日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

2022-01-01から1年間の記事一覧

待ちわびた君 JB64

待てば海路の日和あり。そんな気分で過ごした一年もようやく340日辺りを迎えた。 ディーラからの一報で矢も楯もたまらずにかけつけると、待ちわびた君は2階の車庫で待っていた。今朝に静岡の工場からトレーラーに載せられ着いたという。 車を買うのも、まし…

秘すれば花 と言うけれど

若き頃。憧れた女性。どんな所に住んでいるのだろう。どんな街で生まれたのだろう。そんな風に好奇心が湧いてくるのは、憧れが好意に変わって膨らんでいくのと裏表だった。彼女自身は目に前に居る。しかし彼女のそれ以上は分からない。 気になり始めたきっか…

ゴマの威力 手ごねハンバーグ

テレビ番組で放送していた。手ごねハンバーグを美味しく作るコツを紹介していたのだ。ハンバーグについてはこちらもそれなりにトライして、自分の中のベストレシピは持っているつもりだ。あくまで「リタイアお父さんの趣味料理」の域は出ないが。 合い挽きに…

シーフードミックスを使おう

冷凍の袋詰め。袋を開けるだけだから気楽な食材。しかしざっとフライパンにあけて炒めると、何と水気が出てくる。具から出た白い汁が満ちてくる。 ああ水出てきた。火力不足なのか。もっと強火で長く炒めれば水気も飛ばぬか。そうやっても水分は大して飛ばな…

飛燕の伝統、ここにあり

友人が言っていた。川崎重工業(株)に出張にいくとまずは同社のプレゼンから始まると。そこで必ず技術の歴史として紹介されるのが「飛燕」という。 飛燕。好い名前だ。ツバメは放っておいても飛ぶのだがそこに「飛」という漢字を加えるところに気概と期待が…

天空の赤い珠

幼い頃に見た絵本。そのイラストには余りにもインパクトがあり今もその1ページが忘れられない。 それは夜の街の天空を巨大な青白い珠が長い尾を引いて流れていく姿を書いたもので、人々は激突せぬかと恐怖に逃げ回っているのだった。「ハレー彗星に驚いて逃…

♪ドナドナドーナ

♪ある晴れた昼下がり。何処かへ続く道。荷馬車がゴトゴト ワンコを載せてゆく♪ ♪ドナドナドーナ、ドーナ 売られていくよ 思わず出てきた替え歌を手で払いのけた。童謡として広く知られたこの歌は寂しい。元唄は市場へ続く道で載せられたのは子牛だが、何故売…

元気ですかぁ!

元気があれば、何でもできる。行くぞぉ、イチニイサン。ダァーッ!! 首には赤い闘魂タオル。ダァーがパフォーマンス性を帯びてきたのは彼が議員になる前くらいだろうか。その前は純粋に試合での勝利の雄叫びだったと記憶する。 自分の父は昭和一桁。もう、…

弁慶の七つ道具

戦国武将にきっとあるのではないか。「壮絶な戦死」という図式。矢が体に刺さりまくり,太刀で体中を斬られ、憤怒の形相で立ったまま絶命する。 実際にそんな武将が居たのかは知らないが、大河ドラマや時代絵巻物などでは描かれそうな光景だ。「弁慶の立ち往…

素敵な一日 - 無理をせぬこと

久しぶりにジムで汗をかいた。少し遠ざかっていたのは何故だろう。メニューがきつかったのだろうか。会社員時代は週2回、1時間のコース。筋トレから初めて有酸素。単調な会社生活の中で格好のストレス解消だった。会社を辞めてからも、週に1回は行く事にして…

手のひらの魔法

だらりとしていた両手をさっと上げる。全楽器が音を出すポジションに着く。この一瞬は緊張感と期待が重なる時間。すでに開演ベルの前まで楽屋裏で気ままになっていた幾多の旋律で期待が渦巻いているのだから、ここで自分も緊張は頂点に達する。 緩く、柔らか…

旅のカバン

旅が好きな方ならば、だれしもがお気に入りの旅行鞄を持っているだろう。ヨーロッパの空港などで無造作にルイ・ヴィトンの大きなトランクケースがターンテーブルを回ってくるのを見ると、ああ、鞄冥利に尽きるのだろうな、と思う。そう、まさに旅の数だけ傷…

山上の至福 鍋焼きうどん・鍋割山

転勤で静岡県東部の街にある事務所に通っていた頃の話だ。職場には「昼礼」という慣例があり、事務所の社員が持ち回りで、ちょっとした話をしたり、連絡事項の共有をしたりしていた。 ある時、入社2,3年目の自転車大好きな社員の番だった。「山の上で名物の…

本当にやるのか

小学生のころからいったい幾つ作ったのかわからないモノ。プラモデルだ。 25歳ころまでは作っていたと思う。丹念に塗装もして棚に置いておいた。しかしいつの間にか部屋から捨てられていた。間もなく結婚して家から出て行くだろうと、母親が勝手に捨てたのだ…

さやえんどう

昼飯にタンメンを作ろうとしていた。 我が家のタンメンは賞味期限切れの野菜の処理を兼ねるので何でも入ってしまう。キクラゲなどのあれば良いな、という具も、棚や冷蔵庫に残っていない限りは逆に入らない。モヤシばかりはそれがないと成立しないので都度買…

メンタル不調はゆっくりと・適応障害

知人がメンタル不調でしばらく仕事を休んでいたと聞いた。休む前からの兆候は知人との会話を通じて自分も感じていた。どこかで似たような風景を見ていた。職場復帰予定は数週間が数か月に伸び、やがて未定となったという。連絡も途絶えた。しかし風の噂では…

検診上がりの凶暴さ

「えーと、A定食一つね。こちらは日替わり定食で。まずビールね。オタクは生?それとも瓶? ええぃ、瓶一つで。 あ、あと焼き餃子ね」 5秒で注文してしまった。流石に相手もビールは直ぐに出してきた。こちらの殺気を感じたのだろう。 なにせこちらは前夜か…

ヤッホーの山 大朝日岳

おーい、山よ、さようなら。ヤッホー、又来るからね。 そう叫んでしまった。周りに人がいても、恥ずかしくもない。体の中からエネルギーが湧いてきた、それに従っただけだった。それは山頂からヤッホーと叫ぶ無邪気な幼童のようだった。秋の高い空にそんな声…

豚肉とネギのカレー粉炒め

これは自分が考え出した料理でもない。学生街の定食屋にはありがちなメニューかもしれない。しかし豚肉とネギのカレー粉炒め、というだけでそれ以上の詳細はわからない。 が、自分の中でこの料理の出どころだけははっきりとしている。それは小説、角川の文庫…

回れ回れ、ぶんぶんコマ

紐の両端を思い切り引っ張ると真ん中のコマが回り始める。あとは両手をリズミカルに動かしてコマを回し続ける。 ブーン、ブーン コマが鳴る。ぶんぶんコマだ。その風きり音は大きさによっても音色が異なる。蓋の端に切れ目を入れたりと、子供ながらに試行錯…

冬瓜の季節です。煮物にて

晩夏から秋の終わりに向けては冬瓜の季節。大きいので丸まる一個は売られていないが1/4程度にカットされたものをスーパーで見かける。安かったので手が出た。鳥の挽肉とあわせると美味しい煮物が出来る。しかしまずはあり合わせで。冷蔵庫の中身の処分を兼ね…

鳥居に導かれる 上信電鉄サイクリング

見事な秋空の演出だった。晴れていたはずの空もいつしか日が傾きかける。「秋の日はつるべ落とし」と言わんばかりに急速に暗くなってきたがそれは太陽が一時流れてきた雲に隠されたせいもあった。しかし思わぬ光景にブレーキレバーを握っていた。雲の隙間か…

物故された上司

社会人になり研修が終わり、初出勤の記憶は鮮明だ。都内のとある雑居ビルだった。英語は好きな科目だったが、何故自分が海外営業部に配属されたのかは分からない。確かに卒業した学校は英語が有名ではあったが、自分の成績は悪かったのだ。 営業チームは総数…

「旅がらす」の想い

何かに熱中していて、ふと我に返る。「あれ、なぜ自分は今こんなことをやっているのだろう?」と自問自答が湧いてくる。そんなことが無いだろうか? 好きなことに取り組んでいるはずでもその思いは時々不意に顔を出す。取り組んでいることが肉体的に厳しけれ…

群馬に久恋のラーメンあり みやご食堂・藤岡

テレビのグルメ番組や地域密着系番組。好きなのでよく見てしまう。行かなくとも見ているだけで楽しい。勿論気に入った店があればメモをして、虎視眈々と訪問機会を待つ。 ここはそんな店の一環として番組で放映されていた。何度か異なる番組で見たので、それ…

駅ソバシリーズ(11)本庄駅 本庄ソバ 

JR高崎線。自分の生活圏ではない。高崎線は、学生時代は転勤で富山に住む両親宅への里帰りの路線。特急「はくさん」の車窓風景。籠原で線路は高架になり西に高く見える浅間山は今でも懐かしい風景だ。横川軽井沢の峠越えも楽しかった。そんな両親も富山に居…

寄り添ってみる事

歳を取ると日常生活における様々な事が今とは異なってくるのだろう。体の機能としては立ったり座ったり走ったりと、普通に出来ていることがやがて苦しくなる。脳の機能としては保持されている記憶も古いものばかりになり、新しい事はなかなか定着しないし、…

秋の贈り物 ツィマーマン、ヘルツァーのブラームス

秋の夜長はウィスキーをロックで片手に、チビチビとやりながら好きな音楽を楽しむ。そこに薪ストーブでもありぱちりと火がはぜればより素晴らしい立役者だが、生憎自分の住む地は数日来の寒さも戻り、Tシャツ一枚でも過ごせる夕べとなった。薪ストーブなどの…

知人が増えるという事

サイクリングを終え、地元の駅で輪行袋を解く。もちろんそれは、その駅から自宅まで走るためのものだ。自分のランドナーはフロントフォークを抜くスタイル。まずは六角レンチでステムを緩めハンドルをステムごと外す。次にフロントフォークを締めている4重の…

追憶の麺・六角屋

六角橋という地名を知っているのは横浜市東部の人間か、神奈川大学の関係者だろうか。自分は長い間隣の区の住人でもあり、また当地には遠縁の縁者も居たりして、随分と昔から知っている地名だった。また「だるまや」という鉄道模型屋も仲見世と呼ばれる狭い…