日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

フライパンで焼いたコレ、何風お好み焼きなのだろう?

全国の色々なB級グルメを紹介してくれるテレビ番組は多いですね。楽しいのでよく見ます。ある番組では「お好み焼き」特集でした。お好み焼きか‥食べたいな。

お好み焼きを初めて食べたのは多分幼稚園頃でしょうか、母親が作るものでした。しかし妙に粉っぽくぼってりとしたそれを自分は美味しいとは思えなかったのです。お祭りで食べるお好み焼きはプロが作るものではありますが、やはりぼってり感は拭えませんでした。

そんな中自分の「お好み焼き」において「革命」が起きたのです。それは中学高校で住んだ広島の街にて。かの地のお好み焼きは、これまでにあれは何だったのだろう、と思う、全く違う食べ物でした。

すでに全国区の広島のお好み焼きについての詳細の言及は不要でしょう。基本は薄く丸く広く伸ばしたクレープ状の記事の上にキャベツ・もやしをてんこ盛り。豚肉乗せて裏返し。しばらく蒸してから丸い鉄の蓋で上からプレス。生地・野菜・肉はこれで一心同体化。豚肉の焦げるいい匂いが鼻腔と胃袋を刺激するという仕組み。傍らで炒めていた焼きそばに卵を落として先程裏返したものを載せて、又裏返し。お好み焼きソースをかけて、出来上がり。基本形ともいえる「ソバニクタマゴ」ってやつです。牡蠣を載せる、チーズを載せる、海老イカ載せる、といった変化球ものは当時はなく、あったのは「ソバニクタマゴ」だけ。ダブルというと麵が2倍。調味料はオタフク一択。マヨネーズもないのです。
お好み焼き」とは誰も言いません。ただ単に「お好み」。広島の街中なら商店街は当然ながら住宅地の民家の軒先・一角が「お好み屋」になっていて、がらりと扉を開けるとかっぽう着を着たおばちゃんが居間から出てきておもむろに焼きます。常に腹を減らした中高生が下校時間で漫画を読みながらパクパク食べているのです。だから店の週刊少年誌は中高生たちの手指の油で膨れ上がっている。その風景も又、良い味を出していたと思います。

その後大阪のお好み焼きに触れました。具と生地を混ぜてから焼くという点において東京のモノと同じ?ただ焼きそばを載せたモダン焼きは「美味い!」と思ったのです。とはいえいずれにせよぼってり感は大きく、広島の「おこのみ」のほうが好みです。ただ大阪のお好み焼きは、スジコンがはいったり、と具に革新があります。さすがは食い倒れの街。

結局お好み焼きに関しては「広島第一主義」になのです。以来家庭を持ち自宅でお好み焼きを作るときは、必ず「お好み」。ホットプレートの上のクレープに乗った大量の具を散らさずに「えいや」と裏に返すことが一番難しいですが、小さめの直径で作れば大丈夫です。大した事をやるわけもないくせに、いつしか家庭の中でこの料理こそは「父親」しか作れないという特別な地位になり、我が家の「ハレ」の料理になりました。

そんな「お好み」ですが家内と二人だけの生活になるとわざわざホットプレートを出すのも「たいぎ」くなりました(広島弁。メンドクサイの意)。焼くプロセスを見直してフライパン一枚でもっと簡易に作れぬか?と考え、大阪のモダン焼き風にやれぬかと思ったのです。ただし苦手なぼってり感を減らしたいので生地に混ぜる材料は極力減らし、全体的に薄手にしよう。また、やはり大阪の味「スジコン」を入れたら美味かろう、と頭にライトが点灯したのです。

●スジコン、いやブタコンを作る
スジコン用の牛スジ肉は手に入りませんでしたので、まずは手近な豚バラとこんにゃくで同様のアプローチを試みました。醤油・酒・みりんベースのたれで煮るのです。これは「ブタコン」としか言えません。ネギと生姜も加えました。

●具 
広島の「お好み」で使う1/3くらいの量の千切りキャベツともやしひとつまみ。

●生地に混ぜる
生地は普通の小麦粉ですが、冷蔵庫にお好み焼き粉がありました。それを生地に使います。水と同時に、ブタコンの煮汁も加えてみました。

●焼く
ホットプレートを使わぬこと。これがコンセプトでしたので、フライパンで混ざった生地を焼きます。強火で焦げ目をつけてから弱めで火を通します。固まってきたら裏に返します。こちらの面は焼きそばと合体させますので汁けが残っている程度で、いったん皿に取りました。

●麺
麺は中華生麺を茹でてから水で絞めておきます、硬くてクリスピーな焼き具合が好きなのでそれをフライパンでじっくり両面焼いて好みの硬さにしておきました。工程上これを自分は最初にしました。焼き上がり前に「ブタコン」も混ぜて焼きます。

●合体・完成
これに卵を割りいれます。焼きそばとブタコンの堤防のど真ん中に黄身を落とします。そこに先程皿に取っていたお好み焼きを載せます。合体後少し焼き続け、裏に返して完成です。

モダン焼きと広島の「お好み」の製法をミックスさせた感じです。さて味は・・・。いつものように公正な判定人である家内の意見です。今回は「反省」が個人的にはお買ったのです。

・まずくはないが・・・
・少し生地が生焼け感残る。とくに麺の乗ったサイド・・・麺とうまく合体化させるためにあえてこちらのサイドはじっくり焼かなかったのです。広島では麺との合体面にゆるく生地を垂らします。あの手法のほうが良いかもしれないと思いました。
・ブタコンは肉らしさがイマイチ楽しめない・・・これは言われるまでもなく、煮込んだ後焼くのですから肝心の豚バラに火が通り過ぎてしまいました。これなら素直に焼いて、豚肉の味を楽しめるようにすべきですね。
・やはりスジコンにトライすべき・・・。

改善点、見えてきました。大阪と広島を目指してはいるものの、いったいこれは何風のお好み焼きなのか。まぁまずはもう少しフライパンで挑戦です。

f:id:Gonta7LKF3:20220309151301j:plain

フライパンで作ってみた。何風か不明なお好み焼きです