日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

水風呂

シフトの都合上しばらく勤務に間の空いた妻は久々の仕事に疲れた様子だった。コロナもどこかに通り過ぎて彼女が務める児童館も忙しくなったという。お子様とその保護者さんにしてみると安全な遊び場が増えて嬉しい話だろう。

今日は沢山遊びに来たの、疲れた。

と言いながら妻は玄関に座り込んでしまった。こんな時には温泉だな、どうだい?と、しばらく前に初めて訪問した東京都大田区の黒いお湯の湧き出る天然温泉に妻を誘った。彼女にはその元気もなかったようだが、車に乗せて多摩川を越えた。前回同様にそこは500円のパラダイスだった。自分も電気風呂にサウナ、泡風呂を満喫した。サウナのあとは水風呂というパターンの方も多い。この冷たい水の湯舟は自分はどうも苦手で、これまで数回しか経験していない。冷たいのは最初の一瞬と知っても片足だけで縮こまる。今日もこれはパスした。

前回トライしなかった湯上がりの牛乳、美味しかろうと買い求めた。牛乳はあまり得意でないのでフルーツ牛乳とさせてもらった。帰宅してのビールが楽しみなので自分は一口のみだ。かなり甘いが牛乳のコクもあり、妻はああこんな味だったんだね、と懐かしがった。

悪いことにこの温泉銭湯の向かいに町中華のお店がある。生ビールジョッキや麻婆豆腐などの写真があり空いた硝子戸から実に良い香りがするのだ。これを見ないふりをして通り過ぎるのは常人には難しい。なによりも冷えたジョッキがとてつもない吸引力を持つのだ。

これは次回だな、その時は済まないけど奥さんに運転してもらいたいところだ。初心者マークがとれて間もない彼女は夜間運転を嫌がるが、水をむければ今日ばかりは湯上がりで疲れも取れたのか、次は運転するから、ここに行こう、と殊勝なことを言うのだった。なんだか500円で懐柔したようにも思える。

そこではたと思った。家内が慣れない夜間運転に挑むのなら自分も苦手な水風呂に入ろうと。苦手な事、避けていることを敢えてやると、もしかしたら何か次の事が見えてくるのではないか。正直行き詰まっている毎日に光が差すかもしれない。上手くいかないかもしれないがあえて火中の栗を拾う、という奴だ。冷水に入るのだから熱い栗にも耐えられよう。

前回入浴してひどく気に入ってしまった。手頃な天然温泉で色がついているところが嬉しい。次回は自分に試練をかけて、とおり向かいに在る町中華で冷えた生ビールだろう。

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