日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

追憶の百名山を描く(6)・八ケ岳

●始めに: 

日本百名山深田久弥氏が選んだ百の名峰。山岳文学としても素晴らしい書ですが、著者の意とは反して、このハントがブームになって久しいです。自分は特に完登は目指していませんがただ良い指標になるので自分で登れる範囲で登っています。またこのうちで自分で登れる範囲はテレマークスキーで登っています。この深田百名山、登れる範囲をどこかで終えたら、あとは自分の好きな山を加えて自分の中での百名山にしたい、その程度に思っています。

自分が登った懐かしい百名山を絵に描いて振り返ってみたい、そんな風に最近思うのです。いずれの山も、素晴らしい登頂の記憶しかありません。時間をかけて筆を動かす事で、その山行での苦しみや歓び、感動を、まるで絵を書くようにゆっくりと思い出すのではないか、そんな気がするのです。追憶の山との再会です。

・八ケ岳(赤岳) (2899m 山梨県北杜市、長野県茅野市 他)

八ケ岳。その昔、富士山と背比べをして八ケ岳のほうが高かったため富士山は立腹し八ケ岳の頭を殴り、八ケ岳の頭は八ツに割れて今に至る・・・。何処かで読んだ話です。その話はいささか抹香めいた話ではありますが山が信仰の対象であった以上、ありがちな話でしょうか。ゆえ、自分の信ずるもののほうが高いのだ、と。

森林と逍遥の北八ケ岳、岩稜とアルピニズムの南八ケ岳。南北で全く性格の異なる大きな一帯です。主峰赤岳はこれ以上薄く尖りようはない、といった具合に見えます。赤岳に自分が登ったのはもう20年以上前の話です。渋の湯から入り黒百合ヒュッテ、天狗岳。オーレン小屋でテントを張ろうと幕営装備で入山したのですが予報が悪化し雨となり途中の根石山荘に投宿。その日は確か何十年目かの自分の誕生日でした。横岳の鎖場を越え翌日の赤岳の威容を忘れることは今も出来ません。北八ケ岳はアイゼンを付けての入山や、麦草峠までのクロカンスキー山行なども楽しみました。森林の美しさが印象に残るエリアです。

南麓からの八ケ岳を描いてみました。森の教会は、頭の中の想像です。こんな風景があれば素敵だなという思い。しかし実際の南麓も夢のある素晴らしい地域です。

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空想の風景も混じるも、そんな空想をも許してくれる大きさが八ケ岳にはあるように思えます。