日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

脳腫瘍・悪性リンパ腫治療記(26)放射線治療(1)概要

RMPV療法自身は終了したが、自分の悪性リンパ腫治療のメニューとしては、次に放射線治療が待っている。放射線科医師による治療の概要と副作用についての念入りな説明があり、同意が求められた。

放射線治療の目的:脳内病変を制御する目的で脳全体に放射線治療(全脳照射)を行う。
・治療方法:直線加速器による外部照射方法
放射線総線量:23.4グレイ
・急性期反応:頭のむくみ、嘔吐、脱毛
・晩期反応:認知機能の低下可能性(詳細についてはよくわかっていない)
放射線量について:以前は30から40グレイの照射であったが、化学療法の奏功もあり、近年では放射線総量を減らす(23.4グレイ)事でも治療成績を損ねることなく、かつ、認知機能の低下がなるべく発生しないように出来ると考えられている。
・追記:脳転移病変の増大を抑えることもメリットを考え、全脳照射を行う。

認知機能の低下。これはQOLに影響を与えるが、ガンの駆逐と将来的な認知力低下可能性のどちらを選ぶか?と言われると返事のしようもない。乗り掛かった舟で、主治医を始めとする治療スタッフには全幅の信頼を置いている。信頼が無いと治療の成功もない。同意にチェックをする。

事前準備としてフェイスマスクの作成がある。石膏のデスマスクの要領で、網状シートになっている硬化プラスチック材を仰向けの頭に被せ型を取る。それは剣道のお面と言うか、フェンシングのお面と言うか。やはりデスマスクが一番近い表現に思える。デスマスクは顔だけだが、今回は頭全体だ。

これで世界に一つしかない自分のマスクが出来上がった。次回からは放射台に横たわりこれを上から被せて四隅を固定する。頭が間違って動かぬように。放射線はピンポイントにあてるのだろう。ズレは致命的だ。

全13回の放射線治療。毎回1.8グレイずつ、計23.4グレイ。RMPVを軸とした病の治療法が確立されてからの新しい放射線量は従来の58%から78%程度に抑えたものだ。それでも認知が低下するなら仕方ない。足し算引き算が出来ずとも、人の顔が判別できるなら、美しい風景が美しいと思え、美味しいものが美味しいと思えるなら、それで充分だろう。

さあ、明日からだ。