日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

生産性の敵

ネットで面白い記事を読んだ。最近の若者が飲み会などで酒を飲まないのはなぜ、という話題を深掘りしたものだった。 自分の頃はひどい話ではあるが「♪今日もお酒が飲めるのは〇〇さんのお陰です!美味しいお酒ありがとう、それ一気、一気、一気」という歌ま…

足下の春 官ノ倉山

春がやってくる。とげとげしかった空気は概ね何処かへ飛んで行った。なによりも色とりどりの花が咲き始める。吹く風とその匂いが到来を教えてくれる。心なしか、気持ちも軽くなる。そんな春だが、爛漫になる少し前の時期が美しいと思う。桜も満開になってし…

XYZな日々

時々情けなく思う。椅子に座って下を向き気づくこともある。家内に指摘されて気づくこともある。後者は助かるが、前者は情けない話だ。 ああXYZだ。そう口に出る。XYZとは Examine Your Zipper。あんたのジッパー、チェックしなよ・・「チャック開いて…

系譜を見直す

老人ホームに父に会いに出かけた。老いた父親と自分の顔を共に見ながら、同行した娘はこう言った。「ますますジィジに顔が似てきたね。体つきも全て。」と。 若い頃の父はダサいという言葉が相応しぁった。髪の毛の枯れすすき、全体の体つきは柳原良平氏が描…

武蔵野うどん

この一年で三軒の武蔵野うどんに出会えた。一軒は数年前に食べた店の再訪問だが、小平(行ったのは支店)、武蔵村山、埼玉県小川町。いずれも関東ローム層のエリアであることには違いない。店により差異はあれど似たフォーマットだった。 ネットで調べると「…

武蔵野逍遥のサイクリング

武蔵野と言えば何を思い浮かべるだろう。学校で習ったものといえば玉川兄弟が作った玉川上水。太宰治の入水自殺くらいだろうか。学生時代の一年間をそんな武蔵野の一部ともいえる狛江で過ごした。通っていた病院が調布にあり、また、自動車免許を取得したの…

夢があった山道具

昔からファッションには興味が無かった。肥満気味の体にフィットする商品は少なかったのだ。 しかし唯一興味があったのはアウトドアブランドだった。高機能性は高い安全性に結び付くのでお洒落と言うよりは必須だった。ノースフェイスのマウンテンパーカ。60…

コルクで吹き飛ばそう

お土産物屋や飲食街がある温泉と言えば何処だろう。関東に住む人間とすれば、伊香保や草津あたりがまずは頭に浮かぶ。草津はもう数十年行っていないが、伊香保は数年前に歩いた。階段が続き土産物店や飲食店が軒を連ねるさまは観光パンフレットでも馴染だろ…

図書の旅10・新約聖書を知っていますか(阿刀田高)

・「新約聖書を知ってますか」(阿刀田高著・新潮文庫・平成8年) 今になって悔いている。もう少しとりわけ「あの講義」はもっとまじめに受ければよかったと。そもそも学生生活で講義をまともに受けたこともない不真面目な学生だった。様々なジャンルの講義…

森林公園

横浜の山手に根岸森林公園という広い公園がある。米軍居住区が長く近隣にあり荒井由実の歌に歌われたカフェもそばにあり横浜らしい独特の雰囲気がある。もっとも森林公園とはどこにでもありがちな名前だが、それが駅の名前になっている駅は、関東平野の東北…

敵は異業種にあり

職場で使っている掃除機。地元の人のための施設で働く自分には事務所の掃除と言う仕事がある。使っているのはかつて自分が勤務していた系列の某電機メーカーの商品だった。一応コードレスだがどうも使い勝手は今一つ。モーターは威勢が良いが吸引してくれな…

ゴルゴダへの道・ヨハネ受難曲演奏会

クリスチャンでない限り、イエス・キリストの生涯について造詣の深い方もあまりいないのではないだろうか。自分も詳しく知らない。なにせ目下のところ太陽・大地・空気、その総てが神々しいと思う程度で、言ってしまえば八百万の神の信者だろうか。つまると…

釣り人

長く感じた冬もようやく去り、三寒四温も二寒五温くらいに思えるようになった。川の土手にでも座ってお昼のパンを食べるか、と妻に水を向けるとすぐに賛成だった。病院からの帰り道、昼食を作るのも面倒くさくパンで済まそうとスーパーのベーカリーで買った…

トルティーアの簡易なスナック

先日家で食べたメキシコ料理もどき。トルティーアもチップスも市販品があるから、あとは具を作ればそれらしくなる。チキンやアボガドなどの具が残っているうちは何度も作ったが、最後にシーズニングスパイスも底を尽きた。トルティーアは10枚入りだったがも…

変わりゆく街

綱島という名のその街に始めて行った時自分はまだ小学生になっていなかった。昭和40年代の始め、社宅住まいだった我が家。父親は家を建てようと色々な場所に土地を探していたようだった。横浜市港北区にある東横線の綱島駅は高架駅だった。その下の埃っぽい…

爆音と弾痕

時代が時代だった。多かれ少なかれ太平洋戦争や第二次世界大戦の戦記物やメカものに惹かれた。それが自分の小学生の話だった。当時の自分のヒーローは王でも長嶋でもなく坂井三郎氏だった。旧帝国海軍の戦闘機搭乗員、ゼロ戦を駆っての64機撃墜は海軍のトッ…

デジタル世代の子供達

サイクリングに向かう電車の中だった。途中駅からベビーカーと共に親子が乗り込んできた。ご両親は30歳代前半だろうか。ベビーカーには2歳位の男の子が座っていた。無心にスマホをいじっていた。 今どきそんな光景で驚くべきではないが、やはりびっくりした…

うどん王国

うどんを初めて食べた、そう記憶しているのは岡山は宇野から香川の高松へ渡る国鉄連絡船の船上デッキだった。3歳から住んでいた横浜。毎夏母親は実家の香川に長期間里帰りしていた。その際に毎年食べた。駅ホームの立ち食いソバ屋のような小さな店が甲板に在…

無知の露呈 確定申告

会社員時代は給与のみが収入の全てであったため確定申告には縁が無かった。40歳代の頃に肺炎になり2週間ほど入院したがその年だけは医療費が10万円を4万円ほど超えた。随分と苦労して資料を揃え申告し数千円還付された。労多くして功少なしと思ったがありが…

図書の旅9・処女峰アンナプルナ(モーリス・エルゾーグ)

・処女峰アンナプルナ(モーリス・エリゾーグ著 近藤等訳 ちくま少年文庫 1977年) 「聞いてくれよ!今度の新製品シリーズはコードネーム「アンナプルナ」なんだよ。」東京での製品会議に出席していた社長は帰国するなりそう言った。当時会社の商品計画には…

梅まつり

家内と共に小さな旅行に行きたいな、という思いが大きかった。自分は山歩きや自転車旅などで、これまで何十年も家内を置いたまま好きなところへ気ままに出かけてきた。何時しか家内の置いてけぼりは日常風景となり、それに子供達も慣れてしまった。平日は仕…

終わってしまったひな祭り

自分には姉がいた。何故かわからぬが当時流行り始めていた5,6段飾りの雛人形は家にはなかった。桃の節句に雛人形が飾られるようになったのは自分が中学生の頃からだった。小さな和室に飾れる小さな数段のお雛様だった。姉が結婚したのは自分が社会人になっ…

香港からの客人

都内の西の外れに近い山だった。午後も遅かった。長いハイキングルートも終わりに近づくと右下から鉄道の音が聞こえてきた。里は近いな。と一安心だった。 街着の男女が下から登ってきた。この時間に何処まで行くのだろう。このルートをいまから歩くのか?と…

心象風景を写し込む事

妻ととある梅林に出かけた。梅祭りもあと数日だった。バスに揺られて着いた梅園。梅はまだまだ盛りだった。山の南面がまるごと大きな梅園だった。色どりも豊かで見ていて飽きない。河津桜も咲き始めていた。今日は梅の里ということで首に下げて来たのが一眼…

我が身をDIY・床屋

男性の場合、だいたい月に一回は毛髪をカットするのではないだろうか。ひと月で約1センチ程度伸びる。過ぎし日の時代と我が髪型・カット場所を並べてみよう。何かが見えるかもしれない。 ・子供時代・小学生:坊ちゃん刈から裾は刈上げ後はボサボサ@床屋・…

まだまだ老いてはいけない

「ねぇ、最近守りに入っていない?まだ私たち若いのよ。」 そう家内に言われて目が覚めた。病魔に遭ってからは一日一回は考える。自己の消滅。それを思わざるを得ない環境に居た。消滅は生物だから必定だよ。そう自分を納得させている。それだけではない。短…

図書の旅8・真珠湾の代償 (福井雄三)

・真珠湾の代償 (福井雄三 毎日ワンズ 2022年) 外交官というとどんなイメージなのだろう。語学堪能・華やかな社会。そんな印象だ。国の政策は政府が決める。しかしその判断に向け外交官としては自国を取り巻く国際情勢を把握し国益の為に進むべき方向を提…

シュカブラの唄

雪面に風が作ったスプーンカット、シュカブラ。風紋とも雪紋とも書かれる。初めてそれを見た時にどこかで見たなと思った。「ああ、蓋を開けた時のハーゲンダッツアイスクリームか」。何ともお粗末な連想だった。アイゼンを効かせて峠から尾根に出るとそこは…

追加の皿・ワカモレとチキンファヒータ

近所に何故かメキシコ料理店がある。そこは色々なテナントが出たり入ったりしていた。無理もない、高齢者が多い住宅地の交差点。駐車場もなく近所の高校生で登下校時は狭い道が鈴なりになる。レストランとしてはなかなか定着しない場だろう。 メキシコ料理店…

高炉を焚く・富士二ツ塚BCスキー

樹林帯を抜けると風が強かった。西から吹いてきた。その少し前から同行の友は言う。「今日も風強いな。ピークの前で辞めてもいいね」。確かにそうだった。年に一回はこの季節に必ず登っていたのだ。山頂は隅々まで記憶に残っており今更こだわる必要もない。 …