日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

我が身をDIY・床屋

男性の場合、だいたい月に一回は毛髪をカットするのではないだろうか。ひと月で約1センチ程度伸びる。過ぎし日の時代と我が髪型・カット場所を並べてみよう。何かが見えるかもしれない。

・子供時代・小学生:坊ちゃん刈から裾は刈上げ後はボサボサ@床屋
・中高生:裾だけ刈上げ 横分け@床屋
・大学生:刈上げなし、長髪、パンク風、いろいろ@美容院
・結婚前:刈上、上部はパーマ、シブがき隊的な感じ@美容院
・結婚後:裾のみ刈上げ、あとは自然に流す。@床屋から千円カットへ
・57歳退職・入院時:脳外科の為、右側剃られてつるつるツーブロック 
・治療終了直後:全てつるつる(放射線全脳照射影響)不要
・現在:横はバリカンで上部まで刈上げ、残留した頭頂部のモヤシ達は揃える程度@千円カット

我が髪型。いろいろ変わってきた。なるほど、自己の目覚め、異性の意識、社会的な役割の変化、そして退職後・病後。髪型は自分の成長と社会の立ち位置、体調を映し出す鏡でもあったと知れた。結婚してから身の回りにかけるお金が馬鹿らしくもなった。残念ながら今は毛が無く髪型の変化を味わう事も出来ない。弾不足だ。

目下の結論として、現在の髪型が一番快適だった。雨が降ると即座に頭頂部が濡れること、風が冷たく日光の陽射しが熱い事、それ以外は良いいことずくめ。ヘアドライヤも整髪料も不要になり、寝ぐせも何もない。フケも消えた。こればかりは病気に感謝したい。

弾不足でもモヤシでも、月1センチは伸びるので床屋通いは残った。注文は3㎜バリカンを上まで。上は1センチ程度カット。1000円カットハウスで満足だった。鏡を前にしてそろそろ床屋に行く時期かと思ったが、ふと考えた。我が家の犬のカットは自分がやっている。形が悪くなるので数カ月に一度トリマーさんにかかる。これと同じことは出来まいか。抗ガン剤治療が始まる前に実は一度自分で自分をカットしたことがある。家内に犬用のバリカンを持って来てもらった。許可を貰い病院のシャワールームで自らをほぼ坊主頭にしたのだった。どうせ抗ガン剤と放射線治療で抜けるだろう、ならば初めから切ってしまおうと。

非常に潔くかつ快適だった。しかし治療終了後には今度は頭頂部以外は濃く生え始めた。「放射線の後は一旦抜けて強い毛が再生する」と言われていた通りだった。以降床屋の世話になっていたが、再び病院のシャワー室のあの快感を得たくなった。大して切らないのに千円払うのも馬鹿らしかった。3㎜のアタッチを付けたバリカン。最も気になる耳の上をばっさりやって、後ろの裾も風通しが良くなった。刈り残しは家内に手伝ってもらった。頭頂部は指で挟んでちょんちょんと切るだけだ。床屋さんの鋏遣いの見よう見まねだ。百円ショップの鋏でも事足りる。

ぐるりと一周、さほど変ではないらしい。ああ、これで千円浮いた。後は年数回だけ千円カットハウスへ。これで年間一万円セーブだ。ほくそ笑んだ。

いつもの髪型もどきを自分で実現したことになる。我が身をDIYだ。正直今更髪型がどうなろうと一切構わない。むしろ自分でやれることが嬉しい。基本もう床屋は不要だ。愛犬と自分が同じバリカンで毛を刈るというのも実に痛快だ。

今度は妻の手も借りたくないので合わせ鏡を導入するか。いや、ただでさえ多くない家内との会話がこんなもので笑い話の一環で増えるのなら、悪くないだろう。格好の突込みネタというわけだ。突っ込みどころが多いほうがより面白いに違いない。意外と打たれ強い自分に気づくのだ。今度は妻に任せて突っ込みあいをしよう。ネタは我が頭のカット具合だ。

犬用のバリカンで我が頭を刈るのも嬉しい話。アタッチメントは3,6,9,12ミリとある。自分は3ミリで充分。犬は3ミリと6ミリを使っている。犬よりも簡単な髪形だ。