日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

スパゲティ新作?

「スパゲティ・ジアスターゼ」

そう書くと何やら途端に本格的な料理な気がする。リストランテは無理でもトラットリアやオステリアあたりのメニューにあってもおかしくなさそうだ。ニヤニヤと笑いながら、ありあわせの材料で作った昼食にそう名付けようと考えた。

夕立の多い季節、パートの勤務先から帰る途上の妻は通り雨に遭い上着が濡れたという。湿気も多く体は湿り余り食欲がないようだった。なにかあっさりした昼食を昼過ぎに帰ってくる彼女のために作ろうと考えた。冷蔵庫にはピーマンと小松菜、エリンギそして大根があった。大根おろしなら豆腐にでも載せてこの季節は美味しいだろう。しかし力が出そうにない。ふと頭に明かりが灯り、気の向くままに作ってみた。パスタだ。味付けはいつものアリオリオペペロンチーノとしたが少し変えてみた。

塩で味付けをするのだが少し減らしてその分麺つゆを加えた。パスタの茹で汁でパスタソースを乳化させるが、その前に大根をすりおろし、そのおろし汁を加えた。
風味付けに使ったアリとペペロンチーノ、それにそれにカリカリベーコンをトッピングするがその上に大根おろしを載せた。要はいつものメニューを和風に振っただけだが、大根のおろし汁をソースに使おうというとっさの案に、自ら酔った。

作りながら更にこう考えた。もしこれが美味しかったら、この新しいパスタ料理をこう名付けようと。「スパゲティ・ジアスターゼ・ユキオ」と。

アスターゼは大根に多く含まれる消化酵素の名前で、疲れた胃腸に良いという。そんな中学校での家庭科授業を思い出した。今日の妻には丁度良さそうだった。最後に自分の名前を入れようと思ったはNHKの朝ドラマの影響だった。明治時代の日本の植物学の父と言われる学者の人生を描いたドラマだが、彼は新しい植物を見つけ、それが新種だと文献を通じて判明すると、学例に則ってそこに自分の名前を冠していく。それが彼の喜びだった。

コレも新しいものだろう。こんなメニューは無いだろう。ニヤニヤとほくそ笑みながら考えた。

見てくれは悪くなかった。個人的には美味しかったがもう少し大根をおろすべきだったと思う。鶏唐揚のみぞれ煮の雰囲気が頭にあったのだ。あそこまで行かなかった。少し甘酢系の味付けにすべきだったのだろうか。

疲れた体に大根は優しい。しかしオリーブオイルを使った料理で少し脂っぽい。結局胃に優しくないかもしれない。

我が家の味の審査役は何を食べをても美味しいと言うので、彼女の感想はあまり信用出来なかった。出来はもう少しだ。仕方なく料理の名前を変更することにした。独りで悦に入ってしまっていたネーミングは最後のユキオを取り払い「スパゲティ・ジアスターゼ」にしようと。自分の名前は次回満足する味になったらそうつけようと。

しかし我が家だけのメニューだった。こんな下らない発想で笑っても何処にも害を及ぼさない。それで二人が楽しめれば言うこともない。気楽な頭の体操だった。

大根おろし汁をパスタソースにして大根おろしをトッピング・・・。アイデアは悪くないように思う。もう一捻りだろうか。

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