日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

盗撮者と釣り人

コロナとの共生も進んできた。それを受け海外旅行に行く人もいるだろう。とはいえ夜中に50万円程度の海外旅行のツアーをカードで購入する人はまれだろう。

ネットで物を買う事が当たり前になってきた今のご時世、一体何を買ったのか忘れてしまう事もある。仕方ないからショッピングサイトにアクセスして購入履歴を手繰り寄せる。ああ、こんなもの買ったのだなと思い出す。何を買ったかは忘れても購入実績を見る事で思い出す訳だ。まあ無駄な買い物もしているが、購買欲を満たすことは人間としては避けられないのかもしれない。

クレジットカードを最初に持ったのは社会人になってからだからもう40年近く古い話だ。当時はカードで払う際にはスリップにサインをした。カードの裏のサインとそれを店員さんはしっかり確認していた。ここ10年来だろうか、カードは端末に差し込んで直ぐに精算できるようになった。差し込んだままで支払い完了になるのもあれば、端末にタッチさせて完了なものもある。一方で端末に刺して暗証番号を入れて初めてカードを照合し完了する端末もある。前者二つのセキュリティはどうなっているのだろう。善意の取得物のカードを悪意を持って使っても何の問題なく使えるような気がする。交通系ICカードも同様だ。もちろん落とし主がクローズさせていれば問題ないだろうが。

もう25年ほど前にアメリカでスキミング被害に遭った。帰国後に届いたカード会社の明細を見て首を傾げた。500ドル程度の身に覚えのない買い物をしたことになっている日はホテルのチェックアウト日だった。ホテルでのカード会計時にスキミングに遭ったとしか思えなかった。それはラマダインやコンフォートインといった出張でお馴染みのモーテル形式のホテルではなくヒルトンやマリオット級のホテルだったので驚いた。従業員が巧妙にスキミングしたとしか思えなかった。アメリカでの支払いの主力手段でのカードでこれか。すぐにカード会社にクレームして支払いは無効になった。

「カードの使用歴に疑義あり、連絡乞う」そんなカード会社を名乗るショートメールが妻あてに届いた。このメール、本物か?まず最初にフィッシングを疑った。カード会社に連絡すると世界規模の通販サイトで夜中に海外旅行ツアーを50万円で買ったという履歴、そして大手ハンバーガー店での購入履歴が残っていることを伝えられた。そのどちらも事実ではなく、カードを止めて再発行してもらう手続きとした。

数日後には玄関に不在通知があった。上と同じ通販会社らの自分宛ての荷物だった。不在連絡通知は代引き9860円の荷物とあった。代引きなど使わない。通販サイトの購入履歴を確認した。やはりそんな注文は架空だった。フィッシングサイトは警戒しているので怪しげなメールやクリックはしないようにしている。しかし何処かで情報が釣り上げられたのかもしれなかった。

ネット社会からさらにIOTが言われる現在において、誰もがセキュリティには優先度を上げて対応しているはずだ。しかし結局はいたちごっこに過ぎないようだ。昔のような現金決済が一番確実で安全ではないのか?という退行的な気持ちになってしまう。

写真好きならもっと違うものを撮ればよい。釣り人ならば情報ではなくお魚だけを釣ってほしい。モノを送りたいのなら慈善団体に寄付すればよい。とりあえず何の影響もなくすり抜けた。これからも新手のトラップが沢山出るのだろう。結局は怪しい臭いをかぎ分ける自分のハナだろうか。偉そうに書くが大学生の時「消防署の「ほう」から来た者」に言われるままの高い消火器代を払ってしまった間抜け男なのだ。己の愚を知り、認知力の落ちていく老後に向けて今後さらに自戒すべきは、自分だろう。

スキミング、フィッシング、送り付け、訪問販売・・どれも「二度とお呼びではない」