妻が職場で立派な菜の花を貰ってきた。同僚の方がプランターで育てたというものだった。スーパーで見かけるよりも大振りで、イキが良い。
これどうしようか、と聞くので即座にパスタと頭に浮かんだ。
味付けは「何とかの一つ覚え」。オリーブオイルとニンニク、赤唐辛子。ペペロンチーノアリオリオ。具はベーコンと玉ねぎ、椎茸。ピーマンも冷蔵庫にあった。そこに菜の花ならば見た目もよかろう。
何の進歩もない作り方で進めていく。人間つねにイノベーションは必要だろうが、料理についても何の進化もしない。再現性の追求をポイントとする料理もあってもいいではないか、などと勝手に思う。
さて菜の花。春のモノはフキにせよタラの芽にせよワラビにせよ、苦い。春は明るい季節なはずなのに何故苦いのか。冬眠しがちな季節から、目を覚ませよとでも言ってくれてるのかもしれない。今日もやはり多少なりとも苦かった。それが絶妙な味のアクセントだった。
何処かのご家庭のプランターで陽光を浴びて育ったのだろう。頂くのは花になる前。すみませんね、花を咲かして受粉というという生殖の本能を発揮する前に頂くのだから。背徳の美味しさとてもいうべきか。とても良い味だった。
季節を味わう。暦は一月でももう菜の花か。そういえば冬至も過ぎて、こころなしか日が長くなった。春がすぐそこに。ありがたい日々を過ごしている。
●菜の花パスタ、自分の場合(二人前)
・パスタ200g
・菜の花
・玉ねぎ1/8個程度(微塵切り)
・ピーマン1個
・椎茸2個
・ニンニク3かけ、鷹の爪1っ本
・ベーコン70グラム程度
・塩、オリーブオイル、白ワイン
ベーコンはカリカリが好きなので予めフライパンで焼いた。焼けたベーコンは回収してそこにニンニクと唐辛子。じっくり低温で風味付け。具材を入れて炒める。白ワインと茹で汁を加え低温でじっくりとソースを「乳化」させる。菜の花には余り火を通したくない。炒めるのは短時間とした。
冷蔵庫に余っていたミニモッツァレラチーズを載せてみた。懸念していたが味が引き立った。今日のイノベーション?もどきはこの程度、情けない。