日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

「入力>出力」な人の中期計画

湯船でも台所のシンクでも良い。栓を抜くと湯船の水は抜ける。詰まらない限りシンクに水は滞らずに流れっぱなしだ。排水を止めたり、排水能力を超える水が流入すると水は溜まってくる。

毎日お世話になっているPC,。マルチタスク能力に甘えてソフトを沢山動かして作業をしていると、反応が遅くなるしフリーズすることもある。CPUは加熱し演算能力は低下。作業メモリ領域は埋まってしまい処理待ちデータはストレージとの間を行ったり来たり。

いずれも「入力>出力」。オーバーフローだ。

やりたい事やしなくてはいけない事ことが山積みだ。一方でこれは終えた、という成果はなかなか出ない。何か、焦る。

登りたい山、サイクリング計画は頭の中には順番待ちのキューが出来ている。音楽も楽しみたい。「親父の週末料理」の域を出ないレパートリーも増やしたい。しばらくぶりに再開する趣味もある。新しい趣味も始めたい。何よりも知らない世界に触れたい。そんな風にやりたいことはとても片手には収まらないし、じっくりと向き合うのなら時間がほしい。

一方で老老介護ではないがそれに近い状況に追い込まれてきた。これは避けることはできない。早期退職した今はパートタイムの仕事。仕事上の懸念は一切ないが自分の時間が盗られるのは悔しい。

明らかにオーバーフローしている。日々追われている。会社をやめて暇になったと思いきやそうは問屋が卸さない。

やりたいことを減らせばよいのだろう。しかし勝手に増えるのだから仕方もない。犬も歩けば棒に当たる。ハゲアタマも歩けば何かを感じる。いや、感じるというと受動的だが自分は能動的でありたい。いつも知らない人や世界に触れ、刺激がほしい。常に感じていたい。だから歩く。

脳の病で入院し治療中に、行動療法士さんに言われた。

毎日やるべきことを考えて一日の時間割を作りましょう、と。脳の機能が完全に戻っていないのだから予定表に従うようにすれば機能も戻ってくる。そう言われ毎朝予定表を書いた。それも脳の機能回復の療法だった。

やることに優先順位をつけてましょう、と言われてもその時点で考えたいことやりたいことが山積みだった。そうなるともう少し長いタームでの達成目標が必要なように思える。そこから月単位や毎日の時間割に落とし込むのだろう。

…ああ、どこかで似た話があったな。そうか、会社員時代にさんざん携わった中期事業計画だ。事業環境や競合状況を考慮に入れて、中期長期で事業の「あるべき事業の姿」を描き、それに向けての短期の実行計画を組む。苦手な仕事だったが避けられなかった。

色々オーバーフロウしている今の自分に当てはめるとどうなるだろうか。そもそもこれから加齢とともに衰えていく自分に将来のあるべき姿、と言われてもピンとこない。会社の事業計画では売上高と営業利益は常に右肩上がりで利益率はさらに上がらなくてはならない。減速は許されないのだ。こちらはどこかで尽いえるのだから。

あるべき姿か。5年後10年後の「ありたい姿」なら描けるだろう。横軸は時間だが、縦軸は何にすればよいのだろう。やりたいことが縦軸か。 達成したり、止めてしまったらそこでそれは軸から消える。すると成長線はフラットになる。そこに次の達成課題を載せていく。そんな感じだろうか。もちろん辞めてしまう事もあるだろう。それは歩留まりだ。

結果的に縦軸はやりたいことの案件別の積み重ねとなるか。やりたいことをやる事は幸せなのだからその成長線は一言で言えば「幸せ度」と言えるのかもしれない。事業環境としては、予期せぬ自身の病、加齢とともに訪れる自身の体力の低下、認知の低下、老いた親の介護、そんなところだろうか。ポーターのファイブフォースっぽくまとめるのもここまでだろうか。そもそも収益性に類するものが無いし、大前提の売り手も買い手も、居ないのだから。中期計画は年一回見直し。こちらは毎月見直しと行こう。結果が伴わずとも怒る経営陣もいないし、株価が下がるわけでもないのだから。

害にもならない「よしなしごと」を想像をしているとなかなか楽しい。ただやるべきことだけは予定に落としていかないと積み残しが出るだろう。そこは行動療法士さんの言われた通り、頭の中を整理して書き出していくしかない。

結局、入力≦出力とするためには長期視点で考えやるべきことを整理し、少なくとも今週やる事、今日やる事辺りの目標を掲げることだろうか。

そんな計画は「幸せ中期計画」とでも名付けるか。中期計画は毎年更新し、冒頭に昨年の計画は達成できたのかどうかの見直しがあり、反省がある。こちらはそんなことは息が詰まる。放棄だ。なんといっても「幸せのための計画」なのだから…。

こんな馬鹿馬鹿しい事をクソ真面目に考えるのも面白い。パワーポイントも久々だ。それでいい。ただ作って、阿保らしいと笑う。そんな夢想の世界に遊ぶことが一番脳に良いのかもしれない。何をしてもしなくても誰にも等しく、時間は過ぎていくのだから。

 

始めはあるべき姿だろうか・・・そして戦略から施策へ落とし込むのか。

結局縦軸の単位は埋まらない。幸せは計数化できないから仕方ない。