機の工場はまずは敵空…
千葉の内房は横浜からアクアラインを使えばすぐだった。サイクリング、登山、ゴルフ。自転車なら鹿野山にヒルクライムしてから浦賀水道を見ながら房総半島最南端を目指しても、丘陵地帯にある棚田を見てから谷に降りて外房に出ても良い。登山なら伊予が岳・…
干し柿を作っている。高原の我が家は区画整理がされた都会の街とは異なり番地ごとの境界線があいまいだ。もちろん境界石を辿り測量を行えば境界ははっきりしてくる。が、判明させたところでそこにフェンスやブロック塀を作るわけもないのだからすぐに明瞭さ…
仕事から帰宅して、着替えてやりかけの庭仕事を続けた。北風の吹き下ろす日暮れにそれをやろうというのは少しでも早くあの憎きアレを退治したかったからだ。 その仕事は除草剤を撒く事だった。我が家の庭はスギナが滅多矢鱈に生える。これは地下茎で増えるの…
コスモスが咲ているのよ。そう細君は嬉しそうだった。 コスモスなんて植えていないのに何言ってるんだろう。半信半疑で庭に出た。ノリウツギとドウダンツツジの間に確かにピンと伸びた茎がありピンク色の花が付いていた。さだまさしが山口百恵のために書いた…
数か月前にホームセンターで手にしたポット植え。すでに香りが良かったので試しにと買ったのだった。それを庭の片隅に植えた。野草類も共に植えている。季節を終えて花が枯れてしまったものも、作業中に誤って踏んだり折ってしまったものもある。そんな中で…
庭仕事に忙殺されている。庭のデザインを描き植えたい樹を考えた。大まかなラフスケッチをベースにあとは造園屋さんに入ってもらった。レイアウトづくり、整地、そして大物の樹木植栽。このあたりはすべてユンボの出番だった。 いったんそれが入ると庭は効率…
パリには二つの中華街があった。南東部の十三区、それに北東部のニ十区にそれぞれチャイナタウンが形成されている。我が家はパリ市十五区にあったので二つ隣の十三区の中華街が近かった。十三区のほうが歴史が古いのか、街はやや古びていた。パリの北部はえ…
最近のスマホに搭載されているカメラも進化した。自分はユーザーではないがアイフォンならばプロ顔向けの写真が撮れるという。ずっとアンドロイドを使ってきたがそれでもメモ代わりの撮影には十分だ。絞りによるボケ、シャッター速度による動きの表現、露出…
挽き肉をこねて作る料理はあまねく好物だ。多少中身が異なるにせよどれも美味しい。ハンバーグに餃子など好きな二大料理だ。それぞれが七変化する。ハンバーグはピーマンに椎茸に詰めればそれぞれの肉詰めに。あるいは蓮根に挟めば挟み揚げに。小さく丸めた…
学生の頃、世の中の女性は全て女神に見えた。何と美しいのだろう、それは近づけない程に…。なかでも好きになってしまったひとは更に輝いていた。まさに高嶺の花だった。手を伸ばしても届かない。そもそも怖くて手が出ない。怖いのは自分が傷つくからか、恥ず…
南アルプスの鳳凰三山だっただろうか。夏山の風景の中に鮮やかなピンク色が揺れていた。紫がそこに交じっていた。北アルプスの笠ケ岳を目指す沢沿いの道だっただろうか、広い沢の渡り返しでぽつんと赤紫色が夏空に浮かんでいた。欧州最高峰・モンブランを巡…
庭に木を植えてから俄然来客が増えた。鳥だった。ホトトギスもカッコウも数か月前までは毎朝うるさいほどに鳴いて、自分を覚醒に誘ってくれていた。が、何時しか聞かなくなってしまった。彼らが鳴く理由がパートナーへの求愛であるならばそんな繁殖の季節は…
高原に移住することを決めた時に、おぼろげに庭の案を考えていた。それは自宅の庭を里山の雑木林にしようというものだった。新緑から紅葉、落葉迄四季おりおりに表情を見せる落葉広葉樹は心から自分を癒してくれる。特に自分は地衣類が造り上げる美しい紋様…