日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

35年間の相棒、愛すべき旅の家たち

梅雨入り前のひと時は湿気もさほどなく好い天気ですね。いや、しかし暑い位です。

キャンプ、35年以上やっています。始まりはバイクキャンプ。バイクは力持ちなので大き目のテントを200㏄のオフロードバイクに積んでは林道ツーリング。名もなき林道の片隅で、ある時は流木豊富な河原で、ある時は海岸の砂浜で、季節を問わずに泊まりました。

登山に軸足がすぐに変わりました。こちらは人力の旅ですのでソロテントが欲しくなります。当時の最軽量を登山道具店で購入。南アルプス中央アルプス、八ケ岳、奥秩父奥多摩、丹沢、谷川山系、数えられない程の縦走のお供でした。しかしテントは進化します。20年も経つとさらに小さく軽くなったソロテントが出ました。同時に体力も低下しました。加えてこの頃からようやく北アルプスが行動視野に入った事もあり、新たに購入。登り残していた南アルプスに加え北アルプス、奥利根、東北・飯豊・・。これ以上軽いものは、ツェルトしかありません。

初代テントはモンベルのムーンライトIII。今でもカタログに載っているロングラン商品です。四隅の金属棒をジュラルミンのポールに挿入し、その骨組みにテントを吊り上げてフライシートをかけるだけ。前室はオプションでした。「月明りでも建てられる簡単なテント」それが商品コンセプトだったと思いますが、まさにその通りでした。バイクキャンプに長く使いましたが、無謀にも登山にも使いました。木曽駒ヶ岳や奥秩父など。この中で家族4人でオイルサーディンでしたが、それも楽しいファミリー登山でした。また友人との白馬縦走は、幕営用具をシェアすることでこのでかいテントを担ぎました。まぁ若かったのでしょう。第一線をひいてからはもっぱら登山口での幕営にサーブしてくれています。

二代目三代目はいずれもアライテントの商品。エアライズとトレックライズ。テント生地の袋縫いスリーヴににジュラルミンポールをさしこんで一気に左右二本を生地の端のハトメ穴に差し込むだけ。そしてフライを被せる。よく考えられた商品です。前室も必要最低限。風にも強い山屋の為のテントです。もっとも両者の重量差は数百グラムもないのです。どちらを選ぶかは縦走路の厳しさ、高低差、それに気分という事でしょう。フライが赤いエアライズはアゲアゲ気分に、オリーブドラブのトレックライズは自然に溶け込む気分です。

テントの夕べ。テント泊は目的ではなく旅の手段。そしてテントは旅の一道具に過ぎません。全てを担いで歩く縦走登山ですから凝ったものは論外です。が、ストーブ一台で食べるフリーズドライでもラーメンでも十分美味しいのです。なによりも空気と風景が良く、そこまで歩き切った充実感が加わります。缶ビール片手に食べて、ウィスキーをちびちびやります。いつしか天空は黒いドームになり、星明りだけです。ランタンなど持ってくる余裕もなくヘツデンのみです。それすら野暮なので消してしまいます。少し寒くなります。シュラフに身を滑り込ませて、テントのジッパーを締めます。… そんな静謐なキャンプは素敵ですね。

さて初代テント、ムーンライトIIIを玄関に広げました。ポールに通っているゴムも伸び切っています。焚火で穴も空きました。まぁそれぞれ修繕しています。可愛いもので「やぁ、元気だったかい」となるわけです。そこで少し虫干ししてやろうとおもうのです。ちょとカビくさいのか、駄犬君も余り嬉しそうではありません。そこで消臭スプレーをかけまくりますが、さてどれほどの効果あるのか。そうそう、残りの二軒も、干してやろう。

見ているだけで旅心。テントはまさに旅の家。自由で、安全な一夜をくれる。すてきな旅の相棒です。さてと、、、。山旅ですね!

うう、このテントはかび臭いな!ここで寝るの?・・・スミマセン

モンベルのロゴといえば自分にはこちらがピンときますね。

八甲田では山スキーのベースキャンプになってくれました。エアライズ。

辛い飯豊縦走は最軽量のトレックライズで。北股岳が素晴らしい。門内岳テント場にて