日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

鉄の歓び 新型DLに驚く 八王子駅

中央線の八王子駅はなかなか楽しい駅です。

見慣れた通勤型車両に加え甲州・信州へ旅人をいざなう特急も頻繁に来ます。ホームで南側に向いて立ち自分の乗るべき列車を待ちます。すると横浜の根岸から工業用液体を運んできた貨物列車もここで機関車の交換作業をする為停車です。付け替えの際のショックで編成はわずかに動き連結器の音が連鎖的に広い構内に響きます。が、その手前を今度は短いタイフォンを鳴らしコンテナを積んだ貨物列車がゴトゴトと通過する。背中側にあたる一番北側のホームでは一昔前は数両編成の八高線気動車がガラガラ音を立てていたのです。

そんな都会のせわしさと、田園の空気と匂い、工業地帯とのつながり、すべてが混然となった八王子駅の独特の雰囲気は「鉄っちゃん」を永遠に魅了します。。

さて機関車の付け替え。ヤード内での車両入替作業は今も昔もディーゼル機関車が主力のようです。その役割は昔はDD13やDE10がになっていました。本線・支線の走行はDD51でした。

何気なく見た機関車。何だろうこの違和感。見慣れてるけど何かが違う。改修でもしたのか。・・妙に角ばっています。機関車の傍まで走り寄りじっくり見学。おお、こいつは新造車両だ。HD300型か。始めて認識しました。横に書かれたHybridの文字。HDのHはハイブリッドの事だったのか。DE10のようなカタチですが車両自体はD型なので4軸でしょう。車体は大きめですがその意味ではDD13に近い。運転席は横向き。運転手は横を向いたまま運転し車両は縦方向に動く。蟹のようです。なんだか驚きです。(不勉強で知りませんでしたが構内入れ替えを主用途とした機関車はこれが一番効率的な配置であるという事。よってDD13やDE10も運転台は横向きだったという事です。)

ガラガラではなくもっと静かでいながら力強い振動でHD300が牽引するタンク車編成はゆっくりと構内から去っていきます。「僕はハイブリッドだから先輩たちとは違うよ」そう言っているようです。鋼板をつなぎ合わせたような合理的過ぎる外観には違和感がありますが、ベンガラ色、グレーと白の伝統的な配色はそのまま受け継いでくれているのは嬉しい所です。DD13やDE10のような旧式機関車に郷愁が湧き、新しいものは受け入れられない、これは「年寄り」の感性でしょう。こんな優等生のような機関車に代替わりしていることに寂しさを覚えたとともに驚きました。

中央線沿線の山へのアプローチも最近は車ばかりでした。それでしばらく利用することのなかった八王子駅。気づいたら鉄道風景も大きく様変わりしていました。「ポンコツ感性」のオールドファンも、新しい機関車の活躍を祈るのです。

(2021年12月20日・記)

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