日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

脳腫瘍・悪性リンパ腫治療記(22)「血液内科にて化学療法(5)」クール1 長い一週間

(1)火曜日

● メソトレキセート投与
各クール1週目の2日目は細胞分裂抑制剤であるメソトレキセートの点滴となる。今回の治療の一番のキープレイヤーだと、ドクターは言われる。脳への薬剤は血液脳関門のためになかなか効果がないといわれるなか、この薬を大量に急速点滴静注投与することで血液脳関門を透過し,脳内へ直接侵入するという説明であった。一方での正常細胞を救済するために解毒剤であるロイコボリン投与により正常細胞を救済することが可能とされている。とにかくその関門を突破してがん細胞の分裂もしっかり抑制してほしい。今の自分には期待しかない。しかし副作用を増長するといわれる薬剤も多い。それらの例として沈痛解熱剤ではロキソプロフェン系が忌避されアセトアミノフェン剤のカロナールが用いられた。腰痛の湿布も同様。ロキソニン湿布ではなくケトプロフェン湿布になった。

●ビンクリシチン投与
メソトレキセート点滴が終わると引き続きビンクリシチン(オンコビン)の点滴に移行する。いかにも俺は活躍するよ、と言っていたかのような、2パックに分かれたメソキソトレート点滴役に比べ、ずっと小ぶりな袋、それがビンクリシチンだった。これも細胞の分裂を抑制するという。頼むよ、それしか言えない。この薬は印象に薄かった。メソキソトレートと同日に点滴されることもあり、また副作用も感じることはなかった。少なくとも、第1クールでは。


(2)水~金曜日

●プロカルバジン内服

メソキソトレートの解毒、非酸性化のために大量に投与されるゾルデムとメイロンのお陰で大量に尿が出る。それを定期的に看護師さんは尿パックから採取して成分を図っている。ありがたい話だ。水曜から金曜はソルデム・メイロンの点滴以外は点滴はない。これらのお陰で金曜日の夜中には尿の値は正常値に戻るようだった。火曜日の点滴で金曜まで。この4日間が長い導尿間とのお付き合いなのだ。

これら抗がん剤の投与とその後始末に加え、奇数クールには錠剤の服用があった。プロカルバジンだ。点滴ではなく錠剤なので飲むだけ。しかしその内服は自分にとっては投与後に若干の疲労感をもたらした。ドクターによると、同薬は欧米では毎回のクールに用いられるという事だった。欧米人よりは体格の小さな日本人であっても、それなりに強い薬なのだろう、と考えた。

とにかく何がどうで、どう作用するのか、など、入院中は考えもしなかった。ドクターの処方を信用し、言われるままに対応していく。それだけだった。

投薬漬けの一週間が終わる。導尿管、様々な薬。なかなか大変な、長い一週間だった。来週は投薬はなく、体の回復。軽いモラトリアムを経て、第2クールが待っている。