日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

娘からの挑戦状

入院中の話・・。

「父親よ、あーた入院で頭ボケてんじゃないの?活性化せよ。」と言わんばかりに長女から挑戦状が来た。

この娘とは、自分が山登りをしつけた?おかげか、山登りは苦にせず、これまでも百名山を含むいくつかの山に一緒に登ったし、登りたいとも誘われた。また子供のころから叩き込んだスキーのお陰で昨年まで二人での毎冬のゲレンデスキーを共にしてきた。昨秋に彼女は結婚して、今年はスキーに行けなかったのが残念。

お題は簡単に言うと、「関東日帰り圏のゲレンデです。この写真を見てそのゲレンデ名をあてろ!」というかなり琴線に迫るモノだった。なんだコイツ、俺を試すのか? 容赦なく燃えますよ。

以下LINEのやりとり。(と自分の思考回路)

・娘の問い:「クイズ、何処でしょう?、父の山岳地理知識はわかってはいるが、こんな写真だけでわかるものかな? 日帰り可能距離です。」
・父の思考: うぬぬ、こいつめ。小癪な。よし全体的なエリアを1分で決めて、ゲレンデを30秒で決め落とすぞ。関東日帰り圏か、多いが、塩原はもっと山が深いしゲレンデが北西向きだから見えるのは会津の山。違う。フジテンではない。中央高速は日帰りだと車山エリアか。これも風景が全く違う。信越道は日帰りだと浅間2000か湯ノ丸。これも、浅間2000方面は北向き。湯ノ丸は西向き。違う。万座?とすると前方は北軽井沢の高原だ。これも違う。となるとやはり関越。この風景では新潟県(越後湯沢)には入っていない。沼田と水上の間と絞る。よし、これでほぼ見えた。(ちなみに一目で沼田・水上間とわかったが、念のために北から順にかもらさず頭の中でスィープした)
・父の答え:「ノルン水上」
・父の独り言:「せめてこの写真の撮影時刻と正面方位さえわかれば」(←今思うとそんな回答直結の事を言うわけない)、いやノルン水上、ちょっと違うかな。ゲレンデトップからの南の山がこんな風には見えないし、赤城山の位置が違う。」
・娘の答え:「凄い、こんな少しの情報でわかるのか!かなり近くだよ」
・父の問い:「あたりでしょ?」
・娘の答え:「惜しい」
・父の答え:「川場。玉原ではない」
・娘:「正解」
・父:「川場だな」
・娘:「本当にわかるんだね」「ビックリだよ」
・父: 「二の矢で正解とは!やられた。悔しい。川場はもう30年は行ってないからなぁ。(←苦しい言い訳) 俺はカルロス・ハスコック*には、なれなかったな。(あたりまえです)」

ここまで約4分のやりとり。1分30秒をはるかに超越。あかん。しかしスリル満点でスイフトなLINE会話。実に楽しませてくれた娘に感謝。

・・・娘との後日談。

・こんなの、ちょろい。山屋をなめたらあかんよ。(一の矢を外したくせに妙に偉そうな自分)
・ちなみに僕の敬愛する山仲間三名にはすぐにこの問題、シェアしたよ。彼らも速攻で答えた。一人はゲレンデを二の矢で当てた。一人はゲレンデから20年以上遠ざかっているのでゲレンデ名は浮かばぬも、一発でエリア(沼田―水上の間)を当てた。独りは、潔く兜を脱いだ。つまりスキーは昔よく行ったけど可愛い女の子のウェアしか見ていなかった(笑)ということだった。まぁ皆さん、こういうもんです。
・なるほど。
・今度は旦那いれて3人で行こうな、スキー場。

しかしこの写真、皆さんボーダーばかりですね。スキーヤーは居ないのか?知世ちゃんどうした? スキーで育った世代にとっては寂しいものです。(自分はもう20年前に、アルペンスキーからテレマークスキーに転身しましたが、マインドはスキーの人です)

脳外科手術と抗がん剤で、僕の頭がおかしくなっていないか、娘なりに心配してくれたのでしょうか? 娘からの挑戦状はワクワクし、かつありがたいものでした。こんな挑戦なら、いつでも・・。しかしお題の出し方が、嬉しいな。「流石、我が子」と唸りました。

早く退院して、又以前のように山にスキーに行きたいものだ・・。もうすぐ治療しているプログラムは半分終わる。先は長いな、しかし、必ずや終えて楽しむのです・・。

(2021年4月・記)

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*カルロス・ハスコック:ベトナム戦争時の米海兵隊トップスナイパー。彼の行動哲学とその徹底ぶりには凡人の世界の理解を超越していますが一撃必殺という点に於いて感銘は受けました。