日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

二度とお呼びでない

玄関のベルが鳴ります。ドアを開けると青いつなぎのお兄さん。

「消防署のほうから来ました。消火器はありますか? 消防法が代わりまして、設置が必要です。今ですとお安くしておきますが。。置いておかないと罰則になりますよ」

その家にはたまたま家賃の支払いに現金があったのでしょうか。言いなりの金額を払い消火器1本を受け取ったとか、追い返したとか。。

ネット社会の普及によって個人情報を含むさまざまなデータがデジタルデータとして何処かに残りますね。クレジットカード番号と紐づけのデータもあります。Eメールには毎日ジャンクメールが来ます。所有していないクレジットカード会社名で「異常ログインがありました」、大手の通販サイトから「あなたのアカウントは停止されました」。いずれも「ついては下記へログインを」となります。

こんなのも来ました。「あなたが閲覧したアダルトサイトの履歴をあなたのPCに保存されている住所録へ無作為に配信します。あと24時間の間にこのサイトをクリックして停止手続きを取ってください」

ふ!こんなものに引っかかるか。しかし最後の事例は「やばい」。自分は聖人ではなく叩けば埃は出てきます。いわゆる「脛に傷がある」訳ですね。・・・この時ばかりは焦り、クリック寸前。

数日間家を空けて帰宅するとポストには配送業者からの家内宛の不在通知。早速家内は通知に従って再配達の手続きをしたようです。しかし電話を切って数分。「これはおかしい!!」と大きな声。

購入した身に覚えのない業者からの配送だったようです。調べてみると外国の業者。受け取り確認が取れたら金を送れと迫るのでしょうか、詐欺と書かれているサイトもありました。家内は直ぐに電話を掛け直し再配達は中止。運輸業者は「あああ、そうでしたか。最近よくあるんですよ、そういう事例。」と極めて当たり前に対応してくれたそうです。家内はネットでの注残品がまだあり、それが届いたのだろう、早く受け取らないと!と焦ってまずは再配達手配をしたといいます。

「脛に傷」、「焦り」、「罰則」そんな些細な事や言葉が偶然に重なりあうと思わぬトラップに引っかかるのでしょうか。騙すほうも人間の心理のエアポケットをよく研究しているようです。

個人のデータが様々デジタルなカタチで存在し、決済も現金でなくなり、落とし穴が増えました。アナログでも落とし穴があります。幸いに自分の親には「オレオレ詐欺」電話も、消防署のほうからも、銀行のほうからも電話も訪問者も来ないようです。自分も口を酸っぱくして注意しています。

詐欺を働く人はどんな心理なのか。彼にとって社会はつまらなく自分の居場所はないのだろうな。なぜ彼らはそこへ至ったのか・・。嫌な社会だ。何も起こらないような平等な社会があるのならばそれは理想郷。どんなに嬉しい事かわからない。しかし生憎くユートピアは想像の世界です。

ネットの買い物はしっかり覚えておくこと。毎月の明細に異常はないか見ておくこと。知らない人には応じないこと。

そんな事を自戒を含め偉そうに家内や親に言うのです。何といっても40年前に「数万円払って消火器一本を買った世間知らずの馬鹿な大学生」も、それなりに成長はしたのでしょう。やはり日々を注意深くすごし、さまざまなトラップから逃れるだけのようです。 

高い消火器は二度とお呼びではないのです。

相手は手を変え品を変え。嫌な社会です。