日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

フキノトウの天婦羅

仕事の関係で職場に山盛りのフキノトウを頂きました。仕事は地元に根差したものですのですのでこのフキノトウも又、地元のモノなのです。谷地や谷戸地形を残している地元です。だからこの季節にはこのような地の恵みがしっかりと手に入るのですね。何にもない無味乾燥な場所に住んでいるわけではなくて何よりでした。

フキノトウです。もう何十年も前、雲取山からの下山路でたくさん積んだものを山仲間から頂き、それを天婦羅にして以来、自分にとってはとても大切な「春の味」なのです。(https://shirane3193.hatenablog.com/entry/2021/11/12/070959

菜の花とタラの芽、すでに今シーズンは味わっています。しかし、苦みと春の味という点で、いつもフキノトウは王者です。

頂いたばかりのフキノトウもビニール袋の中で強烈な春の香りを漂わせていました。

さて、これを一番おいしく頂くには、お浸し、煮物。いろいろありますが、やはり天婦羅ですかね。さくっと揚げて塩で頂く。焼酎も進んでしまうという、魔物のような「酒のアテ」なのです。

仕事の合間に家内が頼んでいた通り天婦羅にしてくれていました。早速家内と頂きます。うーん、この香りと苦み。ダントツだな。すまないが、菜の花もタラの芽もちょっと控えめにしてもらいたいところ。何年も前の4月、山スキーで訪れた津軽の山はフキノトウが全盛期で、山の中一帯がこの素晴らしい春の香りで満ちていたのです。

今日もそれと同じだな・・・。ここは津軽からはずっと遠い都会の一角。そんな場所でとれたフキノトウでも香りは何も変わらない。

これ迄訪れてきた様々な春の山里の風景が頭に浮かびます。塩を振ったフキノトウの天婦羅を一口。たまらない苦みは春の歓び。焼酎はますます進み、自分の記憶は酔いに混濁し、頭の中を含むすべてが「春全開」となりました。

春の恵みは嬉しい。冬を越して再び毎年のように芽吹く彼ら。一年経ちいつもと変わらず「生」のすばらしさを伝えてくれる彼ら。だからありがたく頂きましょう。そして私も「生」を実感しましょう・・・。

心地よい「春の宵の酔い」の中、フキノトウへの感謝を持ち、本稿を締めるのです。

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これを天婦羅にすると・・・「ああ、春」。満ちるのです。幸せが