旅する自転車「ランドナー」。ある時は前輪を外して車のリアペースに収め、ある時はフロントフォークごと外して輪行袋に入れそのまま鉄道に載せる。こうして我がランドナーは様々なところへ出かけてきた。「旅する自転車」なのだから仕方がない。しかしそのたびに小さな傷がフレームに着く。鉄のフロントフォークをフレームに重ね合わせるのだからなかなか避けようもないのだった。「傷も旅する自転車の、勲章だよ!」とうそぶいても、綺麗だった自転車がだんだん傷ついていくのはいささか寂しい。
もちろん輪行袋に入れる際は鉄どうしがこすれあわないように、ボロ布や新聞紙を間に挟んだりもする。しかし、簡単に外れたりして、蓋を開ければそんな努力も水泡に帰していることも多い。
傷はタッチアップペイントで補修はするが、まあ出来れば避けたい。そんなことで、フレームカバーを付けてみようと考える。輪行の際にフレームにカバーをして、ある程度確実に、傷を避けようというものだ。輪行袋を作っているメーカーからフレームカバーセットも販売されているが、結構な値段だ。
こんなものに千円以上も払いたくはない。簡単なものを作ってみるか。と100円ショップを覗いた。アルミ保温シート、それにマジックテープがあれば簡単に作れそうだった。
実際にそれは工作とは言えないレベルのものだった。トップチューブの長さとその外周をメジャーで計測し、長さは少し短め、外周はやや長めにアルミ保温シートをカットすればよいだけだ。そこにマジックテープを貼り付ける。
輪行袋に自転車を入れる際は、車をばらす前にまずはトップチューブにこれを巻いてしまおう。マジックテープだから簡単に装着できるのだ。
あとは抜いたフロントフォークをそのカバーの上に載るようにしてバンドで固定すれば終わりだ。多少こすれても間に挟んだアルミ保温シートが緩衝材になってくれよう。百円ショップですべてそろえたので200円しかからなかった。
なんでこんな簡単な工作をこれまでしなかったのか、やや後悔している。「傷もランドナーの勲章さ」というのは強がりで、できれば傷の無いフレームが良いなと思う。もう遅いけど、まあ許してほしい。
すまなかった。しかし次からはキミにつく傷も減ると思うよ。試してみて不具合があったら改修するから、安心してほしい。
え?「トップチューブだけでなく、ダウンチューブとシートチューブの保護カバーも作ってくれ!」だって。Wレバーもあるしボトルケージもついているし、ダウンチューブはね、少し面倒くさいのよ。ゆっくり、やらせてね。
小さなことでも、自己流でやれることをやるというのは、楽しいものだ。