日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

9ボルトが欲しい

おお、なんと13.8ボルトか。良かった、このまま使つていたら壊れたな。煙の一つも出たかもな。ホッとした。

ギター用のコンパクトエフェクターは9ボルトの乾電池で動く。外部からの直流アダプタも同じ電圧だ。乾電池が切れたので手持ちの他のマルチエフェクタ用のDCアダプタを使おうとした。極性と電圧を確認しようとテスターで計測した。ジャックとプラグの芯線がプラスで外皮がマイナスと言う常識はなぜかエフェクタでは通じない。どのメーカーのエフェクタも逆だった。シャシー側がプラスになるのだから怖くないのだろうか?楽器用の回路はまた違うのだろうか?と言っても仕方ない。気づかずにつなぐと保護回路が働きヒューズが飛ぶだろうがそんなものが無ければ煙が出る。逆接に気をつけるだけだった。

アダプタの極性は想定通りだったがなんと出力電圧は13.8ボルトだった。コンパクトエフェクターなどすべて9ボルト駆動だろうと思っていたが例外だった。そのエフェクターはマルチ機能で内部のICを駆動させるために電圧が高いのかよくわからない。アダプターを繋ぐ前には必ずプラグの極性と電圧をテスターで調べるというアマチュア無線家の習性に救われた。入力9ボルトに13.8ボルトを突っ込む。許容差はあるにせよ定格の1.5倍の電圧は素子を確実に破壊し機器はお陀仏だろう。助かったとプラグを離した。

乾電池も良いがサステナビリティを問われる使い捨てはこの時代にはピンとこない。やはりアダプタで安定した9ボルトを給電したい。欲しいのは9ボルトだった。

9ボルトのDCアダプターなどネットでもすぐ買えるがそこはアマチュア無線家の血が許さない。パーツ箱を開ければ9ボルトを作る必要なパーツなどいくつもある。プラグ、ジャック、ケースを除くと必要なパーツは3つにすぎない。三端子レギュレータとコンデンサ二つだった。何故かパーツ箱には12ボルト、6ボルト、5ボルトを作るレギュレーターばかりだった。ようやく9ボルト用を見つけた。部品名7809。下二桁が出力電圧を示す。許容電流は1アンペア。充分だろう。入力13.8ボルトを9ボルトに落とすのだからレギュレーターはかなり発熱するだろう。放熱板は小さなものを箱から選んだ。接合面に塗布する放熱シリコンも残っていた。コンデンサは104と表書きのある0.1μFのセラミックコンデンサーでいいだろう。

空中配線も可能な単純な回路だが素人工作でショートは怖い。FCZ基盤を使った。手持ちの小さなケースはプラスチック製だった。

テスターをつないだ。13.8Vは8.9Vに降圧されていた。欲しい電圧を得た。ターゲットに0.1V足りぬが誤差だろう。これでこころおきなく9V駆動のエフェクタが使える。自作エフェクタボードにつないだ。問題なく音が出た。

欲しいものは何でもネットで安く早く買えるのだが、出来るものはこうして作ることで満足がある。これを作る数時間は口笛を吹いていたではないか。頭がボケて回路図が読めなくなりハンダごてが握れなくなるまでは、楽しもう。

PS・後日談がある。9V降圧アダプタを作った後に何を勘違いしたのか13.8ボルトを直接9Vエフェクタに突っ込んでしまった。煙は出なかったが、出力音はノイズばかりで劣化していた。ああ、やってしまった。何の意味もない工作になってしまった。快調な気分は萎えてしまった。色々なトラップが人生を待ち受けるのだと思った。

左上:三端子レギュレータ7809x1個、セラミックコンデンサ104x2個、ヒートシンク、ケース、線材。部品はこれだけ。数百円だろう、すべて手持ちのパーツ箱に在った。空中配線も可能だが短絡を気にして基盤を使った。FCZ基盤はアマチュア無線家JH1FCZ大久保氏が立ち上げた電子キット会社・FCZ研究所の商品。もう今は廃業されてしまい氏も逝去された。幾つかの部品やキットがまだ手元にあるだけとなってしまった。

右上・左下・右下:三端子レギュレータはシルク印刷を上に左足に入力、真ん中の足はグランドに、右足から所定の電圧が出力される。入・出力の足とグランドの間にはコンデンサかます。放熱の為にヒートシンクと伝導性を高めるシリコングリス塗布は必要。真ん中の足にダイオードを挿入し出力電圧を0.6V程度上げる事も可能。テスターで出力電圧を測ると8.90Vが確認できた。このあたりはアマチュア電子工作入門第一歩だろう。

 

 

コンパクトエフェクタとチューナー。マルチ、コンプレッサー、コーラス、シンセ。赤いマルチエフェクタは何故か純正は13.8VのDCアダプタだった。