日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

サイクリング・自転車

風景点描・ランドナーと里山

自転車に興味が無ければどれも「チャリ」になるだろうが、自転車を趣味とする人はこの呼び方は好きではないだろう。ママチャリのチャリから来たのだろうけど、確かにあれを「軽快車」と呼んでもピンとこない。買い物の足としては相応しい愛称かもしれない。 …

じっくりと登る

あちちち、慌てて人差し指を水に浸した。コーヒーメーカーの底には耐熱ガラスのコーヒーサーバーを載せるようになっているが、そこが本当に熱いのか探ろうとふと触ってしまった。右手の人差し指だった。あまり何も気にしなくて触ってしまう。何だろうこの無…

似非サイクリスト

寒冷地にはサイクリストをまず見ないはずだ。なんといっても降雪の後が凍るから。しかし高校生とはある意味怖れ知らずでブロックタイヤのマウンテンバイクで通学している。それしか交通手段がないともいえるかもしれないが、それにしても転ばぬかはたで見て…

サイクリングバッグ

もうこの十年だろうか。街中で自転車を見かけることが多い。買い物用軽快車や電動アシスト付き軽快車の話ではなく、スポーツサイクルの話だ。その多く多分99%はロードバイクだ。荷物は持たないのだろうか。サイクルジャージの背中ポケットに、シートの下に…

風薫る丘

風薫るといえばそれは五月だろう。陽炎の様に空気が熱気で揺れるこの季節にはおよそ似合う季語ではない。しかし確かにそこは風が薫っていた。 峠近い駅で自転車を組み立てた。一足先に足慣らしをしていた友人とそこで合流した。そこから県庁所在地の街までの…

八ケ岳とバルビゾン

酷暑の取材としてテレビ画面に出てくる地は関東地方ならばまずは汗ばむサラリーマンの新橋駅前SL広場、それに加え、やはり熊谷・伊勢崎・舘林といった北関東の街、更に甲府だろうか。都心は都市熱だろうが他の街にはいずれも山から吹きおろす熱い風がフェ…

とうげみち

峠の駅に降り立った。その峠の東側から流れ出る沢は東へ流れ南進して相模川となり相模湾に流れ出る。その峠の西側からはいくつもの流れをあわせて富士川になり駿河湾に注ぐ。甲州街道の最大の難所とよばれたその峠はそんな分水嶺でもあった。 峠には昔ながら…

好いですねそれ

小さなサイクリングをした。雨を承知で走ったのは前回の走行が自分にはやや不本意だったからだ。我が家から隣県の長野は近い。そんな長野県まで県をまたいで走ってみた。アカマツから草の原へと進む往復十六キロは良いルートだった。途中で何かのトラブルが…

くにさかい

昔から長野が好きだった。信濃の国だった。山と高原に憧れを持つようになったのは何故だろう。生まれた讃岐の国で山と言えば讃岐富士と言われている飯野山だった。平野は狭く海岸沿いには塩田が、平地にはため池がそして思い出したように盛り土のような山が…

高原への道

等高線で見ると緩やかに見える。下見でも車で何度か走ってみた。コースの半分は森の中で日差しも遮られるだろう、そう思った。 会社時代の先輩お二人が泊りがけで遊びに来てくださった。入社した部門の先輩と他の部門の先輩。ともに海外営業のお二人だった。…

寄り切りの軍配

坂道の途中の変速は好きではない。特にフロントの三枚。ダブルレバーを触るときに少し緊張する。チェーンがインナーに落ちるタイミングと足を動かすタイミングに僅かな隙間があるのだろうか。チェーンが脱落してしまう。ペダルは空回りになるがそれは良い方…

分水嶺

甲府から自宅へ帰る途中だった。駿河湾に流れ出る富士川はこの地に遡るまで幾つにも分かれる。本流は釜無川と呼ばれる。それに沿った道だった。甲府には修理のために自転車を車に載せて店に訪ねて行った。プロの手によりそれは直ぐに治った。自分はサイクリ…

体を馴らせばよい

愛車の注文の際は色々と悩むものだ。タイヤの幅はどうしよう。ブレーキは何にするか。ギア比は1:1欲しいな・・。しかし一番の関門はサイズかもしれない。510か520かずっと悩んだ。510ではちょっと小さいか。勿論それ迄に乗っていた車のサイズも参考になる…

道しるべ

会社員なりたての頃。昭和のモーレツの痕跡はもう無かったが、やはり自分も会社を中心に動いていた。男女雇用機会均等法の初年度に社会人になったが、世間はまだまだ男社会で今風に言えば「不適切」だらけだった。配属は海外営業部門で出張の機会もあり、か…

フリーになって欲しいこと

バリアフリーは随分と一般化してきた。自分がもし家を建てるのならバリアフリーにするだろう。つまらない事でも高齢者は足が引っかかる。カーペット一枚の有無が転倒リスクを左右する。ましてや部屋と部屋の間の扉周りの建具で段差があるとやはり危ない。そ…

桜並木の見沼用水

埼玉県の見沼公園あたりの風景を知ったのは誰かのブログだったろうか。いや、ランドナーというキーワードで検索したWEBサイトだったかもしれない。ランドナーとは今流行りのカーボンやアルミのロードバイクではなく、鉄のホリゾンタルフレームに泥除けのつい…

捻じれたチェーン

油まみれの指先を見て思い出した。香川で自転車屋をやっていた祖父の指だった。子供の頃毎夏遊びに行くといつも祖父はパンクを直しチェーンに油を指していた。その彼の指先は真っ黒で石鹸で洗ってもとれていない。もはや地肌の色と化していた。黒い手指に笑…

レジェンドとアルチザン

御年90歳近いご主人に会うのは二度目だったが相変わらずのお話し好きで自分達の自転車を見ては楽しそうだった。いつものようにまずは店内に自転車を入れて、と言われた。古いブレーキ用のワイヤーを買おうと思っていたので、それでは、とお店に入れた。彼は…

まぶしい草野球 

♪ 風の外野席 手のひらかざして 青い背番号 確かめてみる♪ エラーの名手に 届けるランチは クローバーの上に転がしたまま・・ きっとこの歌は、この場所を描いたのだと思った。なによりも作詞・作曲者の家から近いのだから・・・。 自分の人生の中で東京都民…

ラチェットの唄

ラチェットが心地よく鳴る道は心地よい。その音をオノマトペで再現を試みるが良い表現もない。低速はカタカタカタ?チリチリチリ?中速以上はザー、ジー、ジャーッ?どれも違う。 それがよく響く道とは何処だろう。サイクリストなら問うまでもなくそれを知っ…

季節外れの北帰行

北関東へ向かう列車だからだろうか?列車に乗り込み自転車の入った輪行袋を固定して椅子に座って気づいた。椅子にスチームが通っていた。いやそれでは昔の客車列車だ。今はヒーターだろう。 朝6時半の長距離列車だった。新幹線も通っているが各駅停車で行け…

筑波山を見て走る・茨城サイクリング

サイクリングをしたルートを頭の中の地図で広げて見る。とぎれとぎれだと間を結びたくなる。またある点から全く違う点まで伸ばしてみたくなる。自分のサイクリングルートの決定はそんな過程を経る。JR宇都宮線古河駅から常磐線の土浦駅、いやその先の霞ケ浦…

使わなかった輪行袋

山歩き会の会合の為に港区高輪のアウトドア店に行った。一階がアウトドアショップで地下に同店が経営するナチュラル・ダイニングカフェがある。一階で山道具などを見て気分を高め階下のダイニングでゆっくりと山の計画を練るのだった。 折角アウトドアの計画…

休日列車「楽しみの国」行き

宇都宮の駅に居た。夏も終わりで夕暮れは決して暑くない。そんな中、同駅始発の列車を待っていた。日光の2400m級の山に一泊二日かけてでじっくり登った自分は疲労感に包まれながらも無事に終えた山の余韻と満足感、下山後の立ち寄り湯、それに駅前で手早く食…

雨宿り

驟雨だった。陽炎が漂うような空にもくもくと雲が盛り上がり急に降り出した。 自転車の小さな旅で街道沿いを走っていた自分は本能的にひさしを探した。上下とも速乾ウェアのいで立ちで土砂降りでも晴れればすぐに乾くだろうが、やはり濡れたくはない。雨宿り…

源流の旅

川の源は小さな雫。岩の割れ目から落ちる一滴。いや地面から滲み出るシミかもしれない。 山歩きをしていると有名無名、本流枝流の多くの川の源に接するだろう。沢を詰めて稜線に上がるというルートが多いからだ。日本一長い川は信濃川だがその源流には水源を…

調整の美学

なにもそれが美しいからではない。その本質を見極めようとしているわけでもない。そうしなければならないから、微細に調整するのだった。自分にも何処かで似た風景があったなと考える。思い出した。リニアアンプの調整だった。リニアアンプと言ってもオーデ…

目一杯の向こう側

延々と続く上り坂。行く先を見れば滅入るばかり。肩にしたザックはますます重くなる気がする。登山靴が妙に重い。地球の重力に反して上に向かう事は楽ではない。そんな事をいつも感じている。早く尾根が平坦にはならぬか。気をつかうが脚は楽になるトラバー…

少しづつ、変わってほしい

2023年4月1日から自転車でのヘルメット着用義務が課されることになる。その一報に接し口に出た。「ああよかった。しかし実現まで遅かったな」。 18歳の時から乗っていたオートバイ。転倒は3度ある。急制動によるものが2回、カーブで後輪を取られて転倒が1回…

武蔵野逍遥のサイクリング

武蔵野と言えば何を思い浮かべるだろう。学校で習ったものといえば玉川兄弟が作った玉川上水。太宰治の入水自殺くらいだろうか。学生時代の一年間をそんな武蔵野の一部ともいえる狛江で過ごした。通っていた病院が調布にあり、また、自動車免許を取得したの…