日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

ちいさな祈り

車に乗りオーディオを鳴らした。メモリーカードにはジャンル分けした好きな曲が入っている。その時はソウルミュージックのフォルダだった。アレサ・フランクリンが熱唱している。彼女の歌声は自分にある風景を思い出させてくれた。

カトリックの友人と教会に行った。彼女は壁にかかったイエスの像を前に膝まずき十字を切っていた。それは自然な所作だった。ステンドグラスから光が漏れて床にいくつもの彩を作っていた。ひんやりとした空間で、厳かだった。自分は何をしたらよいか分からなかった。何のお祈りをしているのかなどは分からない。ただ祈れる相手がいて祈ることがあるという事が素晴らしいと思った。

アレサの歌っている内容を知りたくて歌詞を調べた。題名から想像はしていたがそれはやはり愛する人へ向けたものだった。I say a little prayer という題が邦題では 小さな祈り となっている。小さな祈りを唱えますという事だろう。

彼女は目覚め、メイクアップをし髪を整え服を選ぶ。そんな時祈る。愛しいあなたよ。私を信じて。貴方には私しかいない・・と。バスに乗る彼を見ても彼女は祈る。しかし曲のエンディングではこう歌う。私の祈りは何故届かないの?どうして答えてくれないの? 

実らぬ思いなのか、いやもっと激しく思ってほしいという想いなのかもわからない。この曲はアレサの版とマーサ&ザ・バンデラスの版の二つを良く聞く。アレサ・フランクリンが唄うと情熱的な女性が浮かぶ。マーサ・リーブスが唄うと元気者なのに実は華奢な女性なのかな、とも想像する。どちらにせよ、そんな素敵な女性に祈られる歌の相手はそれほどに素敵なのだろう。

さて僕は何を祈るのか。まずは身近な人の健康を、そしていつまでもこの曲を聞いて胸をときめかすこと、ビートに乗って自分の幸せを実感する様にいられる事を祈るのだろうか。大切な人を思い、好きなことに心を揺るがせることが出来るのは、幸せだろう。

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