日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

横浜で食べる福島白河ラーメン

ラーメン探索にかける情熱の総量は今も昔も変わらない。西に旨い麺あれば西へ飛び、東にあれば東へと馳せ参じた。エネルギーに満ちていた20歳代にはその総量は水平方向への探索に費やされ、今となってはやや垂直方向に費やされている。若き日は「地理派」、今は「歴史派」と言えようか。以前はラーメンのためだけに福島や山形、広島にと広く出かけた。もちろんそのついでに登山やサイクリング、スキーを、絡めた。今は活動範囲はやや狭まり、その代わり回数が増えた。正確に言うならば「地理好きな歴史派」なのか。

福島は喜多方、そして白河のラーメンが好みだ。前者は全国区で有名店のチェーン店もあるが後者はどうだろう? 白河のラーメンのために白河市近郊のスキー場にでかけたこともあった。

そんな白川ラーメンの中でも当時有名だったのが「とら食堂」だった。喜多方で言えば「源来軒」「まこと食堂」「あべ食堂」といったところだろう。

本家で食べた記憶もあるが、自分が住む市にもそこで修行された方が開いた店もある。そちらの店の初訪問は25年近く前だった。その後数度通った。

同じ市内でも車では30分。あまり用事もなく出かける場所ではない。先日インフルエンザワクチン接種のために近くに行ったので、久々に立ち寄った。

お店の作りは当時と変わらない。お店のご主人の記憶はもうなかった。しかし、ひらザルで念入りに麺の湯を切り、そのままくるりと麺がザル上でまとまり丼に落ちる所作に一切の無駄はなかった。間髪おかずに具を乗せる相方女性どの呼吸感も、見ていて楽しい。

ああこれだ、こんな味だった。

そう家内と顔を見合わせた。スープも美味しく、コシのある麺がよく絡んだ。

しばらくのご無沙汰が悔やまれる。喜多方の有名店のように全国展開はしないのだろうが、門外不出の老舗の味を、守っているのだろう。

この秋最初の冷え込みだったのだろうか、昼間でも寒い日だった。福島の老舗の味は少し体を火照らせてくれた。鶏ガラ系の中華ソバと、魚系の支那ソバの2系統の味。自分たちは鶏ガラ系で行った。今度は魚系だよね、そう言い合って額の汗を拭いた。「地理好き歴史派」も楽しいものだ。

 

白河中華そば 横浜市都筑区 https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140203/14000172/

見事な所作で作られるラーメンは期待を裏切らなかった。(ワンタンメン)