自作料理
今夜は寒いから今日はスンドゥブを作るんですよ そんなメッセージが友から届いた。韓国料理は好きだけれど詳しくはない。チゲ鍋との違いもよく分からないけれどなんだか美味しそうに思えた。 ウチはおでんで。昨夜の残りに好きな具を足して少し増やします。…
バジルを庭に植えたのは六月だっただろうか。しっかり育ってくれた。嫌になるほど多くの葉に成長し、その横を歩くだけで香りで足が止まるのだった。何度も摘んでパスタに入れたりしていた。十一月の声を聴いたころ生き生きとしていた葉も緑色から黒ずんでき…
ピザは比較的簡単に出来てそれなりに楽しめるメニューだろう。もっともピザ生地から作れば面倒になる。これまでは生地作りからやっていたが来客でもない限り気合が入らなくなってきた。家内と二人なら出来合いのプレーン生地で十分だ。市販のピザソースさえ…
パリには二つの中華街があった。南東部の十三区、それに北東部のニ十区にそれぞれチャイナタウンが形成されている。我が家はパリ市十五区にあったので二つ隣の十三区の中華街が近かった。十三区のほうが歴史が古いのか、街はやや古びていた。パリの北部はえ…
「元気なん?」叔母から電話がかかってきた。季節の挨拶だった。受話器を取った瞬間にわかる、故郷の言葉だった。おっとりと優しいイントネーションに自分の心は温まる。故郷と言っても自分が実際そこに住んだのは三歳までで、あとは毎夏休みに母親の里帰り…
挽き肉をこねて作る料理はあまねく好物だ。多少中身が異なるにせよどれも美味しい。ハンバーグに餃子など好きな二大料理だ。それぞれが七変化する。ハンバーグはピーマンに椎茸に詰めればそれぞれの肉詰めに。あるいは蓮根に挟めば挟み揚げに。小さく丸めた…
おかずとして自分の好きな料理を三つ挙げろと言われたら? ロースカツ、ハンバーグ、そして餃子か。一杯・一皿で済むものならラーメンだ。「支那そば」と呼ばれる昔ながらの醤油ラーメンは外せない。何故かわからぬがインドカレーとスープカレー以外のあのど…
ナポリタンを食べたい。そう思う事が多い。たまたまだろうがSNSでナポリタンがらみの投稿をよく見る。あのケチャプの濃厚な味が欲しくなる。もっともきちんとしたナポリタンを余り食べたことがない。自分が子供の頃に母の作ったスパゲティ料理はそれに近かっ…
ベーグル。調べてみると東欧が発祥らしい。しかし初めてそれを知ったのは間違えなく米国だった。ゲート周りに漂うキャラメルポップコーンとシナモンロールの甘い匂いとそれはセットになっていた。シカゴ・オヘアかサンフランシスコ。そのあたりの空港だろう…
北杜夫氏は自分の好きな作家だが、彼を人気作家にのし上げた1965年の書「どくとるマンボウ航海記」はいったい何度読んだのか。水産庁の調査船の船医として彼は船に乗り込み航海に出た。彼にとり初めての海外だ。スリランカのコロンボに立ち寄った時の話…
犬を連れての朝の散歩。リビングの南面にみる甲斐駒にかかる雲の流れで今日の天気はいかほどか、と推測するのも楽しい。戸外でると八ケ岳が北に見える。そんな道を辿っていくと、妻は突然しゃがみこんで摘むのだった。花ではない。それは野生のコゴミだった…
パスタは美味しい。初めて食べたのは何時だろう。母親が作っていたものが最初だろう。それはフニャフニャの麺をケチャップで炒めたようなものだった。大学の学生食堂ではミートソースのスパゲティがあった。挽肉のソースが美味しかった。がこれまた柔らかな…
子供の頃、原っぱにたくさん咲いていた名も無い花を姉は無心に摘んでいた。それは小さな花束になり持ち帰ると母は「マーガレットね」と言うのだった。姉の嬉しそうな顔と花を摘む後ろ姿はよく覚えている。眼の前の路傍の草の前にしゃがんでプチプチと音を立…
「今日も明るく元気にやって行きましょう!」そんなポジティブなメッセージを書かれるブロガーさんがいらっしゃる。僕はいつも楽しみに読んでいる。彼女のブログにはいつもページの最後に一家の食卓の皿が写真でアップされている。手の込んだ料理は如何にも…
専門店で食べたことは一度きりだった。それで自分で何とか似たものを作ろうというのも無理な話だった。それらしかったが違っていた。本物を食べたくなり店を探した。隣町のショッピングビルのフード・コートの一角に店を見つけた。 スープは辛さが三段階。載…
週末休日の昼食担当は結婚してからずうっとだから30年以上経つ。いったい何食作ったのか計算する気にもならないが、果たして何を作って来たのかと言うと、これは簡単だ。ラーメン、うどん、そば、焼きそば、パスタ。おおくくりではこの5種類になる。これに具…
昨年の今ごろ、いや少し前だろうか。道路わきに野生の蕗の群生地を見つけて、少しまとめてとって煮物にしたのだった。今朝犬の散歩をしに外出した妻がビニル袋に半分くらい、蕗を摘んできた。今年は少し遅いね、そんな話をした。この春は真夏日はあれば10℃代…
なんでも各地で数十年ぶりの5月の真夏日と、そんな報道がニュースで流れている。陽炎が揺れる熊谷の街や、シャツを捲し上げる勤め人で溢れる新橋駅前がテレビに出てくるのも時間の問題だろう。目下は確かに日中の日差しはきついがあまり湿度が高くないので救…
納豆のパスタは食品メーカーからもソースの素が出ているので時々利用させていただいた。納豆にパスタかと初めて目にした時は驚いたが、妙に病みつきになる味だった。しかしイタリアンではないいわゆるパスタ屋の納豆パスタは食べたことが無い。もう少し手の…
料理と言っても自分はきちんと習ったこともない。そもそも家庭料理は習うものかどうかも知らない。しかし結婚した頃に好奇心から地元の公民館の料理教室に通った。奥さんに少しでも自分の作ったものを食べてもらいたいという気持ちだろうか。30年以上昔の話…
夕食にピザが食べたいなぁ、そう言い出したのは妻だった。非課税世帯としては出費は控えたい。そもそも自分は趣味と称して山靴や自転車でそこら中に出かけては出費を重ねるのだから、日用のものは安い店で値引きシールの付いた品だけを買っている。加え、こ…
先日家で食べたメキシコ料理もどき。トルティーアもチップスも市販品があるから、あとは具を作ればそれらしくなる。チキンやアボガドなどの具が残っているうちは何度も作ったが、最後にシーズニングスパイスも底を尽きた。トルティーアは10枚入りだったがも…
近所に何故かメキシコ料理店がある。そこは色々なテナントが出たり入ったりしていた。無理もない、高齢者が多い住宅地の交差点。駐車場もなく近所の高校生で登下校時は狭い道が鈴なりになる。レストランとしてはなかなか定着しない場だろう。 メキシコ料理店…
ニンジンは子供のころは好きではない野菜の最上位だったかもしれない。小学校の飼育室に居るウサギが食べるのを見て、へえーと不思議に思ったほどだ。またカレーライスが好きではないので必然的に食卓にあがらなかったのだろう。成人して、ファミレスなどで…
食事当番の自分としては出来るだけ目新しくて美味しい料理をご主人である奥様に出したいところ。しかし用事があったり疲れていたりするとたちどころに手抜きになりある時はベーカリーのパンになったり。何にしても文句言わずに食べてもらえるので助かってい…
季節のものに反応するようになったのはやはり歳のせいだろうか。 春と秋は嬉しいもの。土地の恵みを味わう季節だ。息吹の春は山菜や野草。恵みの秋は野菜全般、きのこも良い。 季節を感じるかのようにそんな恵みを戴く時に思うようになった。「ああ、また新…
ラーメンとカレーが日本人の二大国民食という話もよく言われる。何故だろう、自分はカレーとは縁が薄かった。カレーライスという食事は、おかずらしいものがない。なんだか手抜きの極み。申し訳程度の具材にカレー粉とメリケン粉だろう?そんな風に思ってい…
妻が職場で立派な菜の花を貰ってきた。同僚の方がプランターで育てたというものだった。スーパーで見かけるよりも大振りで、イキが良い。 これどうしようか、と聞くので即座にパスタと頭に浮かんだ。 味付けは「何とかの一つ覚え」。オリーブオイルとニンニ…
カブをどさりと大きな袋で頂いた。友人には家庭菜園を営む人も多い。鍋にしたり煮物にしたりと考える。一方妻は喜んでぬか漬けにしている。色々な料理で冬の味覚を満喫する。そして残ったカブ。パスタにしようと考えた。 冷蔵庫を見て使える具材で対応だ。様…
オイル・サーディンと聞いてどう思うか? 「料理に便利だよね」と細君は言う。…そうだろうな、実際よくパスタに使うしね。 しかし特定の人種は、「いやー、嫌だよね。避けたいね。」と言う。その人種とは「山ヤ」と呼ばれる人々。オイル・サーディンという単…