日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

寝坊してしまったニワトリ

何時も美味しい玉子を生んでくれるニワトリ。卵料理はあまり食べませんが元気なニワトリは良い玉子を産んでくれますね。小学校の庭にも飼われていた記憶があります。朝早くから「鶏鳴一発、暁を告げる」。大きく鳴いて、一日の到来を告げてくれるとはありがたい話です。

職場の話です。地域の住民の為の職場には老若男女、様々な人がやってきます。部屋をそんな市民団体に貸し出すのも大切な仕事。ヨガ、軽い体操、子育てサークル、お母さんの会、クラシックギターアンサンブル・・。仕事の一環でそんな集いに顔を出し、場合によっては参加することも必要です。

ある日は、地域の「共に遊ぼうサークル」でした。心身に於いて少し発達の遅いお子様や障害をお持ちのお子様。彼らも自分と等しく歳を取るのです。そんな方々が一人であるいは親御さんと共に来訪されます。みんなで楽しく遊んで時を過ごすのです。

幹事さんをかって出ている職員さん。皆で話し合い、毎回の楽しみ方を決めて、準備をしてから臨みます。自分はそれに参加し、盛り上げる、いや、自分も楽しまさせて頂く。そんな職員さんが今回上げたテーマは、2題。絵を書いて何が何をしているのか、そして形態模写で自分が何をやっているのかをあててもらうもの。

僕のやったテーマは

・絵1題 - おばけを見て驚くゴリラ
・形態態模写2題 - メリーゴーランドで喜ぶ人、寝坊したにわとり

みんな喜んでくれるからこちらも全力投球。

絵の方は稚拙ですがわかってもらえました。自分の世代はお化けとはどうしてもQちゃんになるし、ゴリラは描くのが難しい。みんな一生懸命に考えてすぐに答えが出ました。

形態模写。こちらは自分の体・表情で表現するのですから想像力はフル稼働。頭が錆びかけている自分にもいいお題です。メリーゴーランドは簡単でした。階段を上る。何かにまたがって手を握る。そして回りながら上下する。ニコニコして。 これは一発で答えが出ました。

一方「寝坊したニワトリ」は難しかったな。丸くなって床に座ってコクリコクリ。そして、はっと動いてコケコッコー。声を出してはいけないので。なかなかの迫真の演技。・・・コケッコッコーと叫ぶときは口をとがらせて。声は出さないのです。お陰様で、この迫真の演技でもすぐに答えが飛んできました。

攻守逆転。今度は皆さんの番です。絵も形態模写も、みんな懸命です。大きな少年は飛行機に、内気そうな娘さんはバレリーナに。大きなお嬢さんは自分では絵を描かずお母さんが代わりです。その母親は、僕と同じ年頃でしょう。

楽しいひと時でしたが、少し寂しく、疲れたのです。しかしお子様も親もみんな前を向いているのです。現実の中に光を見つけて真っすぐに歩いているのです。また幹事の職員さんは、この集いをもっと広げていき、縦にも横にも大きな活動が出来て皆さんが喜んでもらえるようにしたい、そんな考えをお持ちなようです。そんな中で僕はなにか誰かの、役に立っているのだろうか、と考えます。

自分も前を向くことだよね。くよくよせずに先へ進む。その為には先のことは悲観的に考えずに現実を前向きに捉えること。あらゆる事に共感・感謝をすること。陳腐だと思っていたこんな言葉が胸にしみるようになったのです。

さて、こんなに喜んで頂けるのだから、明日はニワトリが寝坊してもいいではないですか。「鶏鳴一発、暁は去りし」。いつも時間厳守・一生懸命なのだから、たまにはお休みだよね。普段と違ったら皆驚くね。そして良い玉子をまた生んで、そこにはまた多くの笑顔がある事でしょう。

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