日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

裏山の里山ならず。シダンゴ山から高松山へ

三月の連休は山仲間と共に信越への山スキーを計画していました。しかし天候も悪い予報です。GPSはあるにせよ視界の効かない中で山スキーをすることは、仲間も自分も是とはしない事です。そこで雪とは縁のない低山ハイクに計画変更です。

懸案であった西丹沢の前衛の山、シダンゴ山から高松山へ歩く計画となりました。シダンゴ山は寄集落の、高松山は山北駅の、それぞれ裏山です。まぁ手近な里山歩きだな、そんな気持ちで臨みました。

小田急新松田駅から寄集落まではバス。このバスに乗るのは25年ぶりくらいでしょうか。あの時は寄から丹沢・鍋割山の西側の稜線を歩くのが目的で、雨山峠まで沢を詰めて雨山(1176m)と檜岳(1167m)を歩くのが目的でした。このルートは人通りも少ない寂しいコースでした。

今回は寄集落から一気に西側にあるシダンゴ山(758m)に登り、そこからは尾根伝いで南西に歩き高松山(801m)まで縦走、そして山北駅へ下山という計画です。シダンゴ山の西側、秦野峠分岐から高松山までの稜線は手持ちの「山と高原地図・丹沢(1999年版、及び2011年版)」では破線表示です。一般路ではないという事です。どんなものか。想定コースタイムは6時間強です。

寄集落からは茶畑の中の上りです。茶畑の山は、焼津や清水あたりの山以来です。キンカンの咲く農道を詰め切ると鹿よけの策があり山道に入りました。登り一辺倒。足元に大きな音。眼下の植林帯を鹿が2頭走っていきました。

ひと汗かいてシダンゴ山。ここでアマチュア無線。同行の友人が御坂の黒岳に移動している仲間を50MHzバンドで見つけたので即交信でした。ここから西へ足を向けます。小さなアップダウンが続きます。林道を横切り地形図上812m峰までは階段の続く急な登りでした。

ここから高松山までは地味な上り下りが続きます。林は一貫して植林帯です。これが天然林ならばもう少し歩く張り合いも湧くのですが、ぱっとしない冴えないルートです。途中の731m鉄塔台地で軽く昼食。ジリジリという送電線の音は気持ちがよくありません。じっとしていると寒くなります。まだ肌寒い天気です。

要所要所には山ヒル注意の看板と、山ヒルよけの塩の張ったボトルが置かれています。指導標は完備されており破線路とは思えないルートです。

再び地味な上り下り。これがだんだんとボディーブローのように効いてきました。病後8か月でまだ体力リカバリーしていない?いや、手術後毎日飲んでいる脳の薬のせい? 久々の山歩きだから? 色々なエクスキューズが頭に浮かびますが、脚が重かった事だけは事実でした。

高松山山頂はカヤトに覆われて多くのハイカーがいます。眼下には相模湾が大きく、江ノ島から三浦半島、そして房総迄もが遠望されました。ここでアマチュア無線運用。1200MHzバンドです。房総や地元湘南の局から声がかかりました。満足です。

高松山からは駅のある山北まで一気に下がります。これがなかなかつかれた足には辛いものでした。もう30年ほど前でしょうか、南アルプス聖岳から茶臼岳への縦走登山に備えて体力づくりで走っていたころ、左ひざを少し痛めたのです。その古傷が未だに時々下山時にのみ感じます。今回はそれもひどくなり、新東名のトンネル工事現場のつけ変わった長い階段道の下りに喘ぎ、ミカン畑の農道まで下山しても辛いものでした。

旧国道に出て山北駅へのバスを待ちます。計画において周到な山仲間がバス時間を調べていてくれたのです。山北駅で駅裏の炭酸鉱泉「さくらの湯」400円で汗を流し疲れを取りました。気持ちがよく気が遠くなりそうです。

「裏山の里山」だろう。そうタカをくくっていた山ですが、しっかり絞られました。改めて地形図をじっくりよんだところ今回のルートは登りの累積標高差が956m。下りの累積標高差が1158m。なるほど、5~600メートルくらいのもんだろう、と思っていたのも甘い話です。まぁ自分としてはさもありなん、かもしれません。心構えが緩かったので、現実にやられた感じです。ここは事前プランニングでもう少し認識をすべき点でした。まだまだ登りたい山は沢山あります。こんな事でくじけるわけにはいきません。次回の山への課題とします。

里には梅も咲く山。植林で味気はなかったけれど、ともかくもキツイ「裏山の里山」ではありました。

寄バス停8:31-シダンゴ山9:44/10:11-731m送電線鉄塔11:46-高松山12:59/14:10-ビリ堂14:24-第二東名工事現場(農道出合)15:20-高松山入口バス停15:39 2022年3月21日

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寄集落は久しぶり。春めきかけていますが鍋割山からの稜線は雲の中です。

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茶畑の中を歩きます。駿河の山のようです。

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シダンゴ山は静かな山でした。雨山から檜岳の寂しい縦走路を近くに望みます。

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登山ガイドでは破線表示の道ですが標識は完備、踏み跡も明瞭です。

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ヒル。まだこの季節は大丈夫ですが・・・。会いたくないですね

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高松山は多くのハイカーが集うカヤトの穏やかな山頂です。相模湾の展望も素晴らしい。

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第二東名の大規模な工事現場を下り春の里へ下りました。足は言うことをききません。なかなか辛い山でした。