日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

私のベーグル

友から手作りしたベーグルを頂いた。とても美味しい。簡単だよ、と友は言う。トライしないわけにはいかない。

ネットには様々なレシピがある。最も楽そうなレシピを選んだ。生地作り、一次発酵、形作り、二次発酵、茹で上げ、焼き上げ。そんなステップと知った。材料はイースト菌以外は全てある。それを買い求める。が、なかなか着手出来なかった。怖かったのだろう。

妻はパンやケーキ作りが趣味だった。過去形にしたのはもう十年もそれを食べた記憶がないからだろう。しかし娘たちが高校生辺りになるまでは良く作っていた。それを受けて彼女たちも又クッキーを焼いていた。僕はただ、食べるだけだった。

本当に作れるのだろうか。物は試しとやってみた。レシピ通りにやったつもりだった。強力粉の入ったボウルに所定の砂糖とイースト菌を入れた。水と塩を加えて後は泥んこ遊びの要領で揉み込んでいく。ピザ生地作りと同じ要領に思えた。練りに練って棒状にしてドーナツの様にした。端が上手くつながらない。二次発酵はオーブンレンジに発酵ボタンがある。だいぶ膨らんだ。あとはオーブンで焼いた。

出てきたものを見て何とも言えない思いがした。どうみてもベーグルではない。スコーンにも見える。しかしその四個のカタマリは不思議な喜びを自分に与えてくれた。見てくれは悪いが匂いは食べ物だった。味も良かった。もっちり具合も友のベーグルに少しだけ近い。この少しだけという言葉を外すのは大変なのだろう。家内は「固い」という。

なんにせよ一回目だった。妻は他のレシピを探していた。全く違ったレシピがあり今度はそれでやろう、と話をした。こんな料理があってこそ二人は笑い、共に首をかしげる。下手くそなベーグルもあながち悪いものではない。

残念ながら強力粉は終わってしまった。第二戦はまた少し後になるだろう。とりあえずは二人して「もうベーグルは見たくない」というところまで作り込もうではないか。自分のベーグル第一号はそんな意味で成功作だったのだろう。

焼きあがった四個。見栄えの悪さに驚いた。が風味そして味もある程度納得できた。ともあれ第一作。飽きるほどにトライしてみよう。