日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

刺激に満ちた未知の世界 - 額装

断捨離ではありませんが、私も家内も、少しづつ身の回りを整理し始めています。

フランスに住んでいたころに家内が凝っていた刺繍が押し入れから沢山出てきました。まずは布に刺繍を施して、裏側に中綿を敷いて少し膨らませて、最終的にはそれを額に収める、額装するわけです。家内が作った刺繍の多くはすでに綺麗に額装してあり、家の壁に飾られています。山の好きな自分にも山道具の素敵な刺繍を作り額装してくれました。これは北岳を描いた甲府盆地の絵とともに自分の部屋に飾っています。

身辺整理していくと、いくつかの、額装前の刺繍が出てきたのです。「折角だから額装しようよ。」

額縁屋さんを探したら、近場に一見見つけました。即行動です。

額装の店、家内が通っていたのはベルサイユのマルシェの傍でした。自分も何度か行きましたが、額縁とその周辺材料だけでこんな大きな店があるのか、驚くほどで、しかもお客様も多かったのです。そこはカルトナージュも扱っていたこともあるのでしょう。

今日の店はあれほど大きな店ではありませんが、やはり蛇の道は蛇。かなりマニアックな店でした。敷居が高いわけではなく、好きな人ならお店の中から色々なものを見つける事が出来る、そんな店でした。

そこで家内は作りかけの刺繍にあう額縁を選びます。長い髪を束ねた男性の店主さんが対応してくれました。色、額に施された装飾模様、表面塗装処理、幅・・・、家内はようやく気に入るものを見つけたようです。材質はアルダー。思わず「俺のベースギターと同じ材質だな・・」と呟くと、店主さんは我が意を得たり、といった感じで、「ギターと同じですね」、と笑ってくれました。

そうか、額縁はオーダーメイドなんだな。店主さんによると刺繍などは一品ごとに大きさが違うので都度作るそうです。家内は、フランスでも額縁は一品物を作って貰ていた、という事。そんな素敵な趣味を楽しんでいたとはあまり気が付かなったのです。。迂闊でした。知っていれば自分も楽しんだことでしょう。

趣味の世界。全く色々な世界があるものです。自分の知らない世界を精通している店主さんは、額縁の設計図をさらりと書いて、控えとして渡してくれました。今回の額縁は材を取り寄せるという事で、納期は2か月という事です。2か月後に裏板まで組みあがった素敵な額縁が出来る事でしょう。

家内はなんだかやる気で、「実はまだ着手してないのがいくつかあるんだよね」と言います。まだまだ幾つかの刺繍をやっていくのだね。・・・大賛成です。家内が何かに熱中してくれると、嬉しいな。また、何度でも行きましょう。

自分の知らない世界は刺激に満ちています。刺繍して額装か。凄いな。自分は刺繍は出来ないけど何か描いて額装もあるな・・・ふふふ、素敵な額縁ね。

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一枚の刺繍に中綿を挟みオーダーメイドの額縁に嵌め込む。楽しい趣味ですね。額のバリエーションが専門店には沢山ありました。

 

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家内が作ってくれた額装された山道具の刺繍。一本締めのザック、登山靴はノルウェイジャン製法のクラシカルな靴。木のスキー板はテレマーク締め具、もとい、カンダハーの締め具です。時々埃を払いながら、これを見ながら山の事を考えるのです。