家のオーディオシステムです。
過日友人宅に遊びに行き、マランツのアンプにJBLのスピーカーで迫力満点のサウンドを体感しました。一応私もベーシストなのです。ベースラインとバスドラムがビンビン響くのを体で体感してしまうと頭の中で音を立ててタガが外れます。出費は抑えるべき・好きなように金は使うべき、というその均衡が崩れてしまうのです。
以来、良い音で好きな音楽を聴きたいという欲望が大きくなっています。
自分の音楽の趣味はジャンルについていえば雑食です。70年代までのソウル・ロック。フュージョン系も日本のポップスも基本的にはその辺りまで。クラシックはバロックから古典派、ドイツロマン派と一部フランスの印象派。そんな嗜好の中、やはりアナログな音であるクラシック音楽を良い音で聴きたい、そんな思いが大きいのです。古雅なチェンバロ。残響豊かな、あるいは硬質なピアノ。ウィーン・フィルやシュターツカペレ・ドレスデンの豊醇な音色・・・。あれです。
音源については幸か不幸か、あまりこだわりが無いのです。アナログレコードのすばらしさは良くわかりますが、すでに好きな音楽は全てデジタル音源になってPCの中に保存されています。PCに保存してから手放したメディアも多いのです。これらを再びメディアのレベルまで戻そうとは思っていません。場所を取らない、検索が容易、そんな利点は代えがたい。だからMP3を快適に聴ければよいのです。MP3であればスマホに好きな曲を入れておいて、ブルートゥースで好みの再生機から再生できるのですから、まさに隔世の感があるのです。
どんな音が欲しいんだろう・・・。ビート系ではやはりベースラインが攻撃的に聞こえるという事。それしか求めません。しかしクラシックだとピアノやチェンバロ、オケが温かみをもって聞こえる事。
何となくですがその全ての解を「真空管アンプ」に求めてしまいます。スピーカーはJBLに漠然と憧れますが、これは色々選択肢がありそうです。
現在居間には音楽を再生するシステムはなく、それは自分の書斎のみ。PCのOUTPUTから出てくる信号を、自作のトランジスタアンプと自作のスピーカーで鳴らしています。自作のトランジスタアンプと言いますが勿論キットです。NFJ社のキットYDA138デジタルアンプ。これをやはりキットのFOSTEXの8Ωのフルレンジスピーカ(SP直径6センチ)ボックスで鳴らしている訳です。左右8Wもない小出力のアンプです。しかしこのスピーカーを鳴らすには充分なドライブ力で、室内で聴くには充分です。ただしパイプオルガンの低音を大きめに鳴らすとスピーカーがビビリます。あれだけの空気の出力の音です。こんなちんけなシステムでは仕方ありません。
ということもあり、真空管アンプのキットを模索しています。真空管のアンプならこれも自作できるでしょう。出来る事ならば自分で作りたいのです。
キットを検索すると(株)イーケイジャパンのキット(ELEKIT)からいくつかのラインアップがあります。値段も出頃。工作もCR部品やトランス程度のはんだ付けなら老眼進む自分でも時間をかければ出来るでしょう。8Ωであればスピーカーの選択肢もあります。他にもキットは多い。お財布と老眼の進行度、手指の震え具合を見計らいながらゆっくり時間をかけて調べます。
全ての趣味に共通することかもしれませんが、あれこれと資料を調べ考える段階が一番楽しいのでしょう。しかしどこかでリターンキーを押さなくては先に進みません。もう少しだけ考えてみましょう。今の自作オーディオシステムはパソコンの前に座るにはピタリです。音も満足。しかし、もう少し大きな部屋で鳴らしたいのです。楽しみと苦しみの同居する、素敵な時間です。