日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

追憶の百名山を描く・五竜岳

●始めに: 

日本百名山深田久弥氏が選んだ百の名峰。山岳文学としても素晴らしい書ですが、著者の意とは反して、このハントがブームになって久しいです。自分は特に完登は目指していませんがただ良い指標になるので自分で登れる範囲で登っています。またこのうちで自分で登れる範囲はテレマークスキーで登っています。この深田百名山、登れる範囲をどこかで終えたら、あとは自分の好きな山を加えて自分の中での百名山にしたい、その程度に思っています。

自分が登った懐かしい百名山を絵に描いて振り返ってみたい、そんな風に最近思うのです。いずれの山も、素晴らしい登頂の記憶しかありません。時間をかけて筆を動かす事で、その山行での苦しみや歓び、感動を、まるで絵を書くようにゆっくりと思い出すのではないか、そんな気がするのです。追憶の山との再会です。

五竜岳 (2818m 富山県黒部市・長野県大町市
五竜岳を初めて見たのはガイドブックの写真だっただろう。それは今思えば唐松岳辺りから撮影した「よくあるアングル」だった。なるほど、ゴツゴツしているな。肩の張りが半端ないな。こういう山は苦手だな・・。それが第一印象だった。

ある年の夏、事もあろうに五竜岳を目指した。実際に八方尾根を辿りながら高度を上げると左手に異様にゴツゴツした巨峰が威風堂々と出現したのだった。「嘘だろう?あれ・・」
しかし稜線に出て唐松岳から五竜岳を見て「唸った」。それは岩の巨大なカタマリ。何かの拍子に地表が突然怒り狂い、好き放題に、エネルギーの為すがままに隆起したに違いない。

唐松山荘のテント場は稜線を黒部川に向けてぐんぐん下がる。早いもの順に上から埋まるのは道理で自分は真ん中ほどの猫額の地にテントを張った。夕方に沈む対面の剣岳は岩の殿堂。峻険な山が夕日に消えるが、左手には異様に大きな存在を感じるのだった。明日あれに、果たして登れるのだろうか。不安と緊張が疲労に加わり、なかなか寝付けないテントの夜だった・・。(2016年8月・歩く)

山行記録はこちら。http://www.asahi-net.or.jp/~yw7y-zs/2016goryudake.html

(2016年8月・歩く)

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遥かなり、岩の塊、五竜岳。明日あの山頂に無事立てるのか?