日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

ひやむぎの季節

なんでも各地で数十年ぶりの5月の真夏日と、そんな報道がニュースで流れている。陽炎が揺れる熊谷の街や、シャツを捲し上げる勤め人で溢れる新橋駅前がテレビに出てくるのも時間の問題だろう。目下は確かに日中の日差しはきついがあまり湿度が高くないので救われている。朝晩などはヨーロッパの夏のようで多少の涼しさが気持ちも良い。高原で爽やかな風を受けながら冷やしたロゼなどを飲むと、最高だろう。付け合わせはオリーブとチーズが良いな。

さすがに高原のロゼとはいかないが、ひやむぎならこんな日に向いているだろう。高原に住む友人から教わったレシピを作ってみた。レシピと言っても使わせていただいたのはつけ汁だけで、後の粗雑な料理は自分流だ。友人夫妻の料理はもっと見た目も栄養バランスも優れているのだが、こちらはありもので済ませてしまった。

以前旅行先の道の駅で購入した「くるみのつけ汁」が残っていた。わずかしかないので、友人に教わったつけ汁を加えた。野菜をフライパンに敷いた僅かの油で素焼きのように焼いていく。塩も何も振らない。カブが大安売りだった。それに玉ねぎやピーマン、チンゲン菜、エリンギなどをくわえた。タンパク質はチャーシューとした。

野菜はその本来の味が出る素焼きが一番美味しいかもしれない。カブのまろやかさ、玉ねぎの甘さ、ピーマンの苦み、意外としゃっきり感が残るチンゲン菜、歯ごたえだけのエリンギなど、素のままだと本性が出るのは人間と同じだろう。そしてそんな野菜は大振りに切るほうが味わいを楽しめる。ただいつものように少ない具材ができるだけ多く見えるように、と細かく切ってしまったのは失敗であるし、哀しい性といえた。

友人の奥様から教えていただいたそのつけ汁は液体の出汁を指定の比率で豆乳で割るというもので、こればまろやかでとても美味しい。素麺にも蕎麦にもよく合う。我が家の夏の定番食事の一つになった。せめて野菜は具材ごとに整理して盛れば見た目も良いのだが、粗い仕事しかできぬ自分は混ざってしまった状態で皿にドンと盛った。まぁ胃に入れば同じだよ、と言い訳だ。

テレビによると、暑いのは移動性高気圧に覆われているからと言う事で、これは気儘に東の海へ去っていくだろう。その後梅雨前線がやってきて、本格的な高気圧に覆われると、真夏だ。蚊は出るし外に出るとクラクラするし、正直夏はとても苦手だ。唯一、高くて大きな山に登るベストシーズンであるという以外は。だから暑くなるにせよ、もう少し手順を守ってほしいな。まだ梅雨も来ていないのだから。

僕の嫌いな夏がやってくる。八月生まれなのに夏嫌いとはアイロニカルでもある。風鈴、よしず、金魚鉢、花火、蚊取り線香。そんな風流なもので乗り切れるような長閑さがなくなったのは、地球温暖化のせいだろう。暑さが半端なく暴力的になってきたのがこの数年だ。

せめて冷たいひやむぎを甘くてしょっぱい豊かな味のつけ汁と夏野菜で頂く事で、少しは汗も退くだろうか。

つけ汁は濃い色のクルミつけ汁、カフェオレ色は豆乳つけ汁。クルミも美味しいが豆乳つけ汁が体に優しい気がする。つけあわせは野菜をフライパンでわずかな油で焼いたもの、そしてラーメン用の市販チャーシュー。

https://shirane3193.hatenablog.com/entry/2021/07/31/081653

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