日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

ニンジンのパスタですか?

ニンジンは子供のころは好きではない野菜の最上位だったかもしれない。小学校の飼育室に居るウサギが食べるのを見て、へえーと不思議に思ったほどだ。またカレーライスが好きではないので必然的に食卓にあがらなかったのだろう。成人して、ファミレスなどで出てくる面取りをした茹でニンジンをバターソテーにしているものに接した。いろどりだけのハンバーグの添え物だが、あれはなんとも良い味だった。

ぼっとりとした家庭料理のカレーは苦手だがインドカレー(インネパ料理)とスープカレーは美味しかった。ニンジンが入るのはスープカレーだろう。何とかの一つ覚えだから何度も作る。そしてそれなりに分かったことは、具は大きなままでとろけるまで煮込まないほうがスープカレーに似合うという事だろうか。いつしかダイダイ色した固い野菜は冷蔵庫の中でいつも居る存在になった。

少し体調が優れないので、手間のかかるスープカレーは具材は揃えたのだが作るのは控えた。代わりにまたもや比較的容易なパスタにしてしまった。しかし折角スープカレーになろうとしていたニンジンが気の毒に思えた。この日のために千葉県の畑から引っこ抜かれたのだから。

それでは頂戴しましょう、とパスタの具材にしてみた。

ニンジンは火が通りにくいので600Wの電子レンジで1分半。上手い具合に湯気が出ていた。あとはいつもと何も変わらない。タンパク質は今回はベーコンでもなく、ツナ缶にした。トマト水煮缶をいつも入れるがそれも切らしていた。ならば醤油と料理酒で味付けを。これも自分のお手軽パスタではよく使う。ペペロンチーノ・アリオリオと同じ工程だが塩の味付けは調整程度に控えて醤油で炒めてから酒を加えるだけだ。パスタの煮汁で乳化させるのも変わらない。ツナ缶の脂分がなかなか良い仕事をする。

見てくれはいつも通り冴えない。冴える料理は作れない。しかし口に入ってしまえばよいのだ。夫婦二人しか食べないのだから。

ニンジンがとても甘かった。電子レンジを経て、炒めただけだ。もう少し太めにカットすれば尚良かっただろう。これが彼の本来の実力だった。ぼってりとしたカレーで煮込んでしまったら、彼の良さは消えてしまう。なんだ、あなた良い奴だったのね。

ニンジンのパスタですか?はい、味よく彩りよし。お勧めです。又補充しますよ。今度は何処の産地を選ぶかな。楽しみが増える。

醤油味のパスタソースはツナ缶やカニ缶などとの相性が良い。ザリガニ缶詰めもこれには相性良しなのだが残念ながら日本ではお目にかからないようだ。付け合わせは冷凍肉団子と白菜を茹でポン酢とシソ昆布でからめたもの。手抜きするときは、しっかり抜く。