日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

寒い朝

躊躇するものです。せめて空気が緩んでから、陽射しに力が入ってから、外に出たいものです。それが「寒い朝」。

しかしちょっと我慢して、着こんでから外に出ます。鼻腔に寒気が入り込み気道を通じ体の中に一本芯が通ります。中から冷えると人間は弱い。だから少し大掛かりに体を動かすと、体内も温まってきました。人間の暖機運転もなかなか大変です。

犬の方は余り暖機運転も必要ないようです。一度の胴震いで彼は散歩オッケーとなり僕を見上げるのです。見慣れた朝の散歩道。最近家の建て替えが進む近所の風景、秋にさら地となった場所へと犬はリードを引っ張ってくれました。土が露出しており霜柱も数センチ。子供の頃はそれをサクサク踏み抜くのが楽しみでした。しかし年を経た僕も今でもやります。他人の敷地ですのでさわりだけ。・・楽しいものです。

と、目の前に、小さな鳥が羽と尾を元気よく軽く上下しながら歩いています。つがいでしょうか、二羽。時々低空飛行して場所を移します。

・・・ねぇ、空を飛ぶと冬のこの尖った空気が痛くないのかい?

返事はありません。ただ着地後も跳ねるように歩き回るその様から、答えは「NO」のようです。

白と黒の小さな可愛らしい野鳥です。犬は鳥には容赦がなく、リードをぐいぐい引っ張りますが相手は数枚も上手。彼が近づく前にさっと飛んで消えていきました。

冷気の中でもしっかり「生」はあります。今朝もう1時間寝坊したならこの鳥には出会えなかったかもしれません。一日の初めから、何かいいことがありそうな気がします。

躊躇するものです。せめて空気が緩んでから、陽射しに力が入ってから、外に出たいものです。しかし、一瞬の覚悟の後に早めに外に出たなら、幸せを貰えるかもしれません。・・・それも「寒い朝」。

(2021年1月9日・記)

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・野鳥を写真に収め調べてみました。・・ハクセキレイか。雀の仲間という事です。私の住む街にも神社はあるし谷地・谷戸地形にはちょっとした里山保護地区もあります。何処から飛んできて何処に帰るのか。住宅撤去のさら地で、今日は良いエサがあったのかな。少しだけ思いを馳せますね。