日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

鉄分の暴走、迷走、妄想

テレビのワイドショー番組。東急東横線で珍しい列車が運行されるという事で踏切周辺に鉄道ファンが押し寄せ、ある者は遮断機によじ登り写真を撮影しようと試み列車の運行を止めたというニュースを流していました。東急電鉄の車両ではなく東京メトロの車両が運行されていたから、というのが理由でした。元住吉駅の近く、自分も良く知っている踏切です。

遮断機によじ登るのは行き過ぎ、暴走としても、「鉄分」が濃い自分はその気持ちがよくわかります。

東横線はかつては東京メトロ(当時は帝都高速度交通営団日比谷線が中目黒でつながっており、日比谷線車両は長く日吉駅まで直通運転していたのです。どちらも似たようなステンレス製の車両でしたが営団3000系が東横線を走っているというだけで、興奮モノ、失神寸前でした。

東横線が渋谷のターミナル駅を取りやめ副都心線とつながったことで、また、横浜駅も地下化され中華街まで線が伸びたことで、東横線には本来の東急に加え、西武、東武東京メトロ横浜高速鉄道の車両が走ることになりました。余りの興奮に血圧が上がり大変なことになりそうですが、幸いなことに最近の車両の無個性化に伴い、失神も、血圧異常も起きていません。今の車両はほぼプラットフォームは共通ですから塗装だけが違う車両に見える、それが残念です。やはり往年の名選手、東急なら8000系、西武なら旧2000系、東武なら旧8000系(クリーム色の旧塗装)、このあたりが行きかうのであれば血圧は限りなく上昇し、救急車に運ばれそうです。

鉄道を巡る私の「暴走」、幾つもあります。酷かったのは家族旅行で訪れたミュンヘン中央駅でしょうか。横にいくつものホームが並ぶ巨大なターミナル駅です。かなり離れたホームに、憧れの103系機関車が入線していたのです。私は家族に一言、動かないでね、と言い放ち広い構内を猛ダッシュ。我を忘れて写真を撮りまくりました。ソーセージ立ち食いスタンドの横にぽつんと置き去りにされた家族には悪い事をしたのです。

つい先日も「暴走」しました。場所はテレビのワイドショーで話題になった東横線の元住吉。なにせここには大きな車庫があるのです。かつてはここで新旧東急の車両がずらりと並び、それは楽しい場所でした。今は東急の旧式車両は地方私鉄に再就職。かわりに最新の車両と、乗り入れている他社の車両が見られます。無個性化した車両には興味がないのでいつもはスルー。しかしなんとそこに、相鉄マリンブルーが! 反射的に車を脇に寄せて急停止。車内の家内はあんぐりと口を開けたまま。後方確認不十分のまま往来を渡りました。反対車線のクラクションに足がとまりました。

小学高の6年間は相鉄沿線で育ったので、自分の相鉄線への思い入れは大きいのです。相鉄線のJR乗り入れに合わせてデビューした車両は従来の相鉄にはない、横浜の海を想起させる濃紺のマリンブルーに塗装されているのです。すでにJRへは乗り入れているものの東横線相鉄線の連絡線の開通はまだ数年先です。となると何故相鉄車両が東横線にいるのか?どんな経路でこの車庫に入線したのか?。

頭の中に各社の路線図が頭に浮かびます。連絡線が未開通とした今、相鉄車両がいかにして元住吉に来たのか? 海老名から小田急に入線し、代々木上原から千代田線に入る。千代田線からなんらかの連絡ルートで日比谷線に入り、東横線に来たのか・・いや、日比谷線には車両限界があり20m級の車両は入線できないはずだ。考えは迷走し、そしてきっとどこかに秘密のトンネルでもあるのではないか、と妄想に至ります。

暴走・迷走・妄想を持ってしてもメビウスの輪が解けません。生まれてこの方半世紀以上に渡り自分を縛ってきた鉄分の呪縛からはそろそろ解かれたい気分です。でもそれが無いときっと寂しい事でしょう。反射神経も衰えた今、暴走だけは止めたいところです。

東横線車両基地に相鉄マリンブルーが!わが目を疑い、頭は暴走・迷走・妄想。目が回る。(於、元住吉車両基地

TEE塗装の往年の名機関車、DB103系。玉子型の憧れの君を見て暴走してしまった。(於、ミュンヘン中央駅)