日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

茶殻のペペロンチーノ・アリオリオ、次回こそ

食事当番の自分としては出来るだけ目新しくて美味しい料理をご主人である奥様に出したいところ。しかし用事があったり疲れていたりするとたちどころに手抜きになりある時はベーカリーのパンになったり。何にしても文句言わずに食べてもらえるので助かっている。

放っておくとラーメンか焼きそばに。うどんか蕎麦か。パスタか。そんな少ない昼飯のレパートリーだ。パスタは楽な料理で、ペぺロンチーノ・アリオリオ(ニンニク唐辛子オリーブオイル)やトマトベース、ラグー、和風(醤油や濃縮だしの素)、ジェノベーゼ(市販品)あたりの数種類のソースの作り方を覚えればあとは具材とパスタの組み合わせになる。あくまでも我流でイタリアンにはならぬが。

さて所用で遅れた昼食。ご主人様は空腹に耐えかねてテレビを見ている。更にご機嫌を損ねる前に手短に。と冷蔵庫を開けた。ベーコン、ダイコン、椎茸、玉ねぎ、そんなところか。それではとささっと作った。いつものパスタは今日はペペロンチーノ・アリオリオで。

ふと調理台の上に置かれた茶こしに目が行った。ニ三回入れて風味も飛んだであろう完全な出がらしの茶殻があった。これを入れたら美味かろう。そう思ったらすぐにフライパンに即投入した。炒めていると風味の良いお茶の香りが漂った。悪くない!そう胸が躍った。

さて、ご主人様の判定は。「今日はイノベーションしたよ。わかる?」「何?いつもと同じ」「…」

緑の小さな茶がらはパセリにも見えたのだろうか。実際それはオリーブオイルでじっくり風味づけたア-リオ(ニンニク)の強い香りの前にほとんどの香りが無抵抗に覆い隠されてしまっていた。しかし残り香ではあったが僅かにお茶の香りがした。それは何か嬉しいひと味をいつものパスタに加えてくれた。しかもカテキンをふんだんに摂った気もした。

茶殻を使ったペペロンチーノ・アリオリオは風味は今ひとつだった。しかし自信はある。次回こそ出がらしではなく、一回だけ入れただけの茶がらをふんだんに使ってみよう。日当たりの良い静岡の茶畑で丁寧に作られたお茶なのだ。手積みなのだ。不味い訳もない。茶殻を捨てるなどもったいないの極み。廃棄を出さずに戴こう。今流行りのSDGSを我が家で実践するわけだ。やや無理を承知で言うがSDGS項目12番「作る責任・使う責任」を果たしたことにはならぬか。

いっときだけの地球市民になったように思えるそれは、素敵な昼食だった。

いつものあり合わせ野菜とベーコンのペペロンチーノ・アリオリオ。今日は出がらしの茶殻を入れて少しだけ廃棄物を減らし、かつ僅かな香りが楽しめた。