2026-06-01から1ヶ月間の記事一覧
散歩をしていた。 いつもならヘッドフォンをする。最近はワイヤレスで耳の穴に入れるだけの製品も多い。しかし、片方を失くさないのかと僕は心配だ。ブルートゥースのワイヤレスでも、左右が繋がっているものを使う。無くさないだろうから。 しかし意外に電…
外出していた僕はアクセルを必要以上に踏んでいた。台風の後引きか、まだ雨が霧のように舞い、路面が濡れている。教習所で学んだハイドロプレーニング現象を思い出した。フルタイム四駆とはいえせいぜい800キロにも満たない軽量な黄色ナンバーの自動車。使い…
八王子。 僕にとってそこは聖地だ。 ユーミンがここで生まれたから。彼女は荒井由実として世に出て、四枚のアルバムを残した。今や松任谷由実でもあり、単にユーミン。それほど国民に親しまれている。彼女が紅白歌合戦に出演したことはとても意外だったけれ…
僕は髪が伸びるのが好きではない。髪の毛が耳にかかったら不愉快になる。子供の頃に父親に連れられていった床屋。たぶん前髪を切ったのだろう。光るハサミが怖く、泣き叫んだのは覚えている。なんと注文をして切ってもらっていたのか。まぁ適当に短く? そう…
山に登る。いろいろな方がいるだろう。山頂でアマチュア無線をする方もいるし、スケッチをする人もいるだろう。 それぞれの登山のカタチ。各人各様、言うこともない。 しかし、山に登る以上、誰もが胸にバイブルを持っていると信じる。つまりは山岳図書。新…
僕はマニアではない。クラシック音楽に詳しい方は実に詳しい。多分録音データであり、演奏時間であり、それらが頭に残っているのだろう。その意味では全く足下に及ばない。ただ気に入っている曲を、これだと思う指揮者とオケで聞く事だろう。あるいは好きな…
好きな数字。これは何にも意味が無い。血液型と同じくらい、意味のない話題。しかし中国人が八という数字を大切にしていることはよく知られている。末広がりだからだろうか。そんな解説は何処かで聞いた。七は幸運なのか?わからない。 恥ずかしながら、僕に…
獲得と喪失はペアかもしれぬ。ギブアンドテイクに近いか。 不安だった。ハコの音楽が止まり、一瞬の静かさが来るのなら、そう、時が来たならば。腹もすわる。そして気づく。僕はこの時を楽しみにしていたと。それはせいぜい三十分から一時間で終わってしまう…
SNSから離れて暮らすことは出来なくなってきた。友人同士の連絡も、簡単な日々の話も、全てそんなネットワークだ。 手頃だし、相手がその投稿を読んだかどうかもわかる。まあ、それに伴う弊害もあるかもしれない。「既読スルー」「ライン外し」。何にでも良…
敵の大艦隊、沖縄沖に……。 海軍航空隊は鹿屋、陸軍航空隊は知覧。空を飛べる飛行機ならば旧式でも、何でもよい。爆弾を腹に抱いて両の基地から飛び立った銀翼たちは、こぞって開聞岳の上にエンジンの排気煙を伸ばしたのだろう。後はスロットル全開で敵艦に突…
フランス。お洒落で憧れ。まぁそんなイメージ。その国の有名な製品はあるだろうか? 工業国という印象はない。実際そこは広大な農地が広がる農業国だった。ミレーの絵画を見ればわかる。晩鐘にせよ、種まく人にせよ。自分は五年間近くそんな国で過ごすことが…
魚料理が美味しいと思ったことはなかった。刺身は生臭い。焼いても煮ても小骨が多くて。 親は古い価値観の持ち主であり、肉より魚、と言い、なにかと魚を焼いて煮ていた。 小骨が喉に引っ掛かるのだから多分鯵かイワシだったのだろう。まあ大衆魚。 立原正秋…
おかしいなあ、机の中もカバンの中も探したのに、見つからない。 いつからだろう、多分四十の後半から。近くのものが見えにくくなった。しかし視力はずっと1.5。簡単に言えば老眼。 老眼鏡を作った。眼鏡店で。僕の初メガネは老眼鏡。なんだか嬉しい。妙にメ…
小澤征爾と村上春樹の対談集の本を借りようとしていた。たまたま台の上に置いてあった。芥川賞受賞作、と図書館の手によってテープが張られていた。 「新潮文庫の百冊」を読むことが中学生時代の自分の目標だったか。たくさん読んだわけでもない。百冊は多く…
シカゴ。確かに、そこは自分にはソウル・ブルースミュージックとクラシック音楽の街。シアーズタワーも見たことはない。ただ、中継地点。太平洋を越えてアメリカ中部へ。そこは中部時間・セントラルタイムの世界。時計を戻す。人種のるつぼ。 入国審査の長さ…
シカゴ。多分アメリカで二番目に大きな町。幾つもの映画にも登場するし、高架鉄橋を走る地下鉄もスクリーンでは馴染みの風景。街は・・。実はこの街には行ったことがない。が空港には嫌になるほど行った。そして、この街の音楽だけは、日々聞いている。マデ…
えーと、生4つね。枝豆と、焼き鳥を盛り合わせでね。しめ鯖、冷奴と卵焼きね。まあ、まずはそんなところで。え? タレと塩、半々で。 あー、お疲れさま。カンパーイ。 とまあ、そこは神田でも新橋でもいい。赤提灯をガラリと開けたわけだ。 しかし今日の部…
ぶううん、と低い音。あ、来たな、今日は西からか。僕はカメラを手にして慌ててウッドデッキに出る。音が聞こえてから飛び出しては遅い。300ミリレンズのオートフォーカスが合う前に、機は飛び去ってしまった。しかし僕は知っている。必ずもう一機来ると。 …
つばめ。漢字では燕。かつての国鉄の特急列車。東京と大阪の間を走っていたはずだ。僕の時代にはもうそれはひかりとこだま。のぞみはまだ走っていなかった。 確か蒸気機関車のC62の2号機には車体にツバメの絵が描かれていた。たぶんそれは京都の梅小路機関区…
●まえがき シニアとは何歳からなのだろう。 シニア割の切符を手にそんなことを考えていた。スクリーン正面。トム・クルーズの映画だった。 断崖絶壁からバイクで空へ飛び上がる。ああ、ちびりそうだった。 もちろんシニア割で入場したからではない。ビールと…
●まえがき ふと昔の光景を思い出すことはないだろうか。夕方、どこかで聞いた「遠い山に火は落ちて」のように。 僕は音楽を聴いていた。ふた昔以上、夢中になっていた音楽。いつしか新しいものに惹かれて離れていたのに、ランダム再生のヘッドフォンから、ふ…
● 前書き シニアの自分など想像できなかった。子供の頃は、単にオジイチャン。学生の頃は、年寄り。人生のお釣りで生きている人達。 しかし段々と影が忍び寄る。そして今、僕は会社生活も終えて、まさにお釣りが目の前に転がってしまった。シニアという名の…
地下道の出口。何処がいいか迷う。昔はこんな地下の道はないから、わかるわけもない。 地図を見た。ますます分からぬ。頭のなかの地図と合致しない。 唸った。そして分かった。そうだったのか。でも何故?どう考えてそうしたのか?と思う。 上が南だったのだ…
あれは十二歳の時だった。名古屋のホテルにいた。小学校を卒業して、父の次の任地である広島市へ家族で移動していた。何故かわからぬが、名古屋で一泊したのだった。ホテルのロビーの椅子だったか。 「ほら、野村監督がいるよ」 そう父は言う。そして僕は被…
法律には書かれていないもの。しかし誰もが不文律のように従うもの。それがマナーだろう。ただ、その不文律も国や民族によって異なるように思う。 最近よくネットで目にする記事。日本に来た外国人が驚くこと。第一は社会の規律か。だれもが駅のホームでおと…
鉄道も高速バスも早々と運転停止のアナウンス。線状降水帯という、ここ数年で知った五文字の漢字がテレビやモニターに流れる。今度は大変だぞ。でもさ、たいしたことはないよ、とも思ったりする。 台風。子供の頃は何故かワクワクした。まだ、凶器のような降…
♪ 便所の涼しい風 スカート ひぃら ひぃら ○○ちゃん、パンツぅ、丸見え そんな唄があった。もちろん替え歌。昭和40年代。横浜市旭区の、ある小学校の話。 男子は誰もが唄っていた。○○の中には好きな女の子の名前を入れていた。僕は、アキコちゃんだった。つ…
床屋。一通り髪の毛をカットしたら椅子を倒し、口の部分を空けて顔に蒸しタオル。そしてその間、理容師はなめし革で剃刀の刃をこする。行ったり、来たり。その音と蒸しタオルの温かさは眠気を呼ぶことだ。 タオルが取れると、ぼんやりと理容師の顔。寝ていた…
あれは松尾芭蕉だったか井原西鶴だったか、定かではない。ずっと『日本永代蔵』だと思っていたら、どうやら『奥の細道』のようだった。 月日は百代の過客にて――。 あったな、その一文。芭蕉か。 時は永遠に流れ、月日もまた同様に。そんな意味だったと思う。…
それは宅急便で予告なく届いた。 あ、来たか。とうとう。本来ならば、万歳だろう。いや僕はバンザイは唱えたくない。。バンザイ突撃を思い出すのだ。圧倒的な火力を前にバンザイと言って捨て身で飛び散っていった昭和の日本人たちが浮かぶから。僕にはそれは…