日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

解いてしまった謎

解いてしまった謎
誰しもずっと長く気になっている事、そして謎になっている事ってあるのかもしれませんね。自分の場合、「山田うどん」。
この店舗を初めて見たのは18歳だったと思うのです。相模原市橋本駅から津久井湖を経て相模湖に至るルートの、津久井湖のそばにその店があったのです。バイクツーリングで見つけたのです。
「やじろべえ」のマークが印象的でしたが、中途半端な場所だったのか入ったこともないままでした。しかも、あの「やじろべえ」が、なんとも田舎風な雰囲気を醸し出していたのも、足が遠のいていた理由でした。北関東に山歩きやサイクリングで出かけることが増えるにつれ、この「やじろべえ」君に会うことが増えました。
そう、埼玉県発祥のお店なんですね。なぜあの津久井にあったのはわかりません。しかし、目にする山田うどんの店舗はとにかくスルーし続けてしまったのです。
これが心の中にトゲのように刺さっていました。いったい山田うどんは何者か?どんな食事が出るのか。トゲというか、謎でした。外観から得ていた自分のイメージは、「うどんの自動販売機」的なものでした。あの、洗練さの対極にある「やじろべえ」が、どうもそれにむけた方向性を自分の中で定めてしまっていたのです。
さて、本日のサイクルツーリング。八王子まで走ったので当然「八王子ラーメン」。という事でいくつか探したのですが、中途半端な時間なのでルート沿いにあった目指した店は「スープ切れ、ごめんなさい」という事でした。落胆著しい。コンビニで何か食べるか。そう考えて走り出しました。
すると待ち構えていたかのように居たのです。「やじろべえ」君が。イヤー悪いけど、スルーするよ。といつも通り目もくれず通り過ぎましたが、100メートルほど走って、考え直しました。
今を逃すと、もうあの「やじろべえ」君の店に入ることはないだろうな・・・・。
矢も楯もたまらず戻ります。満を持して扉を開けました。
うん、これ、吉野家すき家松屋とかと店の作りも雰囲気も変りませんね。メニューはうどんばかりではなく丼ものもラーメンもある。しかも食券を買うという野暮いシステムでもなく、オネイサンが注文を取りに来て切れます。
豊富過ぎるメニューに悩みます。値段はフレンドリーですが、量が多いものはやはりそれなりに。
ここは屋号の「うどん」だろう。暑い中をずっと自転車で走っていたので、あまりこってりしたものは欲しくなかったのです。それで 冷やし海老天うどん。
しっかり武蔵野うどん的なコシもある、冷たくて甘辛い出汁も美味いな! 美味しいうどんでした。あ、満足。ファーストフードと、「やじろべえ」と、侮ってはいけなかったのです。
なーんだ、もっと早くから来てればよかった。
店を出て自転車にまたがります。頭上の「やじろべえ」君が、また来てね、と言っている。そうも見えるのです。だって、ちょっと、よく見れば笑っているでしょ?彼。 あの笑顔になんで気づかなかったのかな。悪かったよ、そんな素敵な笑顔で待っていてくれてたんだっけ。すまんかった。
山田うどんは謎ではなくなってしまいました。自分の中のトゲも消えました。今後は店があればいつでも行けるし、迷わず行くでしょう。
謎が解けてしまった。いや、自ら解いてしまったのです。嬉しいけど、寂しいのです。こうして、いくつかの知らなかった事がわかっていくって、いったい何なのだろう。謎は謎のままのほうが良い。だからまた観察して、謎を増やさないとな。そんな気すらするのです。
さて、今度は「やじろべえ」君に会う事を取り込んだサイクリングルート、作らないと。もう、友達だから。

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