日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

今夜はお鍋に

スーパーマーケットに買い物に行く頻度は出来るだけ下げたいと思っている。行くとどうしても目につくものに手を出してしまう。お菓子など最たるものだろう。一回の買い物で数日分の食材を買いたいところだが、あいにくと買ったものをしっかり消費できないことも多い。冷蔵庫の中で寿命を迎えるかわいそうな食材たちを見ると心が痛む。どちらが良いのか、さじ加減が難しい。

加えてこの半年、全ての食材が微妙あるいは大胆に値上げしているのを見るとため息が出る。買い物に行くにもガソリン代がかかる。その値段も又高値を更新するばかりだ。

スーパーの店内で、さて今夜と明日昼夜、何を作るか・・と考えながら歩いていた。野菜は半額シールが貼られた元気のないものを選ぶ。直ぐに使えば大丈夫だろう。総菜は閉店間際が安くなる。値引きシールが貼られるのをじっくり周りで見る。冷凍庫に大目にストックするのだ。南極越冬隊の気持ちがする。小松菜の安値には助かっている。セロリも萎えかけているが美味しいに違いない。

前を歩いていた70代とおぼしき夫婦が、メニューを思案中のようだった。野菜コーナーから総菜品を覗いている。主導権はどうやら奥様が握っているようだった。旦那様が「お弁当にするか」と言うと彼女は曖昧に返事をしていた。あまり乗り気ではないのはお弁当の割高感だろうか。どの夫婦も似たようなもんだな、と微笑ましい。水産品コーナーで奥さんは閃いたかのように言っていた。「今日は寒いから鍋にしようか」と。旦那様はほっとしたようだった。生きている以上食べ物は楽しみたい。メニュー決めはかくも大切でもある。食事の内容を決める事が夫婦のコミュニケーションになっているのだ、と思う。かく言う我が家もそうだ。フードロスをなくすように、少しだけ考えながら冷蔵庫に何が残っていたっけ?という認知症クイズでもしながら買い物をしている。

レジで前に並んだご夫婦のカゴにはタラの切身や各種野菜、鍋の出汁などで満たされていた。180ml冷酒のガラス瓶も顔を出していた。お父さんは奥様の目の届かないところでスッとそれを野菜の下あたりに入れたのだろう、そう思うと何故か笑えた。我が家は気楽なカレーにしたのだった。これで二日間は大丈夫だから。自分達のカゴにもジャガイモの横に少しだけ値段の張るプレミアム缶ビールを隠しておいた。

暗い話題が多い昨今だ。ゆっくりやればいいね、と妻と話した。

沢山作って二日は生き延びる。ありがたい話だ。

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