日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

ピーマン?椎茸?レンコン?の憂鬱

「ピーマンの肉詰め」「椎茸の肉詰め」「レンコンの肉挟み揚げ」・・・。いずれも夕餉の食卓に出ると嬉しくなるメニューです。甘辛いタレ、肉感あふれる具材、野菜の歯ごたえ・・・おお今夜はコレか!的な有無を言わさぬ「押しの強さ」を感じさせるのです。個々の料理は小さいが、ピリリとした実力者です。

さてどれが一番おいしいのか・・いや好きなのか。困ったことにそれぞれを食べた時にそれが一番おいしく感じてしまうのです。誰が自分にとっての真の王者か? 迷います。

考えるにその理由は唯一つ。同時に食べ比べる事がなかなかできない、故に、記憶をたどって甲乙を付けざるを得ないから。でしょうか。こういう不安定な状況は精神に良くないのです。はっきりと、雌雄を決したい。自分にはこれがナンバーワンだ!と。

その方法も又、唯一つ。全部同時に作って「せーの」で食べるのです。するとロット差、時間差、体調の差がなく判断が出来ようというものです。

食べることに関しては行動力が大きい自分。それではその三者を同時に食べるように、夕食の献立案を作り材料を買ってきました。フライパンで「焼く」だけの行程では済まず「揚げる」ことが必要な「レンコンの挟み揚げ」は、レンコンにとっては不本意かもしれませんが、「蓮根の肉載せ」にしてもらいましょう。公平にやりますよ。スマン。


(1)詰める・載せる肉:豚ひき肉(合い挽き可)150グラムに玉ねぎ1/3個みじん切りとニンニクチューブ若干。これに塩・胡椒してボウルで練る。
(2)ピーマン、シイタケ、レンコン下処理 ピーマンは縦半分にカット、タネを除く、椎茸は石突きを取る(これはこれで炒めると美味しいです)、レンコンの下処理は輪切りで水にさらしてあくを取る
(3)それぞれに練った挽肉玉ねぎをのせ、片栗粉で周りを包む
(4)フライパンに油をひき、それぞれを載せる。まずは強火で焦げ目をつけてから弱火に転じ、それを維持し調理酒を少し投入。蓋をして蒸します。水分が飛んで来たら裏に返して肉面にも焼き目を入れる。何度か繰り返して完成。
(5)タレは、フライパンの残り油と汁(油は少し捨てます)に醤油と酒、みりんを投入した甘辛ダレ。フライパンには片栗粉の残りがありますのでとろみもつきます。
(具材の量は写真のモノです)

極めて簡単に出来ました。フライパンが古くて焦げ付きやすい。いいフライパンが欲しい所でした。

さて、これら三種が一皿に呉越同舟しました。作った私には思い入れがあるかもしれません。公平を期するために第三者の家内の意見も。食した結果を忖度なく発表。上位からです。

家内: 椎茸-レンコン‐ピーマン
私: 椎茸‐レンコン‐ピーマン

おお、何と、期せずしてともに同じ結果。椎茸ナンバーワンか! 

椎茸はやはり食べた時に出るうまみ汁。これが挽肉層とよいハーモニーです。
レンコンは歯ごたえが良く、焦げた挽肉層には香ばしさがありその二つの相性は捨てたものではないようです。
ピーマンは・・・ちょっと頑張れです。ピーマンは意外に前2者に比べて実力が発揮できていないようです。「あいつ普段いい奴なんだけどね、お客さんの前に出ると緊張してね・・・」的な、会社員営業マンの会話のネタに上がりそうです。・・察するにピーマンは厚みがない。それ故か独特の苦みは良いですが、いかんせん味の持久力不足。見よ!肉汁をも吸収し豊かになる椎茸の貪欲さ。歯ごたえという命を失わないレンコンの毅然さ。ピーマンよ、あなたはフニャるし、苦み攻撃もイマイチ弱いぜ。

ピーマンには申し訳ないことをしました。それだけを食べていれば十分な主役でしたが・・。一応それぞれの癖も把握できたし、かりそめにも順位もつけられたので思い残すことにはないのです。そんな食評をしながらたちどころに1位から3位の料理は皿の上から消えていきました。

ピーマン?椎茸?レンコン? なんだ、俺たちのどれ食べても、あんたら満足してるじゃん!・・・苦情が聞えてきそうです。

誰が一番なんだよ・・彼らの憂鬱は続くようです。

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フライパン表面が劣化しておりコゲが出てしまいました・・甘辛タレは好みもあるので別皿にしました(自分はラー油醤油が好きなので)。