日々これ好日

山や自然、音楽が好き。そんな私は色々な事が起きる日々の中で、好き日を過ごす事を考えています。

蓮根とゴボウが食べたくなるのです

ヨーロッパに駐在していた頃。住んでいた街は日本人は多く日本食材店に困ることはありませんでした。調味料、冷凍食品、乾物、練り物、豆腐・納豆、麺類、刺身、お菓子、酒・・凡そ日常生活を送る上で不足している材料はほぼ「無し」です。野菜は現地のモノが思ったより豊富です・・・。しかし、唯一手に入らないものがあったのです。それが蓮根とゴボウでした。どちらも土や泥の中のモノ。根菜。

共に地味でクラーイ食材ですよね。太陽を沢山浴びた野菜ではないのです。地面の中で、はては泥水の中で、太陽光を避けるように成長するのですから。日陰者、などとい単語すら思い出します。聞くところによると、第二次世界大戦中に、日本軍の兵士になった連合軍兵にゴボウを食料として出したところ、「木の根っこをたべさせた行為は虐待である」との咎をかけられた、等という話もあるようです。

確かにゴボウは木の根っこそのものに思えるし蓮根は泥の中から引っ張り出す。共に「食欲」には限りなく距離がある食材に思えます。野暮ったいし、清潔でもないし・・・。地味です。

しかしながら子供のころから食べていた木の根っこや泥んこの茎、自分の好物になっていました。これが手に入らないこともあり、とても食べたくなるのでした。歯ごたえが良いのです。甘辛くとろみをつけたり、煮物に入れたり。数は少ないながらも蓮根は未だ冷凍食品がありましたがゴボウは苦戦しました。家内はそれでも何とか探してきてくれ、時々歯ごたえが微妙に異なる「気合不足」の根菜が食卓に上がっていました。

そんな思い出のある蓮根とゴボウ。これを使った料理が好きです。定番は煮物なりキンピラゴボウなり。

なかなか相まみえない両者を一気に味わうべく、今晩のメニューです。欲望は細切れに満たすのではなく、一気にドカンと! 「蓮根とゴボウの甘酢炒め」。

・ゴボウ1本
・蓮根1/4本
・豚バラ肉150グラム程度
・醤油、調理酒、酢 各大匙1程度、みりん大匙1/2 (いずれも味を見ながら適宜調整)
・必要に応じて塩・砂糖
・片栗粉

それに安売りしていたインゲンを追加しました。歯ごたえと見た目の色合いを考えたのです。

ゴボウと蓮根はカットしたら酢水につけてあく抜き。水を切って片栗粉を絡ませておきます。
豚バラやインゲンを炒め、肉に火が通ったらいったん皿にあけます。
片栗粉で化粧したゴボウと蓮根をゆっくり目に油をひいたフライパンで火を通します。
火が通ったら強火にして調味料と炒めておいた豚バラ類投入。
もう少しとろみが欲しい際は水溶き片栗粉を追加投入。

下ごしらえさせしてしまえば簡単な料理です。

思う存分、ヨーロッパでなかなか食べられないという不満を感じていた部分も取り返す勢いで頂きましょう。今日は豚バラを炒める際に唐辛子のみじん切りもいれました。またさつまいもがのこっていたので、ゴボウ蓮根と同様に片栗粉であえて火を通しておきました。ともに良い味を出してくれていました。豆腐サラダとシイタケと油揚げの混ぜご飯を添えました。

今日の主役はただの醤油と酒・みりんで炒めても良いのですが、この「酢」が実に良いアクセントに感じます。

何とかの一つ覚え・・。まだ買ってきた蓮根もゴボウも残っています。組み合わせる野菜は変わるでしょうが、当分繰り返して作ることは決定したようです。粗雑な男の作る粗雑な料理です。

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