日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

脳腫瘍・悪性リンパ腫治療記(21)「血液内科にて化学療法(4)」クール1 月曜日 がむしゃらに臨む

いよいよ5クールのあるうちの第1クールが始まった。

奇数クールは抗がん剤が偶数クールよりも1種類多い。だから初回から、フルコースだ。まず第1週は月曜から金曜までが投薬フェーズ。第2週は体調の回復に充当されている。この2週間で、第1クールが終わるのだった。

まずは第1クールの初日。ただ、言われるまま全てを受けるのみだ。それが奏功すると信じている。

●リツキシマブ投与

いよいよ抗がん剤の点滴が始まる。R-MPVのレシピにのっとり初日(月曜日)は分子標的治療薬・リツキシマブの投与だ。リツキシマブの点滴前に抗アレルギー剤を先に点滴するのだがこれが激しい眠気をさそう。これまでの体の疲れもあり、一気に深く眠れる。しかしそれは数時間の話だ。看護師は抗アレルギー剤の点滴が終わると少し間をおいてリツキシマブへと進む。この薬は厳格な導入速度の管理が必要なようで、点滴には流量コントロールのためのポンプ装置を点滴管の間に挿入した。と同時にオンラインで値を記録する酸素濃度系が指に挟まれた。

夕方にはすべての点滴は終了するが、その日の22時から、明日のメソトレキセートに向けての点滴が始まるという。メソトレキセート投与後は尿を大量に出すことと、その尿の成分をしっかり管理することが必要となるという。夕食前にはそのための準備があった。導尿間の挿入であった。

● 導尿管挿入
翌日から始まる第2ステップのメソトレキセートの点滴投与直後に始まる解毒剤(ロイコボリン)、血液の酸性化を抑えるためのメイロンの点滴、そしてとにかく尿を出していくためのソルデム(水分・電解質補給)の点滴に備えるという。とにかく、ひたすら尿を出すのだ。

3週間前の脳外科での手術でも当然導尿管のお世話になってはいるが、それは麻酔による無意識化での挿入だった。意識のあるうちに尿道に管を挿入されるのは初めての経験だった。神妙に下半身をさらし、ドクターの言われる通り腹式呼吸をする。それに合わせてドクターは一気に管を挿入してきた。巧い。見事としか言えない。

尿こぼれを危惧して、ここからもオムツの生活が始まる。あっという間に導尿管につながったプラスチックの袋の中に自分の尿が溜まっていく。人は膀胱に20から30㏄尿が溜まるとそれを尿意として感じるという。無意識の尿が、意図せずにプラスチック袋に流れ込んでいく。導尿カテーテル挿入後の膀胱の違和感は1時間もすれば感じなくなった。

リツキシマブの点滴による吐き気などは特に感じることはなかった。これが初めて抗がん剤ではあったが、抗がん剤という単語から想像されるステレオタイプな副反応は感じられない。少し安心する。

きちんと何がどのような役割を持つのか、どう作用するのか、知りたいし興味もあった。そんな素人の質問に対してドクターはまじめに,わかりやすく答えてくれた。インフォームド・コンセントでもあろう。専門用語で煙をまく、という医療は遠い昔のことになったのだと、そんなことを漠然と感じるのだった。

さて、明日からはR-MPV治療の要となるメソトレキセートの投薬だ・・なんでも、受けます。ガンガン、体内に入って、全てを退治してください。

f:id:Gonta7LKF3:20220314232100j:plain

5クール10週間におよぶ長い日々が始まった。