日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

父の日プレゼントで日本一周旅行

日本は島国。国土も小さい。地理でもずっとそう習ってきた。確かにユーラシア大陸アメリカ大陸も巨大だ。飛行機に何時間乗っても横断もままならない。かたや日本。欧州便に乗ると太平洋に出て踵を返して佐渡ヶ島の上空へ。30分もかからない。東南アジアからの帰国便では四国沖太平洋上を北上するが、すぐ左手には日本海も見えるではないか。たしかに、コンパクト。しかしそれで日本は本当に小さいのだろうか。

現実に47ある都道府県で、半世紀以上生きている自分でも、和歌山と九州6県、それに沖縄は一度も行ったことがない。未だ未訪問の土地がある。そんな訳で小さいかもしれないが、まだまだ自分には大きな国だな、と感じるのだ。

南北に長い国土のおかげか文化の違いを感じることは多い。よくある関東の味付けか、関西の味付か、という話題は尽きることもないし、使われている言葉もしかり。津軽の言葉と沖縄の言葉が同じ国にあるのだ。

食べ物の話になるとやはり好物の事を考えてしまう。ラーメンだ。映画「男はつらいよ」の中で、久々の帰郷を歓迎してくれた家族に対して、ちょっとした感情のボタンの掛け違いでやさぐれて、再びあてもない旅へ向けて飛び出してしまう寅さん。彼がそんなとき上野駅の安食堂で背中を丸め最終夜行列車の出発時刻を気にしながら食べているのがラーメン。そのラーメンが自分の理想。勿論映画のラーメンは食べられないが、見ればわかる。醤油スープに黄色い麺。シナチクとネギ、細切りのナルトに一片の焼き豚。支那ソバというやつだ。

そんなラーメンも「ご当地モノ」が市民権を得るようになって久しい。北海道から九州まで、支那そば以外にも美味しいラーメンばかりだ。出汁が違い、かえしも違い、麺も具も。色々に咲き乱れている。多様な味を探訪するのも楽しい。

そんな全国のラーメンに想いを馳せていたら、なんと、宅急便が来た。差出人は娘。少し早いが父の日プレゼントとの申し書きも添えられていた。何かと開けると、「ラーメンご当地紀行」と書かれた箱で、中には12袋のラーメンが入っていた。北海道から九州まで、東西南北、ほぼカバー。ラーメン好きを知っているな、我が娘。お見事!

本人曰く、少し前に行われた会社の「親善ゴルフ大会の景品」だという。なるほどな、景品を送ってくるとは、なかなか、貴女もやるな。

しかし会社のゴルフコンペでこれだけの商品を貰うというと、結構な上位スコアなのか、レディース・ドラコンなのか。いや、アイツとは何度もラウンドしているぞ・・ラフを耕しファーの連発。知っているよ、自分の運動神経を引き継いでいるのだから、上位スコアもドラコンもあるまい。ブービーが妥当なところか。

まぁそれ以上は聞かないのだ。どんなスコアにせよ、娘が会社の一員として、出席は必ずしも必須でもないゴルフ大会に出て、上役などにも気を使いながらもプレイを楽しんでいるのなら、自分はなにも言うことはない。

さて、明日はどれを食べましょうか。札幌もあるし高山もあるぞ。尾道もいいな。おっと博多か。それぞれのラーメンによっては具も工夫せねばなるまい。頭の中が愉快な夢想で膨らんでくるよ。そう、楽しんで食べればいつしか日本は津々浦々へ。父の日プレゼントで日本一周旅行とは、わるくないぞ。ありがとう。

そうだ、今のうちから注文を付けておこうか。来年のコンペで、また景品を得て送ってください。今度は世界一周したいんだよ。頼みますよ。

北海道から九州まで、ずらりと並んだ日本の味。これで自分は日本一周旅行です。