奥武蔵や秩父の山はなにせ横浜は方面からはアプローチが厳しい。しかし鉄道網の発達により必ずしも八王子から八高線ばかりではなくなった。東横線から西武線、そして東武線への直通も走るようになった。そんなルートを用いた同エリアの山に2週続けて登ってきた。
・ツツジ山(831m)、飯盛山(816m)埼玉県飯能市、越生町 2022年6月18日
奥武蔵グリーンライン峠付近の山を友人と狙った。東横線から西武線直通。飯能で秩父線に乗り換え正丸駅下車。国道を正丸トンネル方向に歩き、狩場坂峠への舗装林道に分け入る。しばらく汗を流し、狩場坂峠へ直答する沢へ道標に従い入る。高麗川源流の滝の碑をめざすが、殆ど歩く人もいないようで荒れ気味。沢筋を注意しながら進むが人工林の中、崩れやすい急傾斜が続き、四つん這いで登るような箇所もあり好い気は無しない。一気に沢を詰めると奥武蔵グリーンラインに出る。そこから70m程度の標高差を登りツツジ山山頂。ツツジの時期は終わっていたが山の名前がその所以ならばもうひと月ほど早く来るべきだった。
グリーンラインを南下し飯盛山へ。グリーンラインは天然林も残っていて悪くない。車は殆ど来ない。自動二輪車か自転車(ロードバイク)の往来はそこそこある。グリーンラインから東側に踏み跡を辿る。飯盛山は山名標識のみで展望もさえない。しかし植林帯の中に顔を出す天然林がありがたい。
下山は飯盛峠から羽賀山への稜線へ。稜線に乗るまで作業道・林道が交錯するので読図が必要。今はスマホのナビソフトが2万5千分の1図上の自分の位置を正確にプロットしてくれるので楽になった。羽賀山はスルーして戸上集落に下山する。
街着に近い軽装な女性が一人で里の農道を歩いてきた。藤で編んだ帽子が涼やかだ。話しかければ「山猫軒」というギャラリー兼カフェがあるようで、それを目当てに登ってきたという。自分と大して年齢は変わるまい。バスを降りてテクテクと30分はかかった事だろう。彼女が都会に住んでいるのならこの風景は寂しくないのだろうか?いや、疲れを癒やしてくれているのかも知れない。軽い足取りだから、きっとそうだろう。
そこはいったいどんなカフェなのだろう。最近は田園にもスローなカフェが見られるようになった。地の野菜などを使う。美味しい湧水、沢水でこだわりのコーヒーを入れるのだろう。それはさぞや美味しそうだ。そしてそれを目指してはるばる都会から歩いてくる。そこには安らぎと人を元気にさせる何かがあるのだろう。若い人ばかりかと思えば訪問客の年齢も多様化しているようだった。都会を抜け出してみよう、そんな動きを確実に感じとる。人の動きも、その流れがあるように思う。
彼女は今ごろ手作りケーキに美味しいコーヒーだろうか。山の空気が味を際立たせているに違いない。
黒山三滝から降りてくる最終バスを捕まえて友とニューサンピア越生で温泉。冷たいビールと武蔵野肉うどんで山行をしめくくる。