日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

風呂の手順

社会人現役の頃、自分はカラスの行水を地でいっていた。まずシャワーを浴びて体を洗い頭を洗ってすべて流す。ここまで二分半。そして湯船に入る。さらに三十秒。まことにカップラーメンのような男だった。なぜそこまで急いだのか?湯上がりのビールを少しでも早く飲みたかったからだ。今も最初の二分半は似たようなものだが温めのお湯にゆっくり浸かるようになった。三分以上そこで温まると意識が何処かに飛んでいくこともある。このまま寝てしまい気づけば溺れてあの世に行く。病や犯罪が多い今の世で、これはある意味幸せな終わり方にも思う。冗談はさておきお風呂が好きになるとは年齢のせいかもしれない。

もっとも日帰り温泉は好きでよく通っていた。登山後に入るそんな湯は極楽だった。一億円郷里創生事業で日帰り温泉はどこにも出来た。楽しみはそこら中となった。

自ずと入浴回数は増える。人様の入浴シーンに接する。正しい入り方は何だろうと思うようになった。というのも人により入浴手順が様々だからだ。ある人はざあっと湯をかけてそのままザブリと湯船に行く。ある人は入念に体を洗ってから湯船にはいる。流石にいきなり湯船という人は見ない。が、そこにサウナがあったらどこに挟まるのだろう。いずれにせよ体を先に洗うか洗わぬかについては意見が分かれるだろう。もちろん公衆衛生的には体は先に洗いたい。

外国人をそんな施設で見かけるのも当たり前になった。彼等に正しい入浴手順を聞かれることもあるだろう。さて日本人としてどう答えるのだろう。

引っ越した市には温泉手形という割引券が七つの温泉施設で使える。その七つをいつも順繰りに回っている。硫黄泉が強いもの、温めの露天に熱いサウナ、ミストにドライと二つのサウナを持ったところ、週替わりのハーブ湯、どこも色々趣向を凝らしている。そんな中の一つ。更衣室に可愛らしいイラストがあった。そこにはこうある。「入浴前には かけ流して 体を洗う事」と。イラストでは石鹸を使って洗ってはいない。これはほぼ自分のやり方そのものだった。もっともざあっと湯をかけ流す際には一応陰部には大目に掛け手で流す。そして湯船の前にサウナに行く。この絵では最初に体を石鹸で洗いましょう、と書かれていなかったことに安堵感を覚えた。時々思っていた。きっと最初に体を洗うべきだろうなぁとは。しかしお墨付きを得てしまった。ネットを見てみると湯船に先に入る人と後で入る人はほぼ半々だというご本人の観察結果がアップされていた。その方は「体を先に洗うと肌の角質が取れてしまい温泉成分が肌にきつい」と書かれている。それも頷ける。

自分のブログを読んでくださる方に、全国津々浦々の温泉施設や銭湯をレポートされている方がいらっしゃる。自分も彼の投稿を拝見するが、本当に数えられない程に入浴施設があるものだと感心する。もしかしたら関東と関西で、湯治場と観光目的の日帰り温泉と、さらに銭湯では、それぞれ異なった手順があるのかもしれぬ。自分は掛けない湯上がりのシャワーも同様だ。湯の効用はリラックスであるとすれば他者に不快感を与えずに迷惑にならぬように自分がくつろげるやりかたが一番なのだろうと思う。

さあて温泉手形だ。割引回数券なのだから次回は購入してみよう。皆さんを観察し我が風呂の手順に自信を持ち、リラックス道を楽しもう。

よく行く日帰り温泉施設に貼ってあったもの。ざっと湯をかけて入浴か。なかなか良いではないか。