日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

全て自家製で

数か月前にホームセンターで手にしたポット植え。すでに香りが良かったので試しにと買ったのだった。それを庭の片隅に植えた。野草類も共に植えている。季節を終えて花が枯れてしまったものも、作業中に誤って踏んだり折ってしまったものもある。そんな中でその横を歩くだけで匂いが漂ってくるのだった。まるで、こう言っているように思える。「植えっぱなしとはひどいね。今は賞味時だよ。ここで葉を取ってくれないと来年困るんだよね」と。

確かに伸ばしっぱなしでは栄養が行き届かないのかもしれない。樹木ならその一部を伐採することで光を潤沢に得ることが出来、下草もそして樹木自身も成長するという。伐採の大切さは草花とて同じだろう。

横を歩くだけで匂う、正体はバジルだった。ホームセンターで数百円だった。ポットから五センチ程度だった枝ぶりが、今は二十センチ近くになっていた。固そうなしっかりとした葉肉だ。軽く数十枚は取れる。

今夜はバジルを使った料理にしよう・・。何があるかね。さっそくネットを検索した。

ジェノベーゼソースのパスタやピッツァ
タコとバジルのサラダ
ガパオライス
白身魚のバジルソテー

色々出てくる。どれもワインが進みそうなメニューだった。まずは、とバゲットを一本仕入れた。バジルをアヒージョに入れても良いだろう・・・。

結局安易にパスタとした。ジェノベーゼソースは市販の瓶詰は高価だ。しかし松の実を入手しなくてはいけない。大学時代の友人は自家製ジェノベーゼソースを作るというが、具材も身近ではないしやや躊躇した。バジルの葉だけは沢山ある。肉厚なものを十枚ほど千切ってきた。半分をすり鉢に入れてそこに大匙一杯のオリーブオイルを入れて擂粉木で潰してみた。ここにきっと松の実があればよいのかもしれない。しかしゴリゴリと回すだけでバジルの良い香りがした。あとはいつものアリオリオ・ペペロンチーノとした。カリカリベーコンを作り、残り油にオリーブオイルを加え大振りに切ったニンニクと赤唐辛子を入れて風味付けをした。そこにスライスした玉ねぎを加え炒めた。普段はそこまでだがそこに千切った半分のバジルの葉を加えてみた。パスタの茹で汁を多めに入れて煮たてて乳化させる。パスタを盛り仕上げに先ほど作ったすり鉢でつぶしたバジルソースを回してかける。付け合わせはキャベツとトマト・納豆とメカブのサラダとした。ポン酢を掛けると美味しい。

良い風味だった。赤ワインにも良く似合った。非常に簡単だった。しかし誤算もあった。バジルの風味はすり鉢で作ったものからは漂ったが炒めたものからはあまりしなかった。バジルの風味は生が一番良いのかもしれなかった。それもやってみて分かった事だった。

次のゴールが見えてきた。この手のパスタ、可能な限り自家製で作れまいか。今日はサラダのトマトとバジルは庭から摘んだものだった。キャベツはあと一週間でふた球は収穫できるだろう。玉ねぎは腐ってしまい栽培は失敗したが再チャレンジ中。赤唐辛子はこれから作ろうと思う。目下すべてが無農薬野菜。おかげでキャベツもレタスもダイコンも葉はアオムシの餌食となり葉脈だけになってはいるが。それでもそれは美味しいに違いない。今日のバジルとトマトがそうだった。

高原の地に引っ越すことを決めた時、小さな畑づくりもその楽しみの一つにあげた。わずか4x2メートル程度の畑にしたが、夫婦二人で丁度良いサイズだった。先日友人から庭から抜いたというタイムを頂いた。これも庭に植え直した。セージは植えた。あとはローズマリーとパセリ。それだけハープがあればステーキを焼くのも良いだろう。それにあの歌も歌えそうだし。

野菜類をすべて、無理でも出来るだけ、自分達の手で育ててそれを頂く。なんとも贅沢な話に思う。

普段の野菜、スパイス、ハーブ。自分達で育てて頂く。美味しいに決まっている。